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「感情的」と言われて嬉しいか?

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こんにちは、久しぶりにニューヨークで研修Part ①を受けてきた。演技コーチくわたかおるです。

ニューヨークの物価高はほんとでした、そして劇的な円安も強烈でした、つらいね!

 

さておき、

最近気になった記事があり、そこから考えたこと…

 

歌手や俳優の方、ダンサーの方、また、スタッフのような業務でも、作品に関わるからには、それぞれが、ある意味感情表現が豊かであることはプラスにもマイナスにも働くと思うのですが…

感情自体に良し悪しはないと思うのです。

人間だれしも、生きていれば、嬉しいことも笑っちゃうこともありますが、悔しかったり、恨めしい瞬間や、しょんぼりする瞬間もあるでしょう。

まさしく、自然だなと思います。

逆に、いつも特定の「ハッピー」や「満足」でいつづける方が、不自然!

 

そして、感情の起伏が激しく、日常もドラマティックにいろんな事件が起きている方が、それを職業病と思っていないかどうかも、ちょっと知りたいところです。

残念ながら、私の時代には、そういう不可思議な風潮が奨励されていました。

いま思えば、寝不足だったり、家庭の問題であったり、劣悪な労働環境や、非科学的なトレーニングやパフォーマーの乱暴な扱いであったり、それこそ体調不良です。

 

さて、

「演じる」とか「表現する」と言うと、すぐに感情的に大きな声で怒鳴りあったり、叫ぶシーンに満足感をえたり、ちょっと違う気がします。

はたまた、演技のクラスと言うものは、激しく、泣いたり、みんなで爆笑したり、興奮して騒いでいるしていると言うイメージの方…

 

…それ、ぜんぶ違うんじゃないかな?

 

私たちが能力発揮する場所は、「感情を丸ごと表すこと」であって、「感情的にいる」では無いのです。

お客様や見ている方たちに伝わるように、つまり、見えたり、聞こえたり、想像して、また、異なった視点から自分事として考えてもらったり、連想してもらいやすいように、いろいろな方法を使って提案することがお仕事。 

「感情的になっていつもがなり立てている」シーンばかりの台本は奇妙です(それ自体に意味があるならまた別)

「特定の感情だけを長時間、強調している人物が複数興奮している」演出の作品も、長時間見ていて辛くないですか?

 

特に、パフォーミングアーツ業界関連ではない方々が、「あの人ってほんと激しいよね、すごくドラマティック」とか「あんなに感情表現豊かで、びっくりした」と言うようなときには、どうにもこの、特に集団での「激しい興奮」であったり、半ば、健康が心配になるようなムードの変化などを、劇的であると呼ぶこともあるようです。

それでは、私たちは、フィクションの世界で、そういった紆余曲折のある人物を、限られた空間や時間に凝縮した時(映画でも舞台でも同じ)、私たち自身をそのように使わねばならないのでしょうか。

 

…そんな事はないと思います。

 

俳優や歌手に必要なのは、そしてプロであればあるほど、徹底せねばならないのは、

役の人物の「感情をまるごとつかう」ことであり、自分の都合で、1部分だけを取り出したり、体良く減らしたりしないことです。

作品の物語を通じて、「当事者としての様々な感情を表出させる」のであって、「感情的になって我を忘れる」と言う目的は無いのではないでしょうか。

そもそも、本格的に後から振り返れないほど、我を忘れてたら、段取りもめちゃめちゃ、危険をかえりみず、事件や事故の元にもなります。

あーぶーなーいー!!!

 

役という他人の心理面とでもいますか、精神生活、つまり、感情の変化を、丸ごとひっくるめて、ある意味疑似体験してもらうためには、自分自身の身体を丸ごと使うのですが、そしてもちろん、心も丸ごと動かすのですが、それは、特定の1つの感情を長時間、ハイライトしつづけることではないと思うのです。

そして、その感情的な部分と、1部セリフになっている思考とのせめぎ合いが、行動に伴っているからこそ、

「まるで、本当に実在するかのような人」

「実際にあたかもそこに入るように、信じられる他人」

として、作品の物語の中で見せて、聞かせて、想像してもらう、ことができるのではないでしょうか。

 

「感情的でいること」自体

が目的になっていないか、特に若手の方、プロを目指している最中の方、特にお若い方や悩んでいる方々はお気をつけくださいね。

 

「感情を丸ごと体験して、それを物語の中で十分に使うこと」

これが仕事なんです。

 

日常生活をはちゃめちゃにすることでは無いですよ!

 

本日のオススメはこちらです。

デンゼル・ワシントン主演だったかで映画にもなっているのでもう一度見直そうと思ってます。

こういった作品で、女性がたくさん出てくるものないかしら?詳しい方からのお知らせも待ってます。

 

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