こんにちは、5月は、映画のプレミア、講座、コンサートのお呼びもかかり、大変ありがたいです。いろいろな作品のクランクインも重なり、インティマシーコーディネーター(ディレクター)として、演技コーチとしても、もっとお役に立てるよう進みたい、鍬田かおるです。
さて本日は、演技の基礎、表現の基礎である、身体の余計な構えや緊張を減らし、自分の身体を使いこなせるよう、調節できるスキル:アレクサンダーテクニークのレッスンを年単位で受講されているプロのオペラ歌手の方の体験談を紹介したいと思います。
ちょっとモヤモヤしちゃっている方々の参考になれば幸いです。
声楽家・オペラ歌手が限界を感じたときに、身体から見直すという選択
真剣だからこそ、不安になる瞬間がある。
「本番ではなんとかなるけれど、実は苦しい」
「ホールの響きに自分の声が負けてしまう気がする」
「これ以上うまくなれるのか、正直、わからない」
そんな声を、私はこれまでに多くの声楽家やオペラ歌手の方から聞いてきました。
舞台経験も豊富で、音大も出て、今も現役で歌っている——
でも、「なぜか、うまくいかない」。「抜けない時がある。」「歌の先生にもいろいろ言われているけど、どうにも力んでいる。
その理由がわからず、モヤモヤしたままの状態で、練習しながら本番をこなしている。
そんな方が、実際に少なくないのです。
「あなたにはそういう音は出せない」と言われた彼女が、いまどうなったか
あるとき、生徒さんのひとりが、こう言ってくれました。
「あなたにはそういう音は出せない」
と歌の先生から言われて、あの頃は歌うことが怖くなってしまっていました。
この方は、すでに舞台経験もあり、歌唱技術も高く、プロとして現場に立っているオペラ歌手でした。でも、声を出すことに対して怖さや不安を感じ、本当の意味で信頼できる声と身体の関係を見失っていたのです。
変化の過程は、とても静かに、でも確かに始まりました。
最初は、本当に自分の声なのかとびっくりするくらい出ていて、
その時の録音を聞いて、「その音?出てます♥」って思いました(笑)レッスンを受けていくうちに、どんどん楽で、
前向きな感覚になっていきました。身体の使い方が少しずつ変わってきていて、
家で声を出している時に、
自分で「お?」って思うことが増えてきたんです。
自分の声をコントロールしようとするよりも、
身体の方向性や重さの感覚をつかむことで、
出るようになっていくことがあるんだな、と。
高音が出ることも嬉しいんですけど,
それよりも、「怖くなくなったこと」が、
一番の変化だったかもしれません。今でもまだ、時々不安はあるけれど、身体からやれば
きっと、自分なら「大丈夫かも」と思えるようになってきました。
私がしているのは、「声を教える」ことではありません。
アレクサンダー・テクニークをベースにした私のレッスンでは、
身体の使い方そのものを、ご自身に合った形で、今の声楽・舞台表現の目的に合わせて整え直すという視点を大切にしています。
-
声の不調が技術ではなく「無意識のクセ」によって繰り返してしまっている
-
呼吸の流れが“正しい姿勢”に縛られて逆に浅くなってしまっているケース
-
舞台の上で「出そうとしすぎる」ことで逆に響きを失っている時
- 過剰な緊張や固める癖によって、本来の身体がうまく使えてない場合
こうした状況を、本人が気づける状態へ導いて、最大限にご自身の能力を発揮していただくようサポートするのが私の役割です。
本当に届く声を、身体から再構築したい人へ
私は「歌がうまくなりたい」方のサポートもしていますが、
特に多いのは、以下のような **“もうひとつ上を目指す”** 方々です。
-
高音域が本当はあるのに、いつもギリギリで出してしまう
-
技術的には通用しているはずだが、なぜかキャスティングが続かない
-
舞台での安定感に差が出る/コンディションに左右されすぎる
-
実力はあるのに「突き抜けきれていない」ことに自分で気づいている
- 本番後、燃え尽きている….
