セリフの個別の事情に根差した
“本当の意味”を見抜く力、ありますか?
本当の意味と言うのは、国語の正しさではなくて、「役の人物」自身にとっての意味です。
3月末は久しぶりにオンラインとスタジオ実践のクラスを行います!
週末も個人レッスン受付中の演技コーチ鍬田かおるです。
4月からまた大学の授業が始まるので、こちらも楽しみです。
さて、
昨日のレッスンでも話題になったのですが、演技をする上で「言葉の意図を見抜く力」は不可欠です。
台本に書かれたセリフをそのままの意味で受け取るだけでは、演技が浅くなりがち。
という事は、、セリフの奥に隠されいるような“意図”(動機と呼ぶ方もいますが、ほぼ類義語です)を探ることで、キャラクターのリアリティがぐっと増します。
これは、「正しい答え」があるから、その「正しい答え」を見つけよう!
と、いう意味ではなく、
「セリフになっていない部分の言いたいこと」を想像していくプロセスで
役の人物の「1番のお困り事」や「いま、気になっている心配や不安」、
そして、ドラマですから、「期限が近くて、緊急の解決したい問題」
さらに言えば、「どうしてもいろいろな事情で方法が限られているが、達成したい目的」に自分の注意を向けていくと言うことです。
答えを探すことで何か達成するのではなくて、
答えはないとわかっているが、想像をむくむく膨らませて
繰り返し、いろいろな角度から類推したり、比較したりする時間を通じて
全体像が見えてきたり、自分の力がメキメキと発揮されていく、という意味です。
さて、今回のこの記事では、誰でも今日から試せる「セリフの意図を見抜く方法」をざっくりとですが、解説します。
1. 「このセリフ、そのまま受け取っていいの?」
「おはようございます!」
この言葉、本当に朝の挨拶として使われるだけでしょうか?
現場で夕方に初めて会うスタッフが「おはようございます!」と言ったら、違和感はないですよね。これは、時間ではなく「初対面の挨拶」という意味で使われています。
つまり、言葉の解釈は「誰が・誰に・どこで」言っているかによって変わるということです。 自分は誰か(誰でありたいのかも含む)
相手との関係性(相手にどう思われたいかも含む)
今いる場所と状況
この3つの要素が揃って初めて、セリフの本当の意味が浮かび上がってくるのです。
きっと、この挨拶の言葉ですら、自分の本音を伝えたり
もしかすると、「特定の相手」にだけ通じる意味があるイントネーションや音の特徴があるかもしれないですよね…
これも演じること、作品作りの嬉しい面白いところです
2. 「いいよ、それで」──本心は?
一見すると同意しているように見えるセリフ、
「いいよ、それで。」
でも、これは本心でしょうか?
多くの大人の方、そして学生の方でも、「大丈夫、大丈夫〜」がおうおうにして大丈夫でない事は経験から知っていますし、
同じように
「いいよ、それで。」
いろいろなパターンがあるのも経験的に知っています。
例えば、 本当に納得しているのか?
仕方なく折れているのか?
皮肉を込めて言っているのか?
イライラを抑えているのか?
これを見極めるポイントには、 「何回目の発言か」 「前後の文脈は?」があります。
1回目:「提案に対して、フラットなリアクション」
2回目:「少し考えた上での同意、あるいはためらい、場合によっては、しぶしぶ」
3回目:「諦めか、怒りを抑えての言葉」=相手を黙らせるための道具としての言葉
同じ言葉でも、使われる回数や前後の流れでニュアンスが変わるのです。
これは本当に一例でしかありませんが、意味を考える。きっかけになると嬉しいです。
重要なことですが、まず一旦「可能性をたくさん広げてみる」
この「プロセス」を踏むか、踏まないかで、土台が決まってきます。
3. 「プロのイケてる俳優は、セリフの奥にある意図を掘る」
台本のセリフは、ただ音として発するだけではなく、その背後にある 「意図」 を理解することで、リアルな演技につながります。
これはもう、解説済みですね。
さらに言えば、いろいろな役を演じ分けできる方
作品ごとに、びっくりするような変容を遂げる方
ジャンルを超えて活躍してらっしゃる方
20年、30年、と息の長い活躍を続けてらっしゃる方の特徴として、
キャラクターが本当に伝えたいことは何か?
本人は意識しているのか? それとも無意識の発言か?
そのセリフの前後で、感情や関係性がどう変化しているか?
