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オーディション対策で、実は見落としやすいこと

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オーディション前に募集要項や資料を確認しながら、準備内容を整理している手元

オーディションの準備というと、宣材はもちろん、セリフ、歌、ダンス、特技、自己PR、また最近は増えている、動画提出などを思い浮かべる俳優は多いと思います。

私自身、小学生の頃から芸能事務所に所属はしていましたが、他の方の書類を見る機会はなかなかなく(子供だから当然)、ただ当時はみな紙でしたので、社長やマネージャーが持っているものを、チラッと覗いた位の記憶しかなかったです。

そう、実際の書類、そして演技の準備、さらには特殊技能などのアピールも…最近では応募のきっかけや動機を尋ねられることも。

もちろん、それらはすべて大切です。

ただ、実はその前に、見落とされやすいことがあります。

それは、お相手が誰なのか、そして、何を目的に準備するのかをはっきりさせることです。

お相手が何を探しているのかわからないまま、自分は何を準備するのか。

実際、ここからブレていきます。

ここが曖昧なままでは、どれだけ一生懸命準備しても、自己PRも、課題台本も、動画提出も、どこかずれてしまいます。

極端な例ですが、大学の受験を思い出してみてください。

志望校ごとに対策をしませんか?

難関であればあるほど、人気があればあるほど、すべての学科、すべてのコースに、万能な準備などないのです。

 

オーディションは、自分の魅力を全部並べる場ではない

オーディション対策というと、

もっと印象に残る自己PRを作る。

もっと目を引くプロフィール写真にする。

もっと強い芝居をする。

もっと個性的に見せる。

そう考える方もいると思います。

もちろん、必要な場合もあります。

でも、それは、「誰にとっての印象」が残る、なのか。

いつ、どこで、「誰の目を引く」プロフィールなのか。

こういうところの前提が結果を左右します。

さらに言うと、オーディションは、自分の魅力を全部並べる場ではありません。

これは、養成所や事務所の募集でも同じです。

相手が何を探しているのか。

それはなぜなのか。

どこへ向かっているのか。

どの作品、どの役、どんな声、どんな身体性やイメージ、どんな得意範囲、どんな準備力を見ようとしているのか。

そこを読まずに準備を始めると、努力の方向がずれてしまいます。

という事は、自己分析

いわゆる棚卸しと同時に、お相手の研究が大切になります。

 

何を目的に準備するのかを、先に読む

そこで大切になるのが、募集要項です。

募集要項は、ただ日程や提出物を確認するための事務情報ではありません。

誰が、誰を対象に、いつ、どこで、何を求めているのか。

そこを整理することで、オーディションで何を目的に準備すればよいのかが見えてきます。

逆に言えば、そこが抜けていると、いくら熱意があっても、なかなかマッチングは起こりにくい。

 

ここで焦って、自己PRに走ってはいけません。

誰が募集しているのか。

制作会社なのか、劇団なのか、芸能事務所なのか、映画監督なのか、学校や養成機関なのか。

誰を対象にしているのか。それはなぜなのか。

新人なのか、経験者なのか。なぜ、今なのか。

特定の年齢、スキル、身体性、声、歌唱力、ダンス経験を求めているのか。

いつ行われるのか。それは、整合性のあるものなのか。

応募締切、審査日、稽古期間、撮影日、本番日程。

どこで行われるのか。社会一般通念上、問題のない設定が。

さらに、

何を求められているのか。

プロフィール、写真、動画、歌唱音源、ダンス動画、自己PR、台本、指定課題。

ここを整理しないまま応募すると、準備がぼやけます。

また、仕事の案件でなくとも、自分が感じている「得意」とお相手のコミュニティーでの指し示す「得意」のレベルにギャップがあることも…。

ここは日ごろから、チェックが重要です。

何を見せるべきかが曖昧なまま、ただ「よく見せよう」としてしまうからです。

 