- 喉の不調を実は繰り返しては、対処療法でしのいできた
一方で、こんな方にも来ていただいています。
-
「息が浅い」「喉が疲れやすい」と感じる中級レベルの方
-
一生懸命、時間もお金もかけて発声法を学んでもうまくいかなかった方
-
音大を卒業したが、舞台や現場ではなかなか実力が発揮できていないと感じる方
講師からのメッセージ
好きで始めた楽器の演奏や歌唱がうまくいかない時、気が重くなるのは仕方がありません。またうまくいっていた時があったからこそ、スランプの時、伸び悩んでいる時、誰しもがモヤモヤするものです。これらは健全な悩みであり、特別な病気や事故でない限り、ある程度、解決が可能なものです。
大きなケガや事故などの場合、治療が必要なことがほとんどですが、実際、治療ではなく、ご自身の身体の「トレーニング」が足りなかったという方、自分では「ケア」していたつもりが、無理に使っていたことに気づいていなかった、ということも考えられます。
身体全体で、つい長い時間やってしまっている使い方を見直すことで、楽器の演奏や歌唱へ応用していくことが可能です。
例えば、
首の緊張、食いしばり癖、頭を後ろに引いてしまい喉が引っ張られている
肩に力を込めすぎる、背中の緊張、胸を止めてしまっている、背骨の動きが少なすぎる、
腰のロック、詰まった動き、膝のつっぱり、足は踏ん張っているけれど地面を使えてない、
唇や目の周囲の緊張、舌の硬さと誤った位置、腕と胴体の関係性の不備、目の硬直、
「良い発声の状態」を維持したいがあまり、ジェスチャーが取ってつけたようになり、動きがぎこちない….
….枚挙に暇ありません。
しかし、逆に言えば、これらを解決していくことで、より自分の身体を使いこなしやすくなります。そこから、ご自身の表現や個性や、強みをもっと活かしていけます。
また、残念ながら多くの方が、いろんな風に「力を込める」練習はされているものの、「適切な量を調節する」、「本来必要ではない「力み』を減らす」の引き算は、心がけ程度になってしまっていることも。
こういった傾向を見直しながら、息の長い活躍を前提に、お一人お一人の習慣や課題に合わせたレッスンを組んでおります。
現在受付中のクラスと個人レッスン
■ グループ体験クラス
日時:2025年6月28日(土)10:00〜12:00
対象:声楽家・オペラ歌手、ミュージカル歌手など、歌唱される方や俳優
ご参加費:8800円
場所:東京都内駅近スタジオ
(詳細は、お問い合わせ時にお伝えしています)
◾️ 個人レッスン
5月の新規スタートは
・5月28日 (水)9:00-10:30
・5月30日 (金)15:00-16:30
のみご予約可能です。
6月にスタートをご希望の方、はじめての方は、詳細をお問い合わせください。
●この記事を書いた人:鍬田かおる : 演技コーチ/インティマシー・コーディネーター(ディレクター)
演技指導歴20年以上。プロ俳優・歌手・ダンサーを中心に、感情と身体のつながりを軸としたレッスンを展開中。映画スクールやパフォーミング圧の大学を始め、多様なミュージカル、オペラ、映像、舞台など幅広い現場で指導。
詳しいプロフィールは、HPのプロフィールページからお願いします。
【もっと深く学びたい方へ】
公式LINEでは、レッスン情報や演技に役立つ最新記事をお届けしています。一斉発信は、月に1回もしくは2回程度です。
こちらからトークのスタートはできませんので、ご登録後に、お手数ですが一言、挨拶かスタンプをお願いします。
関連記事もよろしければどうぞ
https://kaorukuwata.com/whoami2025textanalysisactors/
Instagramの投稿では、演技や表現にまつわるQ&Aも展開しています
お気軽にご覧ください。
https://www.instagram.com/actingcoachkaorukuwata/
身体と演技や歌唱についてのQ&Aも受付中です。
クラスのお申し込み、ご相談には、こちらのお問い合わせフォームもご利用いただけます。
センシティブな題材、キスやハグなどの身体的な接触、いわゆる絡み、昔で言う濡れ場などの振り付け、演出サポートのご相談は、映像作品、映画、テレビ、舞台にかかわらず、インティマシー・コーディネーター(ディレクター)のご相談は以下の専用ホームページからお願いします。

演技コーチ/ムーヴメント指導・演出・振付/IDC認定インティマシーディレクター/STAT認定アレクサンダー・テクニーク指導者/スピーチ&プレゼンテーションコーチングActing Coach/Movement Direction/IDC qualified Intimacy Director/STAT certified Alexander Technique teacher, mSTAT, Movement Teaching/Speech and Presentation Coaching
コメントを残す
コメントを投稿するにはログインしてください。