これらの問いへの何らかの意見といいますか、
1種の提案をしていると見受けられます。
例えば、私たちも日常で「本音を隠して話すこと」がありますよね。
「大丈夫だよ」(本当は大丈夫じゃない)
「なんでもないよ」(本当は気にしている)
このような 「隠れた感情や目的」 をしっかりと掘り下げることで、演技に深み、確信が生まれます。
この根っこなしに、「信じてもらう」事は難しいので、やはりこの背景を掘り下げることが大切です。
この背景のおかげで、自分の気持ちがぐんぐん盛り上がるとも言えます。
4. セリフを“読む”だけではなく、“解釈”する力を鍛える
プロの俳優は、セリフをただ読むのではなく、「このセリフがどんな意図を持って発せられているか」 を考えながら準備した上で、演じます。
ここで注意しなければいけないのが「考えながら演じている」のではないという事。
あくまで、様々な方向から背景を掘り下げるのは「準備」の部分です。
台本読解の手順と分析の方法は、実は複数あります
その中から、基礎的な部分から順に、
実際に現場で役立つように、実例を挙げながらオンラインでも教えております。
使う台本は、映画の脚本であったり、古典の名作であったり、多岐に渡ります。(場合によってはリクエストも受け付けることがあります。)
アクティングコーチなる言葉がなかった時代から、演技指導しておりますが、
私自身、学生の頃に所属していた日本の芸能事務所でも、実技のある大学の授業でも、演出家の先生による実習や公演でも、それこそ俳優の先生の演技塾でも、具体的な方法は、その都度、その都度、「台本の読み込みの浅さ」や「解釈の良し悪しを」指摘されることありましたが、体系立てた形で、学んだことがなかったのです。
「養成所でも、こんなこと教えてくれなかった!」
「今まで教えたい俳優や監督のワークショップに行ってみたけど、こんな具体的な方法はなかった」
「すごく違いがあるから、演技を始めた『あの頃』に知っておきたかったです」
と、多くの方々が(半分悲しそうに、半分希望に満ちて)感想を述べられます。
台本の奥を読み解くスキルを磨くことで、
伸び悩んでいた方は演技がより説得力のあるものに、
ついつい頭でっかちになりがちだった方は、「身体が動きやすく」
「役として行動しやすく」なります。
もし「セリフの解釈」に自信がないなら、一度学んでみませんか?
3月のクラスでは、セリフの“意図”を見抜く力を強化できるグループクラスを行います。
3月のクラス少人数制クラスで、演技の違和感を突破する
そんな中、今回ご案内する 「演じるための台本読解オンライン講座 × 演技力アップクラス」 では、
・オンラインで台本を深く読解 → スタジオで即実践
・少人数制だから、ひとりひとりのトライ回数が多いから、納得できる
・個別フィードバックがあるから、具体的にどう改善すればいいかが分かる
・演技の「理解」と「体験」をバランスよく積み重ねられるから、明日から役に立つ!
を中心に組み立てました。
新年度、新たな気持ちで、具体的な解決方法をたくさん体験してもらって、
「なんとなくやってみる」ではなく、
「どうすれば伝わるのかを実感できる」 クラスです。
クラス詳細
【日程】
3月26日(水) 19:00-22:00 ZOOM
3月27日(木) 19:00-22:00 ZOOM
3月29日(土) 12:00-15:00 実践
3月30日(日) 12:00-15:00 実践
【料金】
オンラインのみ 台本読解二夜間:18,000円 / オンライン+スタジオ 読解+実践 2日間:34,800円
プレミアム:オンライン+スタジオ+特典個別分析ノート付 39,800円
お申し込み方法
メールまたはDMで、件名に『お名前と3月クラス参加希望』 とご記入の上、
年齢 / 性別 / 所属(事務所・劇団など)、はじめてクラスにご参加される方は、簡略なプロフィールも
エラー対策のためのメールアドレス・電話番号、
ご自身の近況や活動の様子、ご自身の感じてらっしゃる課題など、をお送りください。長文でも大丈夫です。
この機会を逃さず、自分の演技をアップデートしませんか?
頭でわかったつもりより、身体を通じて、感覚体験してしまえば、定着も早いです。
本日のまとめ
セリフの意味は「誰が・誰に・どこで」発しているかで変わる
「いいよ、それで」のようなありがちなセリフも、回数や状況で意味が変わる
俳優は、言葉の裏にある「意図」や「可能性」と「目的」を想像することが大事
台本を深く解釈することで、演技にリアリティが増すから、信じてもらえて、自分も生き生きしてみえる!
演技の“深み”を出したい方は、ぜひ3月のクラスへお越しください。
本日のスポンサードリンク
Amazon Primeで公開されていました。
自分が東京に住んでいるせいなのか、このドラマは久しぶりに興味深いです。
もしかすると、多国籍な部分や通訳というところにも、興味があるのかもしれないです。1話ずつ見ても、よし、まとめてみてもよし。
もちろん、言葉についての考察も示唆深いです。
何より俳優のみなさんも個性的で、面白いです。
特に食事シーンも注目ですね!

演技コーチ/ムーヴメント指導・演出・振付/IDC認定インティマシーディレクター/STAT認定アレクサンダー・テクニーク指導者/スピーチ&プレゼンテーションコーチングActing Coach/Movement Direction/IDC qualified Intimacy Director/STAT certified Alexander Technique teacher, mSTAT, Movement Teaching/Speech and Presentation Coaching
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