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演じるとは「行動する」ことだから-行動のススメ 

あっという間に、寒中お見舞い申し上げます、と言うお知らせをいただくようになりました。

実は自分のためにも、毎週のオンライン運動クラスは欠かせない!演技コーチの鍬田(くわた)かおるです。

 

私、実は日本ではこれまで、20年ほど、劇団の養成所や研修所、様々な専門学校や芸能事務所等でも教えてきましたが、音楽やダンスと比較して考えればおかしさに気づくはずなのですが、そもそもの「演技」を、

・願えば叶う!-強く願うことが中心のメンタル論

・千本ノック-稽古場12時間缶詰!のような根性論

・芸は盗め!-まずは模倣と型から入る弟子入り式

 

など、狭めすぎて極論で解釈したり、既存の芸能や娯楽の様式の枠組みに当てはめたりする傾向はいまだに散見されます。

一体どういうことなんかいな?

と思うことも多々あり、サプライズに事欠きません。

(ここで日本の近代及び現代の演劇及び演技法の普及については書きませんが…)

 

さて、

・劇(台本・ドラマ)の設定の状況において、

・特定の場所や時間と言う枠組みの中で、

・相手に影響され、また自分も相手に影響しながら、

・「行動する」のが現代のスタンダードな演技の根本です。

ヨーロッパでもアメリカでも、おそらく他の国でも…(他の国に詳した方々教えてね!)

これって、とてもシンプルだと、私は感じます。

(簡潔という意味であり、簡単ではないです。)

 

そして、現実の生きている人間たちの仕組みと、近しいですよね。

結果・結論(未来)は決まってはいないけれども、それまでの様々なプロセスで、(特別な事故や病や災害や事故など)がない限り、全てではないが、ある程度の結果・結論(未来)が形作られていく…

(ただ現実の場合、いつでも目標も目的も変えられますし、プロセスも自分で選べることと、選べないことの幅が非常に広くまた人それぞれの固有差も大きいです。)

そんな中、本日フォーカスしたいのは、フィクションの世界でのお話、作品作りとその準備のお話です。

演技では「行動できる」= Actionableが鍵🔑

 

◼️かおるのちょっと残念な例

私、実はダンスのトレーニングの方が、子供の頃のスタートも早く、期間も長かったんですね。周囲の勧めもあり、バレエ教室なども渡り歩きました。

ただね、週1.2回だけクラスに通う子なんて、趣味レベルです。

コンクールに出るような子たち、プロになっていった子たちは週に4日、5日もやっているわけです。しかもトップ2つのクラスを2つ続けてとっている。私みたいにたった週2回、1クラスだけ出てるわけじゃないんです。(しかも家にスタジオがあったりする子もいて…うらやましい限りです)

さて

ある時、今も尊敬している(故)素晴らしい先生がおっしゃいました。

「かおるちゃん、もし発表会に出るんだったら、週3回は少なくともクラスに来られないかしら?振り付けも間に合わないし、なかなかちょっとね…難しいと思うのよ。」

本当にお言葉通りだと思います。

そして言ってくれてありがとう。

 

そうなんですよ、子供でも、人前で見せるからには、全員がある程度できるようになり、しかも予定を整えて、色々と調節するには、練習やリハーサルの時間がかかるんですよね。

「自分のペースで学んでいてはプロにはなれない。」

「たまたま自分の周囲にいる方々のペースがプロのレベルとは限らない」

を何度も実感させられました。

 

だからこそ、今も活躍してらっしゃる方がそこにいた、何度思い出しても光栄なことです。

 

スパルタ!が良いという意味ではなく、

特定のカリキュラムや第一線で学び続けている専門家やプロの判断基準を優先しない限り、そこにはとても追いつかないということ。

「長年の好きと言う気持ち」や「稀に見る非常に強い憧れ」、「誰にも負けない勝気な態度」には代え難い

「行動」

の積み重ねがあるんですね、しかもそれが質や他の要素と掛け算になってる。

「行動の量」‼️

は「素晴らしいクラスだから参考にする」とか「先生の言うことが役に立った」などと言う言葉だけではとても表しきれない爆発的な力を発揮します。

今も変わらない面があると思うのですが、「どの教室に通うか」、「どの先生に習うか」も、あらゆる意味で非常に大事であるのは当然です。しかし、当の本人が行動の量を増やさなければ、効果がなかなか上がらないのも当たり前なのです。

「気持ち」、「情熱」、「やる気」などは、音楽やダンスやスポーツなどと同じように、様々な特殊技能(スキル・技術)があって初めて他人に見えたり、聞こえたりが可能になるわけです。

