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プロとアマチュアの違い①ガヤガヤしていて分からない

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夏はいつも以上にスパイス料理が好きな鍬田かおるです

はい、演劇歴、気づいたら40年ぐらい経ってました…

子供の頃から演劇はもちろん、ミュージカル、クラシックバレエに連れてってもらう環境にいて、なんとなく違和感を感じつつも、俳優執行から舞台芸術全体の勉強を再スタートして、イギリスまで行ってしまいました

日本に帰ってきて、特に顕著だったのが、プロとアマチュアの違いです

これはどちらが良いと言うわけでもなく、また悪いと言うわけではなく、ただ差があると言う事実

例えば、よっぽど何か特別な事情がない限り、アマチュアの方とプロの方が同じ劇場を使うことや、同じフェスティバルに出る事はイギリスでは(ほぼ)ありません

例えば、職業俳優として(プロ)認められるためには、選ばれた学校なり養成機関を出る必要があり、その後に、俳優の権利や労働環境を守ってくれるそして場合によってはレッスンやスタジオ提供するありがたい組合に所属することになります

熱心に地元密着型の、いわゆるコミュニティー・シアター作品に何年よ参加したからといって、それを履歴書に書いてプロの芸能事務所やエージェントに送ることはありません

さて…

そういったいわゆる構造上の違いもさることながら…

私が本日少しメモしておきたいのが、「表現」と言うと大げさですが、作品や公演に触れたときに、私が観客として、あらゆるジャンルで感じる、共通したプロとアマチュアの違いです

これは私が長年気になっている点なので、同意しない方もいると思いますが、例えば、

・始まりと終わりがハッキリしない

・スタッフでも出演者でも技術レベルが低い

・運営が曖昧なところがたくさんある、そしてそれがお客様にも目立ってしまっている

などが挙げられると思います

逆を返せば、この3つの点を改善すれば、アマチュアでもセミプロ並みまではできると思いますし、プロの方もこれらを常に更新し続けないと…と言う意味にも考えられます

そして、演技、歌唱、楽器演奏、いろいろなジャンルのダンスかかわらず共通しているように見受けられるのが、次の2点です

 

■よくわからない「騒音」のような情報がやたら多い

■方法が目的になってしまっている

 

1つ目の「騒音」について

例えば、歌手や俳優のよくわからない癖、構え、表情のマンネリ、不思議なアピールも含まれます

いろいろな所作や段取り上の空間の移動に際して、腕を固めたままいたり、足を引きずるような癖があったり、何かの条件反射で唇を舐めたりするなどを、例えば2時間に10回以上やったとすると、見ている側からはとても辛い、どう解釈していいのかわからない、それにしてはなんだか印象に残る現象です

「騒音」と言うのは、もちろん隠喩表現ですが、これは「暗転の多さ」(笑)のような段取りだけでなく、歌唱や演技中の内面の様子にも当てはまります

「一生懸命練習してきた」が前面に出てしまっている強い押し出しやアピール、「台本や楽譜」が脳内でめくられているかのような、もちろん真面目で真剣だからこそではあろうが、なんとも没入しにくい心象風景や思考の癖…

みる側が集中していればするほど、こういった部分は目立ちます

ちなみに、台本等もそうで、なかなか自分で自分が苦心してまた長時間かけて練り上げた作品を、どんどんバッサリと編集できる人は少ないです

だからこそ、他人に編集してもらうことが必要なわけですが…

と言うわけで、バッサリ斬れない作家さんほど説明になりすぎているようないらないセリフや物語が展開しないよくわからないシーンがたくさんあり、俳優を悩ませます…長年、公演芸術に親しんできた方ほど、そして映画などをよく見る方ほど???と感じます

 

2つ目の方法が目的になってしまっている、について

歌を歌うこと自体が目的になっていれば、歌を歌い出すところがスタートになり、歌い終わると何かが終わったと一段落ついてしまいます

セリフをを言うこと自体が目的になっていれば、残念ながら中は無意識でも、セリフを言っている時に一番活発になり、セリフがない時は少々「お留守」になってしまいます

ただ、こういったことの難しさはなかなか本人は自覚できない点にありますね

ダンスも同じくで、踊り終わって、曲が終わった途端に、休憩モードに入る方をみかけます

こちらもプロの時間に来たつもりでいる間は見たくないですよね、私はみたくないと感じます

 

方法が目的になってしまうと、1つの方法、例えば「声を大きくする」、「前に出る」、「大きく脚を上げる」、「難しい高音を出す」などいわば盛り上がるところであったり、腕のみせどころである部分で余計に力が入ってしまうのも顕著です

私自身、例えば、難しいバリエーションを踊る時、いつも以上に緊張させているなぁと感じて反省しています

 

そうです!

何せ「方法「を達成したのですから、区切りがつき、思考や感情も変わります…

 

これを打開するには、「目的と方法の入れ子構造」に最新の注意を払うことです

つまり、小さな単位の目的を達成したからといって(1つの方法が使われた)、より大きな単位の目的はまだ達成していないのだから、そこでサスペンションを途切れさせたり、推進力を減らしてしまったりしてはアカン!のです

騒音問題と目的の達成に関する私たちの性質…

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