「難しい!」…それは思わず出てしまう便利な言葉。
「難しい」と言えば、いろいろ収まる…のかな?
ホントに?
昔々、ロンドンのアレクサンダー・テクニークの教師養成コースにVという素敵な50代の元バレリーナがいましたとさ。可憐なバレリーナ引退後は、ジャズダンスなども踊れる先生になり、英語を教え、事務仕事をし、乗馬をし、才能あふれるスーパー・ウーマンとして2人の息子を(ほぼ)一人で育てあげ、アレクサンダーの先生になるために教師養成コースで研鑽を積んでいたのです。
私がVに会ったのはVが最終学年3年目のとき。
私はヒヨコでただレッスンを受けていることが多かった。^^;
そんなある日。
よき先輩であったVの査定があり、新しい一般の(学校外)生徒に初めてのレッスンをするという設定で、校長先生含め、みんなが監督する中レッスンを展開する、そんな教育実習課題の時間…(辛い?)
Vは緊張したのか、ピリピリしていた、おおぅ、元バレリーナよ!
「(査定審査・試験での)レッスンは一種のパフォーマンス」と演劇科出身でババクサい私は悟っていたのだ….
なんか嫌な予感したけど(笑)校長から厳しい目で査定されながらも、Vは生徒さんにレッスンの説明やテクニークの原理を解説し、アレクサンダーの個人レッスンが熱心に進んでいったんですね…
いや、そう見えたのよ!
…けど…そうでもなかったの! 泣
先輩V「…はい、首の緊張を解いて。そうそう。あのね、こうやって自分の癖に気づいて、余計なことをせずに、じっと座っているのはとても難しいんだけど、こうやって自分がやっていることを観察して、からだの様子を…」
と生徒にレッスンを実地で進めながら、話をしていったV。
協力的な生徒(役)「オウ、イエス、イッツ OK。」と微笑。
素直にVの説明を聞いて指示に従う、有り難い生徒(役)の様子は平和にみえた。
でもね
ヒヨコKaoru(ああ、やっちまった!…チーン
ヒヨコKaoruの悲しい予感は当たり、 いつもはおっちょこちょいの髭校長がイスの上で体重を移動し怪訝そうな顔でメモを取ったとき、
ヒヨコKaoru(こりゃダメだ!Vちゃんピーンチ!)(-_-;)
と心で泣いたのでした、ちゃん、ちゃん。
その後、Vが2階でみっちりと叱られている間、ヒヨコKaoruを始め、みんなは粛々とオヤツを食べて待った、そんな暗い記憶。(苦笑)
みなさん、おわかりでしょうか?
2階から降りてきた怒りの髭校長、着席するなり、
「あのね!怒 😠『難しい』って何なの?!『じっと座っていることが難しい』と言ってたけど、一体誰が?誰にとって『難しい』んだよ?!『余計なことをせずに、じっと座っているのがとても難しい』のはキミだろう?! 😡 あの生徒はそんなことなかったじゃないか?!ちっとも彼には難しくなんかないんだよ、そんなこと!見てないのか?気づかなかったのか?キミが難しく『感じてる』だけじゃないか?!何言ってんだ!(怒)」
…ドーン ☇ 雷が落ちました。。
こんなに不味かったティータイムも珍しい。泣
そうです…
Vは自分が苦手なことは生徒はもっと苦手に違いないと勝手に決めつけ、「難しいこと」としてレッテルを貼ったのでした。悪気はなかったはずですが、結果、生徒は自分がやっていること、そしてこれからやることは「なんか難しいと思うべきことらしい」と受け取ったのです。
そりゃ、マイナスからのスタートだわな。
ヒヨコKaoru(お、恐ろしい。。。)
ダメじゃん、先輩っ!
そして
髭校長!怖すぎっ!
(普段、私にはかなり朗らかでヒョウキンで愉快なおじいちゃんですが 笑)
「難しい」と思ったとき、『誰にとって難しい』のか、考えましょう。
「難しい」と言いたくなった時、「誰が?あ、これ自分の感想かな?本当に難しいことなのか?」それとも「難しいと感じているだけな?」とツッコんでみよう。
ああ、恐ろしかった。
おかげで私は学べたので、結果、オーライですが。。。
その後、Vがウジウジしていたことも辛かった。
主語を考えないと「一般化」してしまう危険を身をもって知った日でした。
プルプルッ。
今日の写真は「難しくない」シュノーケリング@モルディブ💛
演技コーチ/ムーヴメント指導・演出・振付/IDC認定インティマシーディレクター/STAT認定アレクサンダー・テクニーク指導者/スピーチ&プレゼンテーションコーチングActing Coach/Movement Direction/IDC qualified Intimacy Director/STAT certified Alexander Technique teacher, mSTAT, Movement Teaching/Speech and Presentation Coaching
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