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演技力を高めるために-治療と学習の違い

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演劇歴30年越え…最近は筋トレにますます磨きをかけている、鍬田かおるです

 

私の主な仕事は演技コーチ、動きを使った演出なり振り付け、役作りのお手伝いから演技プラン作成まで、もちろん身体の使い方のアレクサンダーテクニックを教えているのですが

この15年以上気になっているのが、突き抜けずにモヤモヤしているでいる人たちや、せっかく苦労して時間もお金も能力も使っているのに伸び悩んでいる人は、

「治療マインド」で「学ぶこと」を捉えているような印象を持ちます

 

私がイギリスで、アレクサンダー・テクニーク教師の指導者になるための3年間のフルタイムの学校では、

口を酸っぱくして、私たち全員が嫌気がさすぐらいに私の先生たちには、「治療」ではないと言うことを毎週のように言われました

「学習」であるからこそ、本人と教師との共同作業が可能になり、かつ健全な関係性が保たれます

本人自身の意思を尊重した、本人独自の目的や目標設定で進むことができるのだと言う、言葉にしてみれば至極当たり前ですが

特定の疾患や怪我の部位を治癒させるような事は、学習の目的でもなく、また学習の役割でもないのです。

 

しかし、境界線が曖昧になりやすい世界です

 

例えば、演技中や火傷中の動きがぎこちないと言われて、確かに足首を捻挫していれば、医者に行って炎症を収めるなり、もし何か骨に異常があればそれは当然ギブスをするなり、手術をするなりして部分別の治療が必要になります

そもそも治療とは、病気や怪我を治すことであり、症状の軽減のために行う医療行為や、薬の処方等を含むのです

あなたの演技に「疾患」があるのですか?…(笑)

たぶん….ないよね?

 

近代医療において治療は、身体の異常を引き起こしているウィルスや細胞の状況であったり、またその昔は1種の儀礼のようなものも含まれていました

もちろん身体の使い方の強い癖などで、怪我に近い状態を作り出す事は可能性としてありえます、中長期的に見れば、当然怪我がしやすくなると言うこともあると思います

しかし、美容やフィットネスは治療の代わりにはなりません

同じく、治療は学習の代わりにはなりません

健康は大切ですが、そして前提にもなり得ますが、美容と健康のためのいろいろで学習を補うことはありません

例えば、フェイシャルで顔の凝りをほぐすことはリフレッシュできて、気分転換にはなるでしょうが、そして自分の顔の筋肉の緊張ぐせに気づくきっかけにはなります。

しかし、演技中の表情の調節や相手との交流が改善するでしょうか….

もちろんします、ある程度は…

しかし、そもそもその役の人物自身は「リフレッシュ」している場面なのですか?(苦笑)

 

逆もしかりで、当然、身体の使い方を見直すことや、考え方の癖に気づくことや、上りや筋肉の緊張の傾向に対して、自己洞察を深める事は予防にはつながるのですが、部分的な出血や細胞の異常などの治療にはならないのです

予防と治療も違う

美容・健康のためのフィットネス・治療・予防、の全てがそれぞれ違いますが、重なる部分は当然あります

しかし、身体の使い方を見直すこと、滑舌の練習をすること、ひいては人間の所作や感情の動き、気持ちの変化等について、私は治療しようとは思いません。「本人に原理や方法を学んでもらおう」と考えています。

治療的な言葉遣いがうまく作用しない場面が、パフォーミングアーツの世界では多々あるようなのです….

おおざっぱな分け方をすれば、

 

治療=既に怪我や病気をしており

症状のあるものを集中的に治すべく、または

軽減させようと言う試みで

手術や投薬を伴う

と私は整理しています

 

したがって、日常生活に差し障りがなければ、診断はなされません。おそらく治癒の途中であり、もちろん元通りでなかったとしても、医師は治療はある程度完了したと分類するのではないでしょうか。

 

学習=学問、技術などを、学ぶことであり

計画的かつ系統的に

知識の習得や、行動様式の変化、能力発揮、また価値観や嗜好などを新しく更新し

持続的な変容が生じる過程の事

と言うふうに私は解釈しています

 

治療も学習もそれぞれ定義の項目が反対であれば、当てはまらないとも言えるかもしれません

ただ、くっきりと分かれている、その他の分野に交わらない行為はもちろんあり得ず、そこが混乱や思考錯誤を増やす原因に思われます

 

例えば、セリフがうまくいかなくて、何らかの現象を見て監督演出家が、「音がこもっている」というような指摘をしてきた場合、何か「ちょっと暗い気がする」

といったぼんやりとした感想しか指摘してくれなかった場合…

どうしますか?

・セリフの練習をたくさんする、自分で声をよく聞いてみる、録音してみる

・こもっていると指摘された音が出ているときの、自分の身体の状態や内面の様子など、演技の総合的な側面をチェックする

..など、たくさんありますよね?

先程の動きが不自然と言う例と合わせて想像してみてください

・自分の動きを鏡でみる、動画撮影してみてみる、

・運動をしてみる、体操する

・不自然と言われていない人を観察し、比較する

…など、こちらも多数浮かびます

 

「投薬」に期待しない、「部分別」で解決を希望しない…ですよね?

 

本日のお勧めはこちらです

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