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「セリフに気持ちは『のせないで』ください?」— これが演技のリアリティを変える

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セリフに気持ちは「のせないで」ください!

⁉️

「えっ?」と思いましたか?

でも、この意味がわかった方は、一気に演技が変わります。

「もっと気持ちを込めて!」が逆効果?
俳優なら誰もが一度は聞いたことがある、このアドバイス。

でも、実は世界のプロの現場では 「もっとシンプルに」「自然に」

と言われることのほうが圧倒的に多い。


なぜ、日本と世界でこんなにも演技の指導法が違うのか?

そうですよね、私も芸能事務所や俳優教室で言われたことがありますし

日本での学生時代にも、著名な 演出家の方からも「 もっと 気持ち込めて」 というような 言い回しで指摘されたことがあります。

しかし、 舞台 芸術や演劇の本場イギリスで 8年 正規留学し、 あちこちで20年以上、プロの俳優を指導してきた経験から言えることですが、 

この「 セリフに気持ちをのせよう」ほど 邪魔になっているものはありません。

この「 セリフに、もっと思いを込めなきゃ!」 ほど幅広く誤用され、 多くの方々を縛り付けてきた印象が強くあります。

 

残念ながら、いかにもともと恵まれていようとも、私たちは人間です。 人間の仕組みに反して、フィクションの世界だからといって、 無理矢理に「感情を乗せよう」とするほど、不自然な演技になってしまう人はとても多い。

なぜなら、演技のリアリティは「感情を出そうとがんばること」ではなく

「 事実と事実から推測できることに対して、個人的に行動していく過程」

で生まれ、変化していくからです。

これはオーディションでも同じです



「もっと気持ちを込めて!」で失敗する理由

「セリフに気持ちをのせるんだ」
「もっと感情を込めて!」
「気持ちをしっかりふくらませて!」

こんなアドバイスを受けたこと、ありませんか?
でも、実際のオーディションや撮影現場では、この方法ではうまくいかないことが多い。

ズバリ言うと、かなり白々しい、ともすると、だいぶクサい….

せっかく、一生懸命練習したつもりが、逆効果になっているのです

このジレンマ、もうやめませんか?

私も「 気持ちが足りない」 叱られ、「 もっとセリフに思いを託して」 とダメ出しされていました。

そして、この20年間、多くの俳優たちが、ジャンルを問わず「 セリフに思いがこもってない」「 気持ちが出てない」 と悩み、「 もっとセリフに感情を当てて」 などと不思議な指摘をされてきているのです。

もしかするとあなたも、一生懸命がゆえに、さらに、こんな経験をしたことはありませんか?


✅ オーディションで「いいねー」と言われたのに、なぜか役に選ばれない
✅ 監督に「もっと自然に」と言われても、何を変えればいいか、実はわからない
✅ 舞台では手ごたえがあったのに、映像の演技になると「クサい」と言われてた!
✅ 周りから「頑張ってたよ」と言われるが、リアリティが感じられず、つらい

この違和感の正体こそが、「セリフに気持ちを乗せようとしすぎている」こと

残念ながら、上に挙げたような言い回しの全てが同じグループです。

日本では…
✅ 「もっと気持ちを込めて!」
✅ 「感情をしっかり乗せて!」
✅ 「もっとセリフに思いを込めなきゃ!」

でも、世界のプロフェッショナルはこう考えています。
✔ セリフは「乗せる」のではなく、個人の心象風景から具体的に「反応の結果の一部」として出てくる」もの
✔ 感情は「作る」のではなく、もともとうごめいていて活発で、その「結果として出てくるもの」

そもそも私たちは、重要な決断を迫られたり、普段とは違うような行動を取らなきゃいけない時、「 気持ちを出そう」 なんて意識してないですよね。

「 自分ごと」のとき、 私たちは欲しいものや恐れているもの、ずっと貯めてきた感覚や理由がたっぷりあって、 願望や理性と混ざってむくむくしています。

そのぐるぐるとした、いわば フィクションの世界だけれども、個人的な真実のある「心象風景」がめぐるめいてるところで、何らかの刺激をきっかけに、いわば「モレ出てくる」「しみ出て」くるものです。

この仕組みこそが、普段の私たちにより近い、現実とは異なる 作品の世界だけれど、個人的な感覚的真実に根ざした、 説得力のある物語、そして演技につながるのです。

 


「感情をがんばる」より、まずは役の「中身をいっぱい」にする

演技は「感情を作ること」ではなく、台本に書かれている事実を個人的に解釈すること

さらに言えば、書かれていることから、書かれていない部分を膨らませて、想像すること

より具体的に、より感覚的に、 身体まるごと具現化するんです、

「ただ状況に反応する」 だけでは物語が展開しません。

 

日常生活の延長で、ただ反応しているだけじゃなくて

作品の世界観で、役の人物の個人的な事情を踏まえて、 実際に

・意図や動機をもって

・目的や目標をもって

・行動して、応答して、働きかけていく

ここから、リアリティーのある、「役としての行動」がスタートします

そうなんです


✔ セリフは「出そうとする」のではなく、「言わずにはいられない状態」で生まれるもの
✔ 演技のリアリティは、感情をコントロールすることではなく、「今ここにいること」から生まれる
✔ 演技力があるはずと自負してしまう方ほど、「もっとシンプルに やって」「 一生懸命ならわかるんだけど、なんだかよくわからない」と言われてしまう理由はここにあります」

実際の現場では、


「もっと感情を込めて!」

ではなく、


「まず状況をはっきりさせて、 伝わるようにして」 「相手の言葉をきいて」


と言われることが圧倒的に多い。

この違いを体感すると、演技の見え方がガラッと変わります。

💡「この違和感、みんなはどう乗り越えた?」
「なんでうまくいかないんだろう?」
「頑張ってるのに、何かが違う気がする…」

 


演技の違和感

上のようなつぶやきを、これまでしばしば感じたことがあるなら

あなたの演技は次のステージへ進む準備ができています。

・ 「 自分では準備したつもりが、現場で言われた言葉がしっくりこなかったこと、ありませんか?」
・ 「 一生懸命やったのに、演出家や監督の指導に違和感を覚えたこと、ありませんか?」
・ 「今まで自己流でやってきたけど、 もしかして…?限界を感じている?」

そんな経験があれば、ぜひ聞かせてください。
あなたの「何かが違う…」という感覚が、次のレベルに行くための鍵になります。 

違和感を感じるのは、あなたの欠点ではなく、もう初歩ではない「 成長のしるし」です。

 


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この演技の違和感を「体感的に理解する」には、実際にやってみることが一番早いです。

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