募集要項だけを読めばよいわけではない

読むべきものは、募集要項だけではありません。

募集に関連した記事。

団体や作品の紹介文。

過去の上演歴や上映情報。

監督、演出家、制作団体のプロフィール。

送られてきた資料。

メールのやりとり。

提出方法や締切に関する連絡。

こうしたものにも、準備の方向を決めるヒントが含まれています。

日ごろからこのようなリサーチや、もちろん興味があれば、自然とやっていることかもしれませんが、情報整理する事は重要になるでしょう。

何を提出するのか。それはなぜなのか。

どのような形式で見せるのか。

オーディションの環境も本当は知りたいですよね…。

誰が審査し、誰に向けて作られるものなのか。

そこを具体的に読んでいくことで、初めて「自分は何を準備すべきか」が見えてきます。

ですから「読解力」がこの時点で大切なのです。

相手が何を探しているのかわからないまま、自分だけで準備を組み立てても、ただ自分の見せたいものを並べるだけになってしまいます。

それでは、オーディション対策としては弱い。

雰囲気で判断すると、準備の方向がずれやすい

募集要項を見た時に、

「なんとなく自分に合いそう」

「とりあえず応募してみよう」

「この作品、面白そう」

と思うことはあると思います。

もちろん、その感覚が入口になることもあります。

ただ、そのまま進めてしまうと、準備が浅くなる場合があります。

募集要項や関連資料は、現実に存在している情報です。

だからこそ、まず書かれていることを拾う必要があります。

作品名があるなら、その作品について調べる。

団体名があるなら、過去の上演歴や制作傾向を見る。

監督や演出家の名前があるなら、これまでの作品を調べる。

ジャンルが書かれているなら、そのジャンルで何が求められやすいのかを考える。

書かれていることを拾う。

書かれていないことは、できる限り調べる。

そのうえで、自分が何を準備するかを決める。

ここから、オーディション対策の精度が変わります。

このように、文章にすると当たり前かもしれませんが、そこに精度が欲しい。

 

台本を読む時にも、同じことが起きている

これは、台本読解でも同じです。

台本を読む時、俳優は「誰が、誰に、いつ、どこで、何をしているのか」を整理します。

誰がいるのか。それは何の目的なのか。

誰に向かっているのか。それは何と結びついているのか。

いつ、どこで、何がすでに起きているのか。

何をしたいのか。なぜ今、それをする必要があるのか。

ここを拾わないまま、いきなりお気持ちや雰囲気、ニュアンスなどを狙いにいってしまうと、演技の準備は曖昧になります。

 

募集要項も同じです。

書かれている情報を拾う前に、自分の印象だけで判断してしまうと、対策が浅くなります。

俳優に必要なのは、感じることだけではありません。

まず、読むこと。

事実を拾うこと。

整理すること。

調べること。

そこから、想像すること。

この順序が、オーディション準備にも台本読解にも関わっています。

台本読解については、こちらの記事でも詳しく書いています。

セリフを入れる前に、俳優が台本から読み取るべきこと


https://kaorukuwata.com/script-reading-before-lines/

 

オーディション対策にも、台本読解にも必要な読む力

俳優に必要な読む力は、台本を開いた時だけ使うものではありません。

募集要項を読む。

メールを読む。

現場の連絡を読む。

稽古の指示を読む。

相手役の言葉を受け取る。

そこに書かれていること、示されていることをどう扱うか。

その積み重ねが、台本を読む力にもつながります。

たとえば、募集要項に「動画提出」と書かれているなら、何分以内なのか、横向きなのか縦向きなのか、全身なのかバストアップなのか、指定されたファイル形式があるのかを確認する必要があります。

「自己PR」と書かれているなら、ただ自分を語るのではなく、その募集に対して何を伝えるべきかを考える必要があります。

「経験者歓迎」と書かれているなら、経験年数を並べるだけでなく、どのような現場経験や準備力を見せるべきかを考える必要があります。

このような確認は、細かい事務作業に見えるかもしれません。

けれど、俳優の仕事では、細部を読み落とさないことも準備の一部です。

 

