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ドラマの基本構造と活躍する俳優の必須ポイント

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バレンタインには、多くの生徒さんやお友達からいろんなおやつをもらってホクホクした演技コーチ、鍬田かおるです。

ホワイトデーのお返し…今リサーチ中です。待っててくださいー。

 

さて、プロの方でも、またプロを目指す方でも共通の話題。

それは、ドラマの基本的な構造と言うものをしっかりとつかんでおくことで、お稽古が進みやすくなり、またリハーサル中の腹落ちもしやすくなるという点。

いろいろと立て込んでいたり、夢中になるがあまり、忘れてしまうポイントもあるかと思うので、本日はそこを書きます。

決して難しい内容ではないです。

ただ、当たり前で流してしまう演出家や監督の方もいるので、ご確認いただけるとうれしいです。

作品を面白くするのは、参加する全員の想像力や理解、思考や感情の変化でもありますよね。

 

「台本がちゃんと深く意味あるものとして、読み込めない!これじゃ、気持ちが動かないよー」

と悩まれる真面目で一生懸命な方

「もっと台本しっかり読み込んできてください」

と演出家や監督に指摘されて悩んでいる方

ご注目ください。

 

■ドラマの基礎構造

今日取り上げたいのは、まず前提、そしてシーンについてのワンポイントです。

・前提

ドラマ=変化です。

変化しないのに、ドラマがあるとは言えませんし、変化が全く伝わらないのに、ドラマティックだと形容をすることが難しいです。

日本では、かの名作「夕鶴」で有名な木下順二先生も、「劇的とは」と言う素晴らしい本を残されています。

では、変化とは何のことでしょう。

具体的には?

状況が変わるだけ?

気持ちが変わればそれでいい?

出てくる人が変わったり、時間が経てばいいのかな?

いえいえ、これら全てのものを含めてください。

例えば、誰かの目的が変わる、立場が変わる、動機が変わる…これら全部ドラマティックですよね。

仲の良かった友達といくつかの出来事がきっかけで疎遠になってしまったり、家族の病気や事故によって、それぞれの目標が達成できなくなったり、これまでになってきた役割が逆転してしまったり…

身近にもよくある例だと思います。

 

・変化

とにかく「変化」、これが劇=ドラマの前提であります。

もちろん世界には、この隙と言うコンセプトに挑んだ巨匠たちもいます、ただそれはこの前提を覆すと言う1種、特殊な取り組み。前提が共有されているからこそ、狙った効果が上がるものでした。

それでは、具体的には、どういった構造の特徴があるのでしょうか。

「A」が「B」になるのように、具体的に名詞が付けられるとなおスッキリしますよ! 例えば、「妻」が「母」になる。です。

「あ」が「い」になるというようにジャンル分けを混ぜないのが、混乱しないポイント。例えば、「夫」が「ラーメン屋さん」になる、だとよくわからない。

ここで、つまづかないようにお願いします。

 

①シーンの基本

・シーンについてのワンポイントチェック

原則として、2名の人間が出てくる場合は、その2名の人物は必ず何らかの対立関係にあると考えます。

対立していない人物を描くと言う事は、劇の前提を覆すことになり、劇的な効果が生まれにくい。

また、それぞれが目的に向かっているとしても、例えば2名が両方とも同じ目的を持っていって、同士のような形で、主人公の場合は、この後で、何らかの対立するものに対面することにならねばならない。 

 

例えば、先日やったエチュードは、何が対立していましたか?

実際のお金の利害関係?

誰か好きな人と嫌いな人?

子供のままでいたい人と、早く大人になりたい人?

 

私がよく見かけるのは、会話できなどで、家族や友達同士や先輩や後輩、職場の関係者などが集っているシーンの時、なんだか雑談風?になってしまっていて、誰も対立していないと言う残念な台本の解釈及び役作りや演出。

それぞれの人物が、個人的な事情があって、目的に向かっていると、そんなふうになるはずは無いのですが、特に会話に使われている言葉が、日常生活風なものだと、つい油断してしまうのか、あまりにも日常に近く慣れてしまっている感覚で、緊張を忘れてしまうのか…

対立関係が見えも聞こえもしない時があります。

こりゃ、アカンわぁ!

 

例えば、同じ人物の何らかの事情による死/行方不明に関して

「そんなはずはない!きっとどこかで生きているはずだ!」

といくつかの事実を否定する人と

「そうだったのか、どうしていなくなってしまったんだ」

と事実を受け入れて、色々と考える人と

両者それぞれの考え方や感じ方や世界があると思います。どちらが良いわけでも、悪いわけでもなく、単に別々の人間と言うだけ。

これも1種の対立ですよね。

対立と言うと、怒っているとか不満であると言うふうにイメージを持ってしまうかもしれませんけど、決してそんな事はなく、異なっている、別の方向向いていると言うような意味で考えていただけるとクリアになると思います。

 

もし、作品のレベルに問題がなく(人物描写がある程度しっかりしていて、上演に値する台本)、自分がキャスティングされたとして、もしも対立してるように見えないとしたら…

焦りますよね!!

 

そういう時は、

言っていること」ではなく「言われていないこと」

そして

「やっていること」ではなく「やっていないこと」

の中から、対立している構造がないかチェックしてみてね。

シーンの中で、実際の言葉にされているセリフには、はっきり書かれていなくても、シーンにはなっていない部分で対立していて、それが心理の面で、つまり腹の底で流れていて、実は対立していたなんてことがよくあります。

こういった関係性に気づけるのが、感覚の良い、そしてよく人間を普段から観察していて、そして自己洞察の深い良い演じ手、俳優や歌手だなと思います。

自然でイキイキした演技もここから、です。

みなさん、進みましょう。

 

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