春の雨、気候が安定しないと心身のバランスも崩しやすく、自分のネガティブなところが表に出やすいようです。
かく言う演技コーチ、私、鍬田かおるも、眠気がひどくて、冬眠から覚めたばかりなのか、久しぶりに昼寝してしまいました。
アカン!
というのは冗談で、どうしても昼寝をせねばならないのであれば、お昼寝して、仕切り直してから、出かけるなり準備するなり、何らかの活動に移った方が良いと思っています。
いいわけじゃないですよ〜
本日のテーマは、そこです
好きなことを仕事にしているからこそ、つい無理をしてしまいがちな人の多い業界です
特に日本の方は、我慢や忍耐や辛抱を努力と履き違えている場面も多く、従来の慣例からか考え方の癖なのか、我慢したり辛い思いをしている人を褒める傾向もいまだに見受けられるような気がします
過剰なまでの、長時間労働がその最たるものですよね
日本の演劇科でも、周囲からはなかなか計り知れないのですが、それなりにやはり本人が無理をしていたケースもあり、恵まれている方でも離脱して行った記憶があります
ロンドン大学の演劇舞台芸術表現学科でも、日本ではそれなりに成績も良く、周りのサポートも比較的簡単に得られ、真面目にやって、評価されていたのでしょう。異文化、そして夏目漱石すらうつ病にした気候と相まって、3年間で終わらねばならない学部のイギリスのカリキュラムを、日本の4年間のペースでやってしまっている人…とにかくライフスタイルが不安定で、いろいろな誘惑や不幸に見舞われる方、ちらほらおりました。みんなそれぞれ魅力的だっただけに、非常に残念です
そうなんです、やる気があっても、身体がついて来なければどうしてもできない事はあります
特に音楽や演劇やダンスは、他人とずっとマラソンをし続けるようなものでもあります
他人の感情生活についていくのは、大好きな人でも疲れますよ、ましてや、劇的に時間が映画や舞台公演では凝縮されているのです
例えて言うなら何度も来世現世前世をやり直しちゃってるような感じですかね 苦笑
人前で緊張することも、一般の方以上に負担が大きい理由です
長時間、不特定多数の他人から見られていること、聞かれていることも当然ストレスになりえます
楽しくて好きだからストレスならないのではないのです、楽しくて好きだからこそ負担自体は大きい場合もたくさんあると言うことです
私の経験で恐縮ですが、アレクサンダー・テクニークの教師養成スクールでも、心身の同一やら自己洞察やらを毎日唱えている割には、もちろんうみ出し期間でもあったと思うのですが、毎月誰かがクライシスを迎えていました!
そうなんです、環境が整っていて、好きなことをやっていても、ストレスがないわけじゃありません。
むしろ好きなことだからこそ、ゆずれない面、どうしても許しがたい基準、そして向上心があればあるほど、真剣にのめり込んでいくのも情熱の裏側といえます
それこそ、ロンドンのセントラルスクール・オブ・スピーチ&ドラマ修士課程でも、20年以上も毎朝5時に起きる師匠たちを始め、ワーカホリックな人を見てきましたし、欧米にはワーカホリックなんてないと言う説明は、ただの都市伝説に過ぎないと言うことも理解したことも、お伝えしておかねばなりません
私はかつてロンドンでは、映画の撮影所でアルバイトをしていたのですが、ギリギリ組合の契約上問題がないだけで、いろいろな都合から夜を徹してのセットでの撮影に付き合ったこともあります
寒空の下、衣装を着て駆けずり回る
自分のタイミングで寝たり起きたり食べたりできないまま、役の人物や作品の世界と言う他人や異世界について考え続ける…
とにかくスタミナが要りますね
そして、恵まれていてもなお、優れた人ほど繊細かつ気遣いの達人でもあり、うれしくて楽しく好きなこととな言え、身体は1つしかありませんので、やはりみなさんケアが必要だと思います
とにかく、時間に余裕を持たせること
他人に理由をしつこく食い下がって聞かれたとしても、たとえ壁をぼーっと見ているだけになる事が予想されていても、自分の時間を確保することをケアと考えなさいと大学1年生の時に、ロンドン大学で言われたことを覚えています
それだけ、離脱して行く人が多かったのですね…
音楽学部や美術学部もそうでしたが、とにかく心身の健康あっての学習です
長時間の創作活動や、他人とのディスカッション、美術館巡りや資料集め、論文書かなかったとしても大量の活動をしているわけで
とにかく
無理をしすぎると、結果を出す前に燃え尽きます
結果を出していたとしても、次までのリカバリーが追いつきません
今から15年以上前、日本でアレクサンダー・テクニークやムーヴメントを教え始めた頃、私自身も今振り返れば若かったのでいろいろできたのですが(笑)、今思えば、少々無理をしていたように思います
もっと実家でのんびりしたり(笑)猫と戯れたり、それこそダンスに打ち込んではいましたが、栄養やフィットネストレーニングの基礎、そしてもっともっと世界中を旅して、語学の学習や資格取得にもう少し投資していてもよかったなと思います!
(今からでも諦めてはいないのでやりますが)
私の同僚や演出家、スタッフや俳優の中にも、無理することや自分を犠牲にしてでも周りの為に役に立ちたい、自分が嫌な思いを我慢してでも、他人の苦痛を取り除きたい人が思い起こされます
すばらしいことですが
息の長い活躍をしてほしいからこそ、そしていっそう輝いて欲しいからこそ、ケアして欲しいなと思います
必ずしも不摂生やストレスが原因ではもちろん無いのですが、志半ばにこの世を去っていった同僚たち、まだまだやりたいことがある活躍中、病に倒れていった人たちを見送るたびに
健康に勝る宝なし
やりたいことは、どんどんやらねば!
と思います
かつて、私の同僚も散々何年も思い悩んだあげく、ひどく苦労して貯金をして、ロンドンに観劇旅行に行きたくさん学ぶんだと意気込んでいましたが
その数ヶ月前に、急に、お亡くなりになりました
年齢のせいかもしれませんが、いつかは二度と来ないと言う事は真実ですね…
かつては、病んでなお、暗闇を見て、行って帰ってくる、命をかけると言うようなことが美徳とされていた傾向もあったと思います
しかし、健康第一、健やかに、息の長い活躍できることの方が、本人も周囲もハッピーなのではないでしょうか
頑張ることを美徳とするコミュニティーの方ほど、ケアの中に緊急ではない学習や、必須ではないご自身の楽しみや、少し時間がかかってでも見につけたいスキルアップや娯楽や遊びも取り入れてもらいたいです
前述のブレヒトの隠れた名作
戦争時代のいま、見直したい作品です
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演技コーチ/ムーヴメント指導・演出・振付/IDC認定インティマシーディレクター/STAT認定アレクサンダー・テクニーク指導者/スピーチ&プレゼンテーションコーチングActing Coach/Movement Direction/IDC qualified Intimacy Director/STAT certified Alexander Technique teacher, mSTAT, Movement Teaching/Speech and Presentation Coaching
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