「とりあえず応募する」では、準備の優先順位が決まらない

「受かりたい」という気持ちだけでは、準備は絞れません。

何を求められているのか。

何を見せる必要があるのか。

何を見せなくてもよいのか。

そこを読むことで、準備の方向が決まります。

プロフィール写真を見直すべきなのか。

自己PRの内容を変えるべきなのか。

動画提出のために、声や身体の見え方を確認すべきなのか。

課題台本を読む前に、作品や団体の傾向を調べるべきなのか。

歌やダンスの提出があるなら、今の自分の強みをどこに置くべきなのか。

逆に、今回は力を入れすぎなくてよい部分はどこなのか。

準備には、時間も体力も限りがあります。

だからこそ、何でも全部やろうとするのではなく、今回のオーディションで何が重要なのかを読む必要があります。

自分ごとで演じるには、事実を拾う力が必要です

「自分ごとで演じる」とは、自分の実体験を無理に役に重ねることではありません。

感情を大きく出すことでもありません。

役の人物として、今この場で何を見て、何を受け取り、何を変えようとしているのか。

そこが具体的になることで、セリフはただの言葉ではなく、相手に向かう行動になっていきます。

そのためには、まず事実を拾う力が必要です。

台本に書かれていることを読む。

書かれていないことを調べる。

勝手な思い込みで埋めすぎず、もう一度、事実に戻る。

そこから想像する。

この力は、オーディション前の募集要項を読む時にも、台本を読む時にも、現場で指示を受け取る時にも必要です。

6月の少人数制クラスでは、読む力を演技の実践につなげます

6月27日、28日の少人数制クラスでは、セリフをただ覚えるのではなく、役の人物として何を読み取り、何を受け取り、何を相手に向かって変えようとするのかを扱います。

6月27日(土)は、オンラインで台本を読み、事実を整理し、役の人物として何が起きているのかを準備します。

6月28日(日)は、スタジオでその準備を実際に声と身体を使って試し、相手とのやり取りの中でセリフがどう動くのかを扱います。

セリフを事前に入れてくる必要はありません。

「ちゃんと覚えていないと参加できないのでは」と心配な方も、ご安心ください。

このクラスでは、いきなり上手に演じることよりも、台本から何を読み取り、どう準備し、どのように相手に向かってしゃべるのかを一緒に整理していきます。

自分ごとでしゃべること。

生き生きとした当事者性のある演技に近づくこと。

そのためには、気持ちを強くする前に、何を読み取り、何を準備するかが大切です。

オーディション前や現場前にも必要になる「読む力」「事実を拾う力」「目的をはっきりさせる力」を、オンラインとスタジオ実践で扱っていきます。

少人数制で進めますので、台本読解と実践を行き来しながら、ご自身の課題にも気づきやすい時間になると思います。

クラス詳細はこちらです。

6月27日・28日開催|セリフが自分の言葉にならない理由と演技クラス

6月27日・28日開催|セリフが自分の言葉にならない理由と演技クラス

 

個人レッスンについて

個別のご相談、オーディション対策、現場前の準備については、継続して個人レッスンを受講していらっしゃる方を対象に行っています。

初めての方や、まず台本の読み方・演技の準備の仕方から整理したい方は、6月27日・28日の少人数制グループクラスをご活用ください。

ご事情があり、グループクラスへの参加が難しい方は、個人レッスン専用フォームよりお問い合わせください。

個人レッスン専用フォームはこちらです。

https://forms.gle/Na4Pe383GkxnJaqQ6

オーディションや現場の直前に慌てるのではなく、普段から「読む力」「事実を拾う力」「相手に向かってしゃべる力」を育てておくことが、結果的に現場前の準備にもつながっていきます。

オーディション対策の見落とし記事のまとめ

オーディション対策で実は見落としやすいのは、募集要項や関連資料を具体的に読むことです。

もしかすると、その具体的に、の粒が、まだちょっと大きい方もいらっしゃったかもしれません。

これらは、事務的な確認のためだけではありません。

相手が何を探しているのかを知り、自分が何を目的に準備するのかをはっきりさせるためです。

つまり、もう仕事が始まっているんです。

相手が何を求めているのかわからないまま、自分の見せたいものだけを準備すると、どれだけ努力しても方向がずれてしまいます。

これは、台本読解にもつながっています。

台本でも、相手が何を必要としているのか、何がすでに起きているのか、役の人物が何に向かっているのかを読まないまま演じると、セリフはただの発表になってしまいます。

募集要項も、台本も、まずは書かれていることを拾う。

書かれていないことは調べる。

推測で埋めすぎず、事実に戻る。

そこから、自分が何を準備するかを決める。

オーディション対策も、台本読解も、まずは目的をはっきりさせるために読むことから始まります。

そして、それが自分にも返ってきますよ。

 

この記事を書いた講師

鍬田かおる

指導歴20年+ 演技コーチ、アレクサンダー・テクニーク教師。大学講師。

俳優、歌手、ミュージカル俳優、声優、映像や舞台で活動する方に向けて、台本読解、演技実践、身体と声、相手とのやり取りを扱うレッスンを行っています。

また、インティマシー・コーディネーター(ディレクター)として、映像や舞台における親密な場面、身体的な距離、同意、境界線を含む演出の相談にも対応しています。

演技を、気持ちだけでどうにかするのではなく、台本、身体、声、相手、状況を具体的に扱えるものとして整理することを大切にしています。

よくある勘違いや、演技の仕組みについてのひもときも行っています。

 

クラス案内・個人レッスン・講師依頼について

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現場の準備はもちろん、台本読解、演技実践、身体と声、歌手やダンサーの方のためのアレクサンダー・テクニーク、インティマシー・コーディネーター(ディレクター)としての映像や舞台の現場相談など、目的に応じてご相談いただけます。

事務所・マネージャーの方で、

「所属俳優にレッスンを受けさせたい」

「講師として招聘を検討したい」

といったご相談も歓迎しています。

オンラインでのヒアリングも可能です。

クラスのお申し込み、個人レッスンのご相談、クラス等へのご質問は、以下のフォームよりご連絡ください。

個人レッスン専用フォームはこちらです。

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