文章にして整理すると当たり前だとわかるのに、当事者になってみると、自分の気持ちや好きと言う憧れは、過剰に評価し、専門家の言う必須な練習量や準備のプロセスについては、(ひどい方をすれば)素人判断してしまうのです。

「行動の量」

これがいろいろな要素と掛け算になるのだ、ということは、これが0なんてのは論外で、2や3では掛け算してみても、なかなかかな大きくなりにくいのは想像できると思います。

今はインターネットで何でも検索できますし、YouTubeやいろいろなSNSでも、「結果」を見たり聞いたりすることができます。ただ「行動し続けていると言うプロセス」を目撃し続けることも難しく、また裏側まではわからないものです。

「ある特定のレベルに達するまでの習得に時間がかかる」からこそ、今すぐ始めねばならない。

そんな基礎が、演技だけではなく、ダンスや音楽、それこそいろいろなジャンルに共通しているのではないでしょうか。

 

●演技の中での「行動」の解説

本当に達成したい目的がある時、どうしても今じゃないと困る、ここでなければと言う目標がある時、「行動」の量は当然増えます。これは実際の世界と同じですよね。

劇と言うものの性質上、もちろん時間や空間は凝縮されていたり、シンボルや隠喩などによって間接的に表現されていることもありますが、

「行動」の数というか、量と言うものは測れますし、お客様側(演出家や監督も)からも見えたり、聞こえたりして、把握することが可能です。

例えば、

役の人物が、

1時間後までに、自らのキャリアをかけた、広報活動のために、ホテルの下のレストランで、元夫と食事をしなければならない

と言う設定があったら、そのために必要なこと、全てを頭の中でシュミレーションもするでしょうし、最後に会話したときの葛藤や軋轢なども鑑みた、内面になると思います

来週でも良いような設定にはしないし

別のレストランで構わないようなゆるい設定もしない

ましてや、

「ちょっと」大事な広報活動のようなものは目標にならないですし、

「少しわだかまりある」元夫なんて設定をしようものなら、緊急性も重要性も薄れてしまいます。

研究で重要だからこそ、相手や周囲の方々に次々と働きかけることになり、場面も展開し、気持ちも動き、周りからの働きかけも自分に返ってくるんですね。

だからこそシーンは進み、いろいろな出来事が起き、コメディーだろうが、ヒューマンドラマだろうが、サスペンスが生まれたり、関係性が変化したり、それこそびっくりするような展開になったりするわけです。

ということは…

「おおよそ思い通りに行けそうなことしかしない」時点で行動の量は足りていないのでは?と推測できそうです。

「自分のペースを乱されない範囲で」の取り組みは、緊急性や重要性が低いのかもしれません。

 

俳優や歌手の方々を始め、みなさまのお役に立つと嬉しいです。

 

2024年1番最初のクラスは、「自分事でしゃべる」モノローグとスピーチのクラスです。

課題の相談は事前に個別でできますので、ご安心ください。

オーディション課題、リールの材料、昨年の作品でモヤモヤしているもの、自分ではなかなか練習が進んでいない作品など…どうぞざっくばらんにご相談ください。

いつも通り少人数制でのクラスなので、ご予約はお早めにお願いします。

はじめての方はプロフィールや近況などもお知らせくださいね。よろしくお願いします。

 

自分が演じるために役つ立つ練習方法をがっちり掴みたい方、俳優だけでなく、歌手や表現力を磨きたいナレーター、声優の方も歓迎です。

実際の台本の抜粋を、立って、お一人ずつ「しゃべって」もらいながら、いろいろな感情や想像力を活かす練習をしてもらいます。

実際のテキスト(台本)の抜粋をつかって、それぞれ個別に演じてもらい(「しゃべって」もらい)、サイドコーチングさせていただきながら、役の解釈を「広げること」と、必要に応じて「絞ること」の両方を行います。

https://kaorukuwata.com/realmonologuesspeech2024/

 

■講師から参加者の方へお伝えしたいメッセージ
演じることは「行動すること」です。
演じるために信じこもうと身体を緊張させ、力をこめて、一点を見つめたり、息を詰めることは努力でも「集中」でもありません。
これは私が20年以上前、イギリスの演劇学校の授業やさまざまなで、演出家やコーチなど、複数の先生方から繰り返し指摘された「基本」です。
よけいな「構え」は窮屈さや苦痛へ繋がります。いろいろな種類の「構え」のフリをしていては、なかなか感情も動きません。
あなたに「才能」がないからではありません。これは身体だけでなく「思考」も同様です。

「役の個別の事情」に迫る方法を整理して、どんどん内容に向かっていける具体的なトレーニングをしてみませんか?

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