新年会のお誘いが嬉しい、演技コーチ 鍬田かおるです。
日頃、なかなか時間が取りにくい年末年始ですが、現場や打ち合わせだけでなく、皆様とお会いできるのはとてもうれしいです。
さて、本日はどうしても気になるあのダメだし…
誠実に演じているのに「浅い」「伝わらない」と言われる理由
フリをしようとしているわけじゃない。
誠実にやっているつもりなのに、なぜか「浅い」「伝わらない」と言われる。
この状態に、心当たりはありませんか。
私自身、自分のイメージしてる様子と、実際の見られ方にギャップがあるなと、子供の頃からずっと悩んでいました。
その上、経験を重ねてきた俳優や表現者ほど、
成立はしているのに、手応えが薄い。
以前より安全な演技になってきた気がする。
そんな違和感を抱えたまま、次の段階に進めずにいることがあります。
しかも、今の時代、赤裸々に指摘してくれる演出家や監督はいません。必ずしもハラスメントを恐れてのことではなく、言葉で通じないと言うことのほかにも、現場に時間がない、リハーサルの時間が潤沢に取れないという経済的な制限もあります。
だからこそ、自分自身がしっかりしていかないと立ち行きません。
問題は「表現」そのものではありません
多くの場合、問題はテクニックや感情量ではありません。
自分ごととして立てていないとき、
人は無意識に
「どう見えるか」
「どう聞こえるか」
に注意を使いすぎてしまいます。
その結果、
・成立しているかを確認する
・評価を先に想像する
・安全な言葉や反応を選ぶ
そんな回路が働きます。
これは怠けでも逃げでもありません。
立ち位置が、まだ定まっていないサインです。
これが、ついフリをすることを、巧みに頑張ってしまう、いわば「間違った頑張りの方向」につながります。
「フリが上手い=演技が上手い」という誤解
以前、
「フリするのが上手くなれば、演技も良くなると思っていた」
そう話してくれた方がいました。
まぁ、その誤解が解けただけで良いのですが…
さて、本題、しかし、「フリをうまくする」とは真実じゃないと実は納得していると言うことですよね。
本心でもなく、実際に感じているわけでもない状態です。
想像はしてるのかもしれないですが、それは外側のことであって、実感を伴っていないのです。
もちろん、状況は把握もしていて、段取りも前後の関係も想像しているのでしょう。
しかし、それっぽく見せる技術が先に立つほど、
俳優自身の具体性は後ろに下がってしまう。
例えば、いかにも泣いてるように肩を振るわせる所作の練習は、実際に当事者として辛い気持ちを疑似、体験することとは異なるのです。
ただ、難しさは、肩を震わせることがきっかけで、辛い気持ちをより感じやすくなると順番もあり得るということです。(別記事で解説します。)
ともあれ、多くの場合、先に「そう見える」「そう聞こえる」ための振りを優先しすぎると、その結果、演技は成立していても、
どこか他人事に見えてしまいます。
よくあるしらじらしい嘘泣き
残念な大げさなびっくりした表情
どこか固まっているぎこちない姿勢に代表されます。
自分ごとで立つとはどういうことか
自分ごとで立つ、とは
「今の自分」が
この時代に
この場所で
この状況に置かれていたら
どう感じ、どう振る舞う可能性があるのかを
具体的に想像できている状態のことです。
自分を具体的に想像できていないと、
人はどうしても外側の正解に寄りかかってしまいます。
しかも、手っ取り早く感じられるので、(実際には手間がかかるのだが)誰でもやってしまいやすい。
むしろこれを教えている人がいる位です。(私の先生のスクールや、私が卒業したイギリスの演劇学校、研修を積んだアメリカのスタジオではそのようなことはなかったです。)
自分ごとには三つの地点がある
自分ごとで立つためには、次の視点が欠かせません。
・時代が違ったらどうだったか
・場所が違ったらどうだったか
その上で、
1 あり得たかもしれない過去
2 あり得るかもしれない未来
3 ありそうとも、なさそうとも言い切れない現在地
この現在地に、俳優自身が立てているかどうか。
ここが定まると、
・声の出方
・言葉の重さ
・間
・身体の反応
が、意図せず変わり始めます。
フィクションの世界というフレームを借りるのですが、実際に疑似体験するのは演じ手本人になります。
だからこそ、丁寧にやる必要があり、身体や声を日ごろからチューニングしておくことが重要になっています。
感情を足す前に整えるべき前提
演技が浅く見えるとき、
多くの人が「もっと感情を出そう」とします。
しかし、それこそ、当の本人が全くやっていないことですよね。
この矛盾に気づきましょう。
必要なのは、感情を足すことではありません。
