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台本を読んだのに演技で止まるのはなぜか|3/28オンライン台本読解

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台本読んだはずなのに、受けない俳優のための解説。

台本を読んだのに、いざ立つと動けない

台本は読んだ。
あらすじも把握した。
シーンの状況もおおよそイメージできた。
セリフの意味もわかっている。
人物が置かれている立場も、一応は理解している。

そこまでやったのに、いざ立つと動けない。

相手を前にすると浅くなる。
行動にすると弱くなる。
頭でぐるぐる考えてしまう。
次々と方法が繰り出せない。
説明っぽくなってしまう。

こういうことは、実は少なくありません。

そしてこの時、多くの俳優は、
もっと気持ちをこめないといけないのではないか、
セリフの言い方をもっと工夫しないといけないのではないか、
言葉のイメージをもっと膨らませないといけないのではないか、
そう考えがちです。

でも、そういう時に本当に必要なのは、そこではないことがよくあります。

「状況がわかった」「気持ちがわかった」で止まると、演技は動きにくい

台本を読む時、
状況がわかった。
気持ちがわかった。
人物の事情も見えてきた。
そこまでは行く俳優が多いです。

けれど、そこで止まってしまうと、演技は動き出しません。

なぜなら、それはまだ、理解した段階だからです。

演技に必要なのは、理解したことを、相手に向かう行動へ変えていくことです。

つまり、
状況がわかった。
気持ちがわかった。
そこから先に進まないと、立った時に止まりやすいのです。

読んだはずなのに動けない理由

読んだはずなのに動けない。

この状態は、単純に台本を読んでいないという話ではありません。

むしろ、
ちゃんと読もうとしている。
意味を取ろうとしている。
状況も整理しようとしている。

その真面目さがあるからこそ、止まってしまうことがあります。

問題は、読んだことが少ないことではなく、読んだものがまだ演技として使える形に変わっていないことです。

頭の中に情報はある。
でも、それが散らかったままで、何をどう使うかが見えていない。

だから立った瞬間に、急に曖昧になります。

散らかっていて見えない、ということ

あらすじは把握した。
シーンの状況はおおよそイメージできた。
セリフの意味もわかっている。
導線も確認した。

そこまでは、たしかに進んでいます。

でも、それだけでは、まだ動けないことがあります。

なぜなら、それらは全部、情報としては持っていても、演技の順番にはなっていないからです。

何をどこから読んで、
何をどこに、いつ整理して、
何をどの順番で試すのか。

ここがはっきりしていないと、台本を読んだあとに情報だけが増えて、肝心の演技の入口が見えにくくなります。

頭の中に材料はあるのに、料理の順番が決まっていないようなものです。
材料が多いこと自体は悪くありません。
でも、順番がなければ手が止まります。

俳優の停滞も、これに近いことがよく起きています。

必要なのは、気持ちを足すことより整理です

こうなると、俳優は不足しているものを埋めようとして、気持ちを足そうとしがちです。

もっと切実に。
もっと強く。
もっと感情を出して。
もっとその言葉のイメージを膨らませて。

けれど、ここで必要なのは、気持ちの量を増やすことではありません。

もちろん感情は大切です。
ただ、演技が止まっている時に足りていないのは、感情の量ではなく、整理の精度であることが多いのです。

その人物は何のためにそこにいるのか。
相手に何を起こしたいのか。
何を守ろうとしているのか。
何を避けたいのか。
このままだと何がまずいのか。
どこで関係が動くのか。

そこが具体的になると、セリフは説明ではなく、相手に何かを起こすための手段になっていきます。

逆に、そこが曖昧なままだと、どれだけ気持ちを足しても、演技は前に進みにくいです。

説明っぽくなる俳優に起きていること

頭でぐるぐる考えてしまって、説明っぽくなってしまう。

これは、能力が低いからではありません。
真面目にやっている俳優ほど起きやすいことです。

ちゃんと理解したい。
間違えたくない。
人物を浅くしたくない。

その思いが強いほど、理解することに力が集まりやすい。

すると、演技が
こういう状況です
こういう気持ちです
こういう人物です
という説明に寄っていきます。

でも、演技は理解を見せるものではありません。

相手に何かを起こそうとして、
そのやり取りの中で変化していくものです。

つまり、読解のゴールは、意味がわかることではなく、相手に向かって使えることです。

ここから、カメラで映して見える、変化が伝わる演技になります。

また舞台で空間に対してインパクトのある、お客様から見て聞こえて伝わる形になります。

台本読解で本当に整理したいこと

台本を読んだあと、本当に必要なのは、情報を増やし続けることではありません。

必要なのは、使うための整理です。

たとえば、次のことがはっきりしているかどうか。

その人物は何のためにそこにいるのか。
相手に何を起こしたいのか。
この場面で失いたくないものは何か。
何を避けようとしているのか。
どこで関係が変わるのか。
このシーンでまず試すべきことは何か。

こうしたことが整理されると、セリフはただの文章ではなくなります。

ただ意味を説明する言葉ではなく、
相手に働きかけるための言葉になっていきます。

つまり、客観的な事実を把握するだけでは、不十分なのです。

 

