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シーンを展開させるよい俳優の鉄則「YES and…」の実際

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オーディション準備と現場のお悩みに対応する。6月の演技コーチ、くわたかおるデス!

常日頃、様々なスキルアップを目指し、一生懸命練習して、人間的にも成長している方々に、幸運が訪れますように…

みなさんの合格、次なる現場の飛躍!楽しみにしてます!

さて本日は、ちょっと演劇ワークショップに行ったり、養成所などでかじったりしたこともある方の多い原則

 

◾️「Yes, and…」について

もしかすると、多くの方々が、演技のクラスやインプロのワークショップなどで、

「No….」と相手からの提案や働きかけを拒否しないで、と、説明を受けたり、「Yes, but…」と条件付きの展開を繰り返していると

ちょっとねぇ…とフィードバックをされた方もいるかもしれません

 

そうなんです

私も、学生の頃から、この「No…(いや…それはナシ…)」をやってはあかんと叱られる方でした

とにかく、急な予定の変更や無茶振りが苦手な学生でしたから…

 

そして、「Yes(はい)」と言ったにもかかわらず、その後すぐに、「(Yes) . But…(でも/しかし)」と、条件付きで引き受ける内容を制限したり、新たなルールを設定して、物語が展開しないように、自分も相手もが、そのシーンでできることを減らしてしまっていた記憶もあります(ごめんなさい)

これも日本でも、イギリスでも、アメリカでも叱られるパターン(怒られているのではない)

一方、様々な養成期間やクラスなどで奨励されるのは「Yes, and (はい、そして…)」の展開です

これね、昔から私も苦手でした

(なぜなら私、子供の頃は、実はとんでもない人見知りで、言葉が遅いのかなと親や親戚が心配するぐらいしゃべらない子だったんです!)

 

しかし、苦手とも言ってられないのが、プロになるための俳優教室やレベルアップするためのトレーニングです

もうやるしかなかったですね、そして、たくさん失敗して、間違って「でも」や「しかし」を連発してました(でもやめない笑)

 

◾️なぜ一旦「Yes(OKサイン)」を出す必要があるのか

子供の頃から芸能事務所に所属したり、レッスンに行ったり、一通りの事はやっていたはずですが、まさか、自分が物語の展開を止めているとか、こんなに演じたいのに役の人物の推進力を奪っているなどとは、全く実感がなかったです

それこそ、NoやらButをこっそり巧みにあちこちに混ぜることで、気持ちも動かず、身体も固まりがちでもったいないことをしていました

高校生になっても、NoやButを繰り出してしまってから、わざわざ陰気な気持ちになっていたのを今でも思い出します

そんな私ですが、教え始めて(遅いね…)やっと気づいたことがあるんです

「こりゃ、俳優や歌手の方が、作品に取り組むときに、初めて意識してもダメなんだ」と

 

◾️他人観/世界観

私がもう受け止めるしかなかったのは「(大げさに言えば)物の見方、考え方、解釈の仕方の癖だから、日常から意識する必要があるんだ」

と、いうことでした

本人の意図のあるなしにかかわらず

俳優や歌手などの演じ手(ダンサーも含まれます)が意識できているかどうかはさておき

つい「No!」を連発しやすい方は、日ごろ表面上は繕っていても、心の中でNo!と叫んでいるみたいなんです

言葉では、礼儀として、または社会一般の通念上、「そうですね」とか「やってみます」と言いながら、実は心の中で「やだな」であったり、残念ながら「もうやめよう、どうせできない」などとつぶやいてしまっていることが多いらしい…

自分のことを振り返ってみても、まさしく

頭ではYes!とゴーサインを出していたつもりが

身体がNo!と固めていたり、構えていてに、まったくYes!になっていない!