自分ごととして立つための前提を整えることです。
前提が立てば、
感情は無理に足さなくても、自然に立ち上がります。
これが私がこの10年、15年、様々な角度からアプローチしてきた方法です。
必ずしも特定のいわゆるメソッド、なんだか有名そうな、お名前のついたエクササイズをやることから、引っ張ってくる必要ないのです。
もっと実践的、かつ現場に即した展開が可能です。
モノローグは「自分ごと」を確認するための道具
それこそ、モノローグは、
上手く見せるための課題ではありません。
自分が
どこに知って立っているのか
何を引き受けているのか
何をまだ引き受けきれていないのか
それをはっきりさせるための、非常に正直な素材です。
舞台のみならず、映像で活躍される方にも、ある程度の量をありありと、自分事で感じながら喋っていける…
この手ごたえをぜひ感覚的にも捉えて、次に活かしていただきたいです。
シーンをどんどん展開させていく準備が整うと、演じ手自身ものびのびして、キラッと光る瞬間が増えていきます。
1月 少人数制 モノローグ演技クラスについて
1月の少人数クラスでは、単純に、ヒステリーや興奮、既にある感情を足すことはしません。
モノローグを使い、自分ごととして立てているかどうかを
徹底的に確認します。
・成立はするが、手応えが浅い
・以前より安全な演技になっている
・評価より一段深いところに入りたい
そんな段階にいる方のためのクラスです。
プロ及びプロを目指す方のための二日間です。
私について
私は、著名な監督でも演出家でもありません。
だから、一人ひとりの演技に徹底して向き合えるんです。
プロとして活動している俳優や表現者が、
もう一段、突き抜けるためのトレーニング。
そして、プロを目指す方が
最初から現場基準で基礎を積み上げるためのクラス。
特別に考案したエクササイズやムーヴメント、
台本読解、モノローグ、シーンを通して
「自分ごととして立つ力」そのものを鍛えます。
クラス詳細
1月 少人数制 モノローグを使った演技クラス
1月25日 (日)
1月26日 (月)
13:00–16:00
世田谷区内スタジオ
映画・舞台・ミュージカル対応
年間を通じて、複数の少人数制クラス・プロのための個人レッスンあり
詳細・お申し込みはプロフィールリンクからご確認ください。
演技トレーニングは現場基準で。
1月のモノログを使った少人数制のクラスの詳細はこちらです。
モノローグが「自分ごと」になると演技は変わる|1月25・26日 少人数制・実践クラス
他にもこのような記事で、演技の都市伝説のひもときやよくある誤解を解説しています。
お役に立てれば幸いです。
目的が曖昧な演技から抜け出すための4つの鍵 – 行動に熱が宿らない理由と、リアリティある目的のつくり方とは?
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大切にしている指導の軸
幼少時から芸能事務所に所属し、俳優を目指し、ダンスや音楽のトレーニングを受け、また演技の私塾を経てイギリスへ留学しました。30年以上の演劇経験、ロンドン大学・ロイヤル・セントラル・スクール・オブ・スピーチ&ドラマ演劇学校大学院を卒業。正規のアレクサンダー・テクニーク教師としての専門性、ムーヴメント指導の経験を統合しながら、これまで1,900名以上の俳優・歌手・ダンサー・声優・ナレーターも指導してきました。
今回のクラスでも、表面的な形ではなく、交流が自然に生まれる“仕組み”とそれを演技に活かす方法を身体のあり方から、丁寧に扱っていきます。
また、限られた時間内に結果を出すための、実践的な指導に重きを置いています。
いずれのクラスも、これまで活動されてきたジャンルを問わず、また演技経験の長短ではなく、もっと現場で結果を出したい方、しっかりスキットしていきたい方がもっとも伸びやすい内容です。
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演技コーチ/ムーヴメント指導・演出・振付/IDC認定インティマシーディレクター/STAT認定アレクサンダー・テクニーク指導者/スピーチ&プレゼンテーションコーチングActing Coach/Movement Direction/IDC qualified Intimacy Director/STAT certified Alexander Technique teacher, mSTAT, Movement Teaching/Speech and Presentation Coaching




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