読解を演技に変えるには、読む順番と試す順番が必要

台本を読んでいるのに、毎回どこか似る。
相手が違っても、出方があまり変わらない。
結局、自分の中で考えて終わってしまう。

こういう停滞が起きる時、必要なのは根性ではありません。

読む順番と、試す順番です。

何をどこから読むのか。
どこを先に押さえるのか。
何を先に試し、何を後回しにするのか。

ここが曖昧だと、立つたびに手探りになります。
その場しのぎになりやすい。
毎回の再現性も弱くなる。

逆に、読む順番と試す順番が見えてくると、準備が変わります。

読んで終わりではなくなる。
わかったつもりで終わらない。
立った時に何を確かめるのかが見えてきます。

すると、演技の質だけでなく、稽古の使い方も変わってきます。

準備の方法も変わりますから、一気にプロ化していきます。

すでにプロで活躍してらっしゃる映像や舞台、ミュージカルなどの方でも、この準備のプロセスに最新の注意及び時間を割かれるれる方が多いです。

私自身、そのような方々のサポートも年間を通じてお受けしています。

さて、

立ってみて弱さが見えるのは悪いことではない

頭ではわかっていたつもりでも、
立ってみると弱い。
相手を前にすると曖昧になる。
思っていたほど切実ではなかったとわかる。

これは失敗ではありません。

安心してください。

むしろ、そこではじめて、読んだことが本当に使える形に変わっていきます。

読んで整理する。
動いて試す。
そこで見えたことを、また整理する。

この往復があると、台本の見え方も変わります。
相手への出方も変わります。
役の立ち上がり方も変わってきます。

読解と実践は、本来切り離されるものではありません。

読むだけで終わると、頭の中に残ったままになります。
動くだけだと、偶然に頼りやすくなります。

だからこそ、
読んだものを整理し、
実際に使い、
使った結果をまた読解に戻す。

この流れが必要です。

ただ、読みっぱなし、わかったつもりではもったいないのです。

 

実際にご参加くださった方から、こんなお声をいただいています

クラスに複数回参加されている30代の女性のお声。

「まだ課題はありますが、「とても良い表情をしていたよ」とお声かけをいただけたり自然と身体が動く場面が出てきたり、少しずつではありますが嬉しい変化を感じていました」

「稽古場で、間違うことを恐れてフワッとさせていたときよりも整理が進むようになったと感じました。」

ミュージカルを中心に活躍している女性俳優のお声。

「タファーのお話が印象的で、セリフ以外の部分にもたくさんのヒントがあるのだと改めて感じました。今回教えていただいたやり方を用いて、もっと本と向き合う時間を作ってみようと思えました。」

「台本を読めば読むほど字面に縛られてしまう人、台本を『読み込む』って何だろう?という人におすすめです!」

こうしたお声が示しているのは、急に別人のようになることだけが変化ではない、ということです。

表情が変わる。
身体の反応が変わる。
稽古場での試し方が変わる。
台本との向き合い方そのものが変わる。

読んだことを整理し、実際に使っていくと、こうした変化は少しずつ積み重なっていきます。

そしてその積み重ねが、演技の土台を確実に変えていきます。

だからご本人も輝きます。

そして周囲もその良い影響受けて、変化していけます。

今の停滞は、必ずしも、いわゆる才能の問題とは限らない

読んだ。
考えた。
感じてもいる。

それでも動けない。

この時、俳優は自分の能力そのものを疑いがちです。

でも、今の停滞は、単なるちまたでいわれるような才能の問題とは限りません。

足りないのは、
もっと強い感情かもしれない、ではなく、
もっと面白い言い方かもしれない、でもなく、
読んだことを演技に変えるための整理かもしれないのです。

ここが変わると、
同じ台本でも扱い方が変わります。
同じセリフでも前に出方が変わります。
毎回似た演技になる停滞から、抜けやすくなります。

 

3/28オンライン台本読解で扱うこと

3/28 土 のオンライン台本読解では、こうした整理を具体的に扱います。

台本を読んだあとに、
何をどこから読めばいいのか。
何を先に整理すべきなのか。
何を演技につながる材料として扱うのか。
何をどの順番で試していくのか。

そうした部分を、頭の中だけで終わらせない形で見ていきます。

ただ理解するだけではなく、自分ごとで演じるための読解に変えていくこと。
字面に縛られて止まってしまうのではなく、相手に向かう行動へ変えていくこと。
そこを、このクラスでは大切にしています。

3/29・3/30のスタジオ実践につながる流れ

そして、3/29 日 と 3/30 月 のスタジオ実践では、整理したことを実際にしゃべって動いて試していきます。

頭ではわかっていたつもりでも、立つとどこが弱くなるのか。
相手を前にした時に、何が曖昧になるのか。
どこを変えると、行動として立ち上がるのか。

そこまで確認したい方には、オンライン台本読解とスタジオ実践の両方にご参加いただく流れをおすすめしています。

もちろん、移動やスケジュールの都合で、オンラインのみのご参加も可能です。

ただ、読んだことを頭の中だけで終わらせず、実際のやり取りや行動につなげたい方には、この往復はとても有効です。

今の停滞を、そのままにしないために

台本を読んだのに動けない。

もし今、そんな感覚があるなら、足りないのは根性ではありません。
感情の量でもありません。

散らかった情報を、演技につながる順番に整理することです。

状況がわかった。
気持ちがわかった。

そこで終わらせないために、
何を読んで、
何を整理して、
何を試すのかを、
はっきりさせること。

そこが変わると、演技は少しずつ動き始めます。

今回のクラスを逃した方でも、こうしたテーマに心当たりがあるなら、今後のご案内やブログ記事をぜひチェックしていただきたいと思います。
台本読解と実践をどうつなげるかは、これからも継続して発信していきます。

そして、今まさに近い停滞を感じている方は、
DM・メール・リンク先フォームからご連絡ください。

読んだものを頭の中だけで終わらせず、

実際に使える演技へ変えていきたい方をお待ちしています。

今年度最後のオンラインでの台本、読解及びスタジオでの実践クラスの詳しい記事はこちらです。

 

演技が国語になってしまうと、なぜ止まりやすくなるのか については、こちらの記事でも詳しく書いています。

演技が「国語」になっていませんか?真面目なのに届かない俳優の共通点と改善法

 

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