だから、いくら映画監督のクラスや演出家のワークショップに行って、「Yes, and…」を丁寧に説明され、どんなに大切か詳しく楽しく教えてもらっていても、

身体がNo! 感情的にBut…(つまり条件付)、を密かに混ぜてる限り、物語の推進力を生むスキルにはならないし、役がそのシーンをどんどん展開していく力にはなり得ない

上っ面でした…

 

◾️身体のNo! こころのBut…

いくらセリフを肯定形、ポジティブなものに変えたところで、

「言いたい理由」、「これらの言葉が必要な原因」

がないわけですから、表面的にセリフを言うだけになります

そしてこの薄っぺらさを隠すためにまた身体はそしてこの薄っぺらさを隠すために、また身体は「防衛に入る」

このループ、どんどん続いていくのがイメージできませんか?

 

◾️実際のあるある レベル1

例えば、インプロバイザーション(即興)のエクササイズや、短いシーンのエチュード(台本の抜粋など)で

お相手の方が身体を広げて、微笑みながら、軽やかに胸やつま先をあなたの方へ向けて、リラックスした落ち着いた呼吸で、

Aさん「この後、何か食べに行かない?」と聞いたとします。

Bさんは

① No「いや、今日ごめん、行けないわ」のような種類で断ることもできる

この場合、シーンはここで終わるか、Aさんが方法を変えて、別の誘い方や、異なった提案をすれば、シーンが続いていける

しかし、もしこの後に予定があるというようなお話をしてしまうと、いつまでも語っているわけにもいかない

アカンやん!

自分で自分の出番減らしてるし、相手に労力を要求している、相手が能力発揮できるようにするのはいいけれど、自分も同じ位相手へ影響を与えたいはずなのに…

同じシナリオで、

 

② Yes, but…「いいね、でも明日のほうがいいかな、今日は移動があるから」

やりがちですよね

私もうっかりしょっちゅうやってました

私自身の意識としては、ついつい「より良い方法を探してしまう」というポジティブな意図

残念ながら、1種の独りよがりでした…

 

③ Yes, and …「いいねぇ、私もちょうどお腹空いてたんだ。どこに行こっか?」

言葉だけ見れば、これでOKです

国語の意味で、会話は続いていけるでしょう

一件落着!

と、ここまででほっとしてるゲーム感覚のクラスや、なんとなく安堵してしまってる方もいると思いますが…もったいないよ!

なぜならば、ここまでがスムーズであれば、

次は、私たちが使っているのは、ドラマ=変化ですから

その上、大きく展開していく時は、裏腹と言う面もあるので、一層

「言ってること」と「やってること」の組み合わせで、より現実に近い、展開が複線化する!

と言う点も検証しておきましょう

これが次のプロレベルです

 

◾️実際のあるある レベル2

Aさん「この後、何か食べに行かない?」と聞いたとします

Bさん

①-1 No「いや、今日ごめん、行けないわ」のような言葉で断る✖️断るNoの身体

この場合、シーンはここで終わるか、断ることで、何か全く別の展開になると言う選択肢があります

もちろん設定によるのですが、Aさんが方法を変えて、別の誘い方や、異なった提案をすれば、シーンが続いていけるパターンもあり得ます

しかし、もしこの後に予定があるというようなお話をしてしまうと、いつまでも語っているわけにもいかないです」

目的に向かうのをどちらかが辞めてしまうと、シーンは終わります

また、大幅な方向転換が必要となるかもしれません

 

①-2 No「いや、今日ごめん、行けないわ」のような言葉で断る✖️Yes, butの身体

これも現実の世界に似ているかもしれないパターン

断りつつも、気持ちはイエスなんだが、と言って理由を用意する

不自然でもなく、よくあるパターンでもあります

①-3 No「いや、今日ごめん、行けないわ」のような言葉で断る✖️Yes, andの身体

これは、積極的に断りたいパターン笑!もしくは、代替案を出す展開があるかもしれません

 

②-1 Yes, but…「いいね、でも明日のほうがいいかな、今日は移動があるから」✖️断るNoの身体

悪意はなくとも、1番繰り出す確率が高いかもしれないのがこれ

ついつい身体は防衛してしまい

頭ではイエスと言わなければならないとわかっていても

なんとなく、条件をつけてしまうから、シーンが先走っていく

決して盛り上がらないんです…これがとても罪作り

本人のの意識は、ついつい「自分の目的に向かっている」つもりではあるんですが、身体が構えている時点で、深い交流は難しい

 

