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消去法・否定形でわかったつもりになっていませんかー演出と演技が行き詰まるとき

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ゴールデンウィークは、まとまったお時間を取れた方がクラスにお集まりくださり、充実した時間が過ごせてよかったです!

クラスにご参加のみなさま、ありがとうございました

初めて参加された方も、とても積極的で順調に学びが深まり、演技の誤解も解けていって成長されたので、私もすごくやりがいがあります

 

さて、本日はちょいちょい気になる場面のある

「わかってきたつもり」

「進んでいる気がする」

と言う危険な香りのあるある!

「消去法と否定形」です

 

そうです

例1 身近に溢れている日々の「消去法」

A子「(…..できれば、お金は使いたくないしなぁ…)今日、もう帰る?」

B男 「お腹すいたから、何か食べて行かない?」

A子「あぁ…うん…」

B男「何にしよっか?」

A子「そうだなぁ…そこまでお腹空いてないから、何か軽いのがいいかな、あんま遠くないところで」

B男「そっか、じゃぁ、あそこのハンバーガーのところか前に行った中華屋さんは?」

A子「うーん、できればお肉とかじゃないほうがいいかな」

B男「うん、別にいいよ。合わせるよ。パスタとかどう?それかあの新しくできてたところは?」

A子「そうだなぁ、麺類は今日は重いかな、ごめん。新しくお店は、まだ入ってないからわからないけど…」

B男「全然合わせるから、行きたいところ言って?何でも食べられるし、お腹空いてるから」

A子「ええっ…そうだなぁ…そんなこだわりはないんだけど、あんま重くないのだとありがたい。がっつりはちょっとって感じで…」

B男「じゃあ、その先の定食屋さんみたいなところだったら、どう?」

A子「うん、私、行ったことないかも」

B男「いろんなメニューあるから選べるんじゃない?」

A子「う、うん」(セットじゃないとダメとかないといいな)

B男「行ってみよ!」

A子「え、あー…うん…いいけど…」

B男「じゃあ、お店の前でメニュー見てみて考えよう?」

A子「…うん…いいよ…」

B男「…(何なんだろう?何か悪いことしたかな…)」

 

さてKaoru劇場、一旦ここまでですが、先が思いやられる展開ですよね

お気づきでしょうか?

 

お互い悪意は無いのかもしれないけれど、そして、もちろんどこかのタイミングで、食事は一緒にするのかもしれませんが、なんだか、自分のことも相手のこともよくわからない

それこそ、2人にとって何が大切なんだろうか?

そもそもこの2人はどこへ向かっていて、何がしたいんだろうか…全部…偶然なの?!A子!しっかり!

 

さて演技コーチKaoruは、この2人の恋愛模様に興味があるのではなく!

このような対話を、自分の中でぐるぐるやっていないかを問いたいのです

 

それこそ

・この作品は、現代の日本ではない

・場所の設定は大きな都会ではない、首都ではない

・そんな賑やかでない場所、多分、東京ほどでかくない

・主人公は、お金に困っているわけでは無いけど、今の仕事にあまり満足しておらず

・田舎育ちではない

・この役は、友達がいないわけではないが、それほど社交的ではないタイプ、休日だからといって積極的に出かけたりはしない

・私の役のこのシーンの目的は、相手を打ち負かすと言うより、この裁判に負けないで、自分が無能ではないことを証明したい!

とか…思い当たる方、いませんか?

私は大昔、よくやってました。頭の中でぐるぐる、勝手に必要じゃないと思う情報削除するだけで、進んだつもりになっていた

…..あゝ!

これは、ダメな路線ですよね?

 

なんとなく選択肢が狭まってきたようで、実はずっとモヤモヤしている

現実の世界で、自分の家族や友人や同僚などの親しい方、付き合いの長いある程度打ち解けている方を描写するとき、それこそ、他人に紹介するときに、このような「消去法」を使いますか?

おそらく、使わないでしょう

もし使っているとしたら、心配です……

 

例えば、自分の友達を説明する時、

・私の友達は、学校の先生ではなくて、そういう団体に勤めているわけではないが

・その私の友達は、事務仕事が苦手なわけではなくて、単純に長時間座っていることが好きじゃない

・家で休日を過ごすことが嫌いではないが、わざわざ料理をするタイプでもなく

・転職したくないって言うよりも、できれば、引っ越ししたくなくて

 

….お分かりでしょうか?

もう、なんだか、何をしたい人なのか、どこから来てどこへ向かっている人なのか、わかりませんよね

わかるようで、わからない

 

なんとなくイメージが湧くんだけど、とても陰気で非積極的

そんな気しませんか? 

 

台本読んでいる時、稽古場で、撮影で行き詰まった時、このような消去法でのぐるぐるはやめましょう

わかるようでわからない、のループが続くだけです

 

例2 身近に溢れている日々の「否定形」

C氏「こちらからあえて言うという事はしないけれど…なかなか…」

Dさん「という事は、私からはEについてFに問い合わせをしないほうがいいでしょうか?」

C氏「今は時期尚早と言えないこともない」

Dさん「そうしましたら、お日にちを改めてお伺いしてみましょうか?」

C氏「できなくもないかもしれない、それなら」

Dさん「もし差し支えなければ、私の方から調整いたしますが…」

C氏「…やってみないことにはわからないが」

Dさん「ご迷惑でなければ、ぜひお願いします」

C氏「仕方ない…」

再びの演技コーチKaoru劇場、不穏な空気ですね

これはほんの一例ですが、不思議な感覚を体験したことがある方は、たくさんいらっしゃると思います

 

この進んでいない様子

曖昧な態度、不明瞭な立場、変化に乏しい展開

まさしくダメなストーリー!

推進力のないシーンでございます 

 

これが演じ手や表現の仕事の方の場合になると、

極端に言えば、こんな感じ

 

・この役の人物は、不幸になりたくない

・この家族は、誰かに悲しんで欲しくなくて

・この場面で2人は、お互い本当は別れたくないのだが…

・私の役は、兄弟も両親もいない

・このシーンは、2人がいがみ合うと言うほどではないが、お互いの存在を快く思っていない

・私の役が、今はもう自分の家じゃない部屋に来た理由は…

 

…..あゝ!

もうほんとに、キリがないですよね

再び

「なんとなくのイメージは湧くが、当事者の主体的な行動や、大事な決断に進んでいかない」

そんな文章の使い方、思考の組み立てになってしまっています

おそらく、

「このシーンの目的はなんだろう?」

「役の人物は、今、どんな状況にいるのだろうか?」

といった質問は悪くなかったはずです(笑)

でも、やはり一般的すぎました

すると、上の2つの例のようなモヤモヤつながります

 

質問をシャープにすることと、動詞と名詞を優先して台本の読解や役の人物創造をお願いします

具体的になれば、なるほど、楽しいですよ

 

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