東京国際映画祭の季節になりましたね。
私も、イベントに参加したり、行ける時はラウンジにおりますので、お見かけされた方は、ぜひお声掛けください。
さて、1年半ぶりの開催になってしまいましたが、久しぶりに、ラバンのクラスを企画しました。
私自身、ダンスや音楽をやってきて、身体にはある程度自信がありましたし、子供の頃から芸能事務所にもいたので、演技そのものを厳しく叱られると言う事は実は少なかったです…
それでも、本当は全然感じていないのに、無理して動いたり、なんだかセリフ偏重のようなダメ出しにとまどった時代があったのも事実です。
1番辛かったのが、「動きたくなってないのに動く」
「段取りだから(仕方なく)とりあえず動いたものの、感じられない」
そして「衝動」とか役の「特徴」とか言われても、ぜんぜんピンと来なかったことです。
身体が“感じる力”をまず取り戻す
俳優・歌手・演出家のための、ラバン・ムーヴメントを用いた感覚トレーニングです。
ルドルフ・ラバンと言えば、モダンダンスで有名ですが、実は、オペラの演出、演劇作品、音楽への深い造形、そして様々なパフォーミングアーツのプロデュースに振り付けに、ヨーロッパでは著名でした。(歴史的な背景も複雑で、詳細は自伝を読んでください)
そんなラバンですが、実は、「動きをきこえるように」「音をみえるように」とノーテーションと呼ばれるいわば、楽譜みたいなものを発明した天才でもあります。
ダンスや体操ではありませんから、ご安心ください。
動くから、感じる
動きを使ってトレーニングすることで、感情・呼吸・動きのつながりへの感覚を鋭くし、表現の再現性が高まり、「自分の身体で演じる」実感が戻ってきます。
それを体系立てて、整理したのがラバンの方法です。
私も最初出会ったとき、びっくりしました。
でも、順序立てて動きのトレーニングを重ねていくと、まるで語学の文法のようなシステムが、自分の身体に構築されました。
そこから、キャラクターの特徴や心理の変化、感情の展開、自分の呼吸とのつながりがありありと感じられるようになりました。
身体の入力(動きの多様性)が感受性を育てる、という本質です。
動きが変わると、表現がガラッと変わる
自分の身体が、もっと自由に使えたら、いろんな感覚を味わいたいなぁ……
そんなふうに感じたことはありませんか?
・感情を込めても伝わらないときがある
・呼吸や声の流れがどこかで止まってしまう
・自分の演技や歌に「似た癖」が出てしまう
・演出家や先生の指示を理解しても、身体がついてこない…
・もっとリアルに演じたいのに、どうしても“つくっている感じ”になる
もし思い当たるなら、このクラスが役に立ちます。
私自身、セリフの言い方には問題もなく、滑舌も得意でした。
段取りも覚えていましたし、興奮すれば気持ちも出る、ある程度イメージが開けば、何とか状況を成立させられたんです。
それでもつまらない、解像度が上がらない、なかなか表情が豊かにならない。
その表情の中に、身体の表情も含まれていました。
その時、イギリスの演劇学校で、俳優のトレーニングについて研究していたところ、演技コーチであり、ムーヴメントの専門家であるラバンの先生から、直接、俳優や歌手の方の演技に生かす独特のアプローチを学びました。
11月のクラスでは、感情・呼吸・動きのつながりを整え、表現の解像度を高め、幅を広げるためのトレーニングを行います。
クラスで得られること
● 動きから感覚をもらい、歌唱や演技に生かせるようになる
● 無意識にしている身体の反応を自覚できるようになり、再現性が高まる
● 呼吸と声のつながりが一貫し、響きと感情の流れが自然に整う
一生懸命、ドラマの状況がわかっていて、所作やセリフを研究しても、内面が伴わなければ、なかなか現代の生き生きとした役は成立しづらいものです。
その上、現代のお客様は、映像でも舞台でも、非常に精巧にできた装置や音響、迫力のある演出効果に慣れていらっしゃいます。つまり、これまで以上に、「リアリティー」や人間ならではの部分が、要求されてくると言うことです。
● 身体の細部まで感覚が研ぎ澄まされ、繊細な表現が可能になる
● のびのびと身体を使えるようになり、力みに頼らない表現へと変わる
● 自分の特徴がつかめて、キャラクターの分析や役づくりがしやすくなる
これは、幅広く活躍を続けていく上で重要だと感じられている方も多いです。
得意がある事は強みになるのですが、同時に、そればかりを使ってしまう傾向にもつながります。苦手を減らすことに注意を向けすぎる必要はありませんが、演じる仕事に「他者への理解につとめる」部分が含まれている事は多いです。
そのためにも、自分と異なる性質や特徴を「うごきでとらえてみる」ことが有益になると思います。
何より、昔から「他人の靴を履いてみる」と言いますよね。
動きで感覚体験を引き起こすと言うのは、まさにその通りなのです。
● 自己洞察が深まり、作品や相手との関係性を的確に読み取れるようになる
● 表現の幅が広がり、演出の意図に応じた動きが選べるようになる