② -2 Yes, but…「いいね、でも明日のほうがいいかな、今日は移動があるから」✖️Yes, butの身体

これは言ってることとやってる事は一致しているので、違和感は無いのですが、それはドラマとしてどうなの⁉️

わかりやすいと、安易に断罪する時、これを選んでいる確率が高いです

わかりやすいと言うことと面白さ、

わかりやすさと展開の豊かさ

これは比例しません

劇の構造や、伏線の回収など、基本的な部分がピン!と来てないと、ついつい選びがちなのはこれです!!

=平凡とも言える

 

②-3 Yes, but…「いいね、でも明日のほうがいいかな、今日は移動があるから」✖️Yes, andの身体

これは面白い展開になりやすいものの、1つ

しかしながら、ながら当然、文脈によります

他の例ももちろんですが、どこでつながっていくのか、本人はどこへ向かっているのかが、ある程度決まっていないと選べないものでもあります

 

③-1 Yes, and …「いいねぇ、私もちょうどお腹空いてたんだ。どこに行こっか?」✖️断るNoの身体

セリフの意味はうまくいってます、しかし、身体が真逆

確かにドラマティックではあるけれど、この裏腹が狙いであればオッケー

もし狙いでない場合は、自分の癖を見直す必要が演じ手の方にあります

例えば、現場で過剰に緊張してしまったり、オーディション気負っている場合、これを無意識に繰り出すと言う事はありますので、要注意です

 

③-2 Yes, and …「いいねぇ、私もちょうどお腹空いてたんだ。どこに行こっか?」✖️Yes, butの身体

これもまた、複雑で、層になった面白い展開

ただ、身体をどこで調節するかが問われているともいえます

自然体と言いながら、But!の部分をきついものに設定してしまうと、人間関係が前後の心とつながらない可能性もあります

日常生活でもよくある交流のパターンなので、自己洞察が大切ですね

③-3 Yes, and …「いいねぇ、私もちょうどお腹空いてたんだ。どこに行こっか?」✖️Yes, andの身体

これはシンプルでとても盛り上がるパターン

しかし、台本のジャンルや役の設定次第では、言ってることとやってることが一致してしまって、逆に葛藤や摩擦、深い問題や、今解決せねばならない重要なことが薄れてしまう可能性もあります

 

えー!

 

そうです

ドラマっていろんな展開がありますよね

だからこそ、面白いし、やりがいもある

多様な背景、個人の事情をいつも想像力豊かにむくむくさせながら、自分事として演じることが、お客様の感覚体験、感情体験にもつながると常々思います

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実力派俳優たちの様子もぜひ取り入れてみてください

あ、もちろん、結果を真似するんじゃなくて、どんなプロセスを経てこうなったか、て考えると深掘りできますよ

 

◾️ブログを読んでくださっている方に優先的にお知らせ

7月、8月と…演技の底力からアップ含め

・より効果的に歌唱や演技に役立つ身体のこと

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・みんな気になる「受かるための」オーディション対策講座…

など、久しぶりに数種類を企画したいなと盛り上がってます

スケジュールや内容、題材にご希望がある方はぜひお知らせくださいね、各種のDMやお問い合わせフォームからのご質問やレッスンの申し込みも歓迎中です

 

追伸:

日本では、芸術や演技には「気合い」や「根性」といった抽象的な考えが主流で、具体的な方法やトレーニングはあまり注目されていませんでした。

しかし、私の演技クラスやレッスンは違います。

多くのアーティストは、成功を収めた有名な俳優や先輩から学び、その経験を尊重しています。

しかし、学ぶだけでなく、学んだことを実際の演技に活かすためのサポートも提供しています。

具体的な例として、台本の理解や感情の表現、動きのトレーニングなど、アーティストとして必要なスキルを磨く方法が豊富にありますから、それらをどんどん実践します。

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