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劇作や演出/監督や演技の前に大切なこと②二つ目の入子構造

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先日のラバン入門クラスにお越しくださった方々、雨の中、三日間ありがとうございました。

大御所から、舞台で輝く元気な女性パフォーマー、そして聡明で知的な女性の俳優の方々…

一人一人が課題意識を持ち、前向きで熱心ですと、全体の雰囲気も良く、次のステップへつながるいい予感がたくさんありました。

 

さて

本日はその「いい予感」

についてです。

もちろん私もまだまだ読めてない素晴らしい戯曲や脚本が世界中にたくさんたくさん溢れています。

舞台公演も、その上演台本も、そしてその元になっている戯曲も、最初の1ページ目で良い予感がする時はあります。

 

世界の名作も、然りです。

最近話題になっている作品も、然りです。

誰についての物語なのか、どんな問題提起なのか、そしてどこからの視点なのかがはっきりしています。

どんな問題提起なのか、そしてどこからの視点なのかがはっきりしています。

 

私が最近気になるのは、ご時世柄もあるかもしれませんが、男性の作家による、女性の描き方、女性の作家による女性の描き方です。

 

なかなか統計を取ったわけではないので、はっきりとは申し上げられないのですが

NetflixやAmazon Primeで世界中の人気ドラマシリーズや、話題の映画などをすぐさま見ることができる状況にいる人にとって、どうなのかなぁと不思議に思うことがありませんか?

 

当たり前だと思っている設定や展開を見直してみると、

なぜ嫌われる役や主人公の世話をするのが女性ではならなくちゃいけないのか、

どうして主人公の男性がその役割なのか、

なぜこの母にそれをさせるのか、

どうしてそんな場所に子供はいるのか、

そしてなぜこの女性にそんなことを言わせるのか、

わざわざ脱ぐシーン必要?

その暴力シーン、なんのため?

など質問が尽きない時があります。

 

もっと素直にただ物語を楽しめばいいじゃん!と言う意見もあるかもしれませんが、やはり劇の専門家ですからそうはいきません。

 

学術的に詳しい方がいらしたら、ぜひお話お伺いしたいのですが、別言語に訳したとしても受け入れられる優れた作品、文化背景が異なっていても夢中にさせる映画、様々な属性の方が不必要に傷つかず、それでも問題意識を変えたり、自分の現在や過去や未来を振り返るような作品になるものには、一貫して、何らかの必然性があるように思います

その属性でなければならない理由には、昨今何かと、意識改革の求められるマイノリティーの描き方や、いまだに理不尽の多いとあちこちで論議を醸し出している性別や、年齢や国籍などの差別も同様です

一環した意味や目的が曖昧なまま、シーンごとに人物にキーワードをちりばめたセリフを言わせたり、自分の周囲では当たり前だからと自分の世代の振る舞いをたださせたりしていては、新作戯曲、新演出、新解釈とは言えません。

 

私がすごく素敵だなぁと思うのは、なぜその性別なのか、なぜその職業なのか、どうしてその年齢設定なのかが絶妙で意味のあるものになっている台本です。

伏線の回収と言ってしまえば、それまでなのですが…

 

象徴的な意味でも、そして本人たちが気づいていないと設定される(俳優は自覚を伴ってやっているが)人間関係の中での役割だったり、環境の設定だったりです。

正しく、よくいろいろな人間のことを観察しているな、本当に、様々な境遇の人々の個人的な事情をよくもこんなふうに、まるで自分事のように具体的に1つの世界を作り上げているなぁと感嘆する時は、本当に嬉しいです!

劇作家の男性、女性の価値観、司法制度への問題提起、友情や家族間の関係性についての価値基準、あえて時代劇として設定したいたとしても、どんな意見を持っているか…

いまも話題の!家長制度への捉え方、あえてSFに設定したいたとしても、どんな方向性なのか

ご多分にもれず、演出家の特定の属性のマイノリティー問題、意識の当事者性や深さも見えてきます

意図的に、わざわざ、時間をかけて描くわけで、選んで効果を伴わせて、あえて他ではないそれら(設定やセリフやシーンそのもの等)を実行させているのですから……

 

自分の価値観や行動規範、そこからの自分像と他人像、そして世界観…..あらゆる立場で逃れることはなさそうです

 

そして、もちろん、俳優自身が、逆の人物を通じて、そういった他人をどのように共感しているか…

 

演出にしても、劇作にしても、演じることでも….本当にあらわになるものだなぁと常々思います。

 

本日のお勧め

https://www.netflix.com/jp/title/70236561

https://www.netflix.com/jp/title/80217669

私が最近とても気にいっているシリーズ。

 

ここに出ている俳優さん達は、実は俳優が専業の方が少なくて、皆さんモデルであったり、ラッパーで有名であったり、多彩な方が多いです。

シリーズの公開順ではなく、実際の制作順(サマーハウスが先、それからトップボーイ)でみることを実はお勧めします。

子役たちも本当に素晴らしいですよ。

 

10月は29日、30日の土日で、個別モノローグによる演技力アップの集中クラスを行います。

ご予約は本日から開始しておりますので、ご参加をご希望の方はお申し込みください。

いつも通り少人数なので、お早めにスケジュールわかっている方は、ご参加のお知らせをお願いしますね!楽しみです

 

 

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