「感情を表現する」以前に、身体が感じ取る力を取り戻すこと。
それが、表現の深さを支える最初の一歩です。
何より、見えて、聞こえて、繰り返せますから、根性論・精神論ではありません。
感情が動かない。
身体がついてこない。
そんなときに必要なのは、
“もっと感じよう”という努力ではなく、
動きの種類の入力です。
動かない身体は、感じるチャンスを失っているだけ。
いろんな動きを通してこそ、
感覚は育ち、表現の幅が広がります。
動いて磨く、感覚のトレーニング
俳優や歌手、演出家にとって「感情を動かす身体」は、表現の基盤です。
本クラスでは、ロイヤル・セントラル・スクール・オブ・スピーチ・アンド・ドラマで学んだ俳優教育の土台、ラバンの方法をもとに、感情と身体の仕組みを体感し結、より豊かな演技と幅広いリアリティを生み出すトレーニングを行います。
ムーヴメントはダンスのための技術ではなく、俳優トレーニングの基礎として生まれたものです。
イギリスだけでなく、ヨーロッパ各国の演劇学校でも俳優・ダンサー・歌手のトレーニングに組み込まれている、実は著名なラバンのメソッドです。
20年以上にわたり俳優・歌手・演出家の指導に携わってきた講師が、一人ひとりの動きを丁寧に見ながら進めます。
指導とカリキュラム
ラバンの理念を軸に、演技・歌唱・演出に応用できる再現性のある感情表現を扱います。
精神論ではなく、構造的な身体の使い方を学ぶことで、感情の動きを「感じる」だけでなく「再現できる」ようになります。
体格や経験に関わらず、誰もが感覚を掴めるよう設計されたカリキュラムです。
俳優・歌手・演出家・ダンサーなど、表現に携わる方すべてに開かれた実践的クラスです。
開催日程
11月23日(日) 13:00〜16:00
11月24日(月・祝) 13:00〜16:00
スタジオ:東京都世田谷区内(最寄駅より徒歩5分以内)
ご参加費
2日間 15,000円(税込)
11月開催の他クラスと同時受講の場合、割引あり。
対象
俳優、歌手、ナレーター、演出家、ダンサー、劇作家など、
プロとして活動中の方、またはプロを志す方。
舞台・ミュージカル・オペラ・映像などジャンルは問いません。
お持ち物・服装
動きやすい稽古着、タオル、飲料水、筆記用具。
裸足または滑りにくい靴下でご参加ください。、特別な靴や事前課題は不要です。
お申し込み方法
以下の内容を明記のうえ、メールまたは公式LINE・Facebookメッセージよりお申し込みください。
件名に「11月ラバン参加希望」とお書きください。ブログのお問い合わせフォームもご利用ください。
・お名前
・年齢/性別
・ご所属(事務所・劇団など)
・ご連絡先(携帯番号・住所・メールアドレス)
・自己紹介(200字前後:略歴・受講動機・近況など)
メール:kaoru(あっとまーく)kaorukuwata.com
Facebook:https://www.facebook.com/kuwatakaoru/
返信が3日以上ない場合はエラーの可能性があります。申し訳ありませんが、メールとメッセージの両方からご連絡ください。
キャンセルポリシー
・クラスは2日間通しです。何らかのご事情で、1日のみの参加になってしまった場合でも返金はできません。
・7日前(11月16日)までのキャンセルは手数料を除き全額返金いたします。
・少人数制、事前予約の開催のため、スタジオその他の都合上、それ以降のキャンセルは半額、前日18時以降は全額をご負担いただきます。
・天災・交通障害等による中止の場合は延期・補講で対応いたします。
安全とハラスメント防止への取り組み
当クラスでは、一般財団法人日本ハラスメントカウンセラー協会のガイドラインに基づき、
すべての参加者が心理的に安全な環境で取り組めるよう配慮しています。
・講師はハラスメント相談員/カウンセラー資格を保有
・身体接触は指導上必要な場合のみ、社会通念上適切な範囲に限定
・言動や態度による圧力・威圧は一切行いません
・内容やルールは都度明確に言葉で説明し、安心して参加できるよう努めています
講師プロフィール
鍬田かおる(演技コーチ/ムーヴメント指導者/IDC認定インティマシー・ディレクター)
桐朋学園芸術短期大学演劇科卒業後、ロンドン大学ゴールドスミス校を卒業。その後、ロンドンのRoyal Central School of Speech and Drama(ロイヤル・セントラル・スクール・オブ・スピーチ・アンド・ドラマ)修士課程にて、ムーヴメント教育と演技指導を修め卒業。STAT認定アレクサンダー・テクニーク教師、IDC認定インティマシー・ディレクター
新国立劇場演劇研修所・オペラ研修所、青年座研究所、尚美学園大学舞台表現学科などで指導。
舞台・映画・オペラ・ミュージカルの現場で、身体と感情の構造を整え、プロフェッショナルの育成やブラッシュアップ及び活躍する俳優や歌手の指導を行っている。
お問い合わせ
メール:kaoru(あっとまーく)kaorukuwata.com
ホームページ:https://kaorukuwata.com/
Instagram:https://www.instagram.com/actingcoachkaorukuwata/
プロとして、じっくり向き合いたい方へ
身体の使い方や、注意の向け方から、グッと演技を立て直していきたいと感じている方へ。
変化には時間もかかりますし、すぐに手応えが得られない日もあるかもしれません。
でも、なにかが“間違っている”のではなく、
これまで築いてきたものを「次の段階」に進めるタイミングかもしれません。
もし今、その一歩を考えている方がいらしたら、グループクラスでも、個人レッスンでも、必要に応じてサポートできます。焦らず、確かな言葉と身体を取り戻して、イキイキ活動していきましょう。
ご案内
Instagramでは、簡潔なQ&Aや短いリールを更新しています。お役に立てるとうれしいです。
取り上げて欲しいモヤモヤ、前から気になっていた点も歓迎しております。
今回の内容に「もっと知りたい」「いつか参加したい」と感じてくださった方へ。
ブログにも詳細を書きますが、少人数制で予約が埋まりやすいため、速報は公式LINE及びストーリーズの方から、現在は出しています。
Instagram → https://www.instagram.com/actingcoachkaorukuwata/
これまで触れてきた演技のなんとかメソッドや、〇〇式に疑問を抱かれた方へ
あなたの違和感は、もしかすると「役」にとってのリアリティーではなかったからかもしれません。
また文化的にも、ヨーロッパで過ごした20代がある私、そしてバイリンガルである私が言うのもなんですが、日本を中心に活躍してらっしゃる方、日本語を母国語として多くの時間を過ごしてる方に向き不向きという傾向はある気がいたします。
物語、演技と言うものが、文化に根ざしている以上、やはり言語の壁もあり、また生活様式や基本的なコミュニケーションのスタイルが大きな誤解をむこともございます。これはクラシックバレエやオペラの輸入、様々な業種での変遷を見ても、お分かりいただける課題だと思います。
不可思議なワークショップやらの誇大広告に疑問を持たれた方、なんちゃらメソッドに違和感を持たれた方、ご自分のせいだとばかり、あまり責めないでくださいね。
●こちらの記事もお役に立てれば嬉しいです
『動けない』『伝わらない』演技を、身体から変える方法 ─演技力を上げる前に、身体の止め方を見直すべき理由
「今回は どうしてもスケジュールが難しいけど、次回のクラスを知りたい」という方は、
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「現場での課題について相談したい」「オーディション対策の個人レッスンを申し込みたい」「身体や呼吸のことから見直したい」という方も、上のフォームよりお気軽にご連絡ください。
事務所・マネージャーの方で、「所属俳優にレッスンを受けさせたい」「講師として招聘を検討したい」といったご相談も歓迎しています。オンラインでのヒアリングも可能です。
お急ぎの方には公式LINEもございます。こちらからのトークのスタートはできませんので、一言ご挨拶かスタンプお願いします。
公式LINEからのお知らせの一斉送信は月に1回程度、 多くて2回程度です、ご安心ください。
個人レッスン
初めての個人レッスンを受けられる方も受付中ですが、11月の新規受付はごく限られた枠のみ。
ご興味がある方は、カレンダーをご確認の上、ご相談ください。
●この記事を書いた人:鍬田かおる
演技コーチ/インティマシー・コーディネーター(ディレクター)
演技指導歴20年以上。留学中のイギリスにて、アレクサンダー・テクニーク指導者資格を正式に取得後、音楽家、ダンサー、声楽家、歌手、俳優らを中心に、20年以上の指導歴がある。映画、テレビ、舞台で活躍する実演家を中心に、感情と身体のつながりを軸としたレッスンと世界スタンダードの台本読解及び分析のクラスをはじめ、演技クラスや各種のプロトレーニング、個別レッスンを展開中。
養成所や研修所等での指導歴を経て、映画スクールやパフォーミングアーツの大学を始め、事務所等でも指導を進める傍ら、多様なミュージカル、オペラ、映像、舞台など幅広い現場で活躍する歌手や俳優のコーチを務める。
詳しいプロフィールは、HPのプロフィールページからご覧いただけますと光栄です。

演技コーチ/ムーヴメント指導・演出・振付/IDC認定インティマシーディレクター/STAT認定アレクサンダー・テクニーク指導者/スピーチ&プレゼンテーションコーチングActing Coach/Movement Direction/IDC qualified Intimacy Director/STAT certified Alexander Technique teacher, mSTAT, Movement Teaching/Speech and Presentation Coaching




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