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楽しめなくなっていた表現が、もう一度楽しくなった理由──俳優・歌手のための身体からのアプローチ

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指導歴20年、演技コーチであり、アレクサンダーテクニックの正規指導者である鍬田かおるの生徒のお声です。

こんにちは、日本で初めてF.Mアレクサンダー著の「自分のつかい方」を日本語に翻訳し、2010年に発表した演技コーチ、鍬田かおるです。

アレクサンダー・テクニークの正規指導者として、2003年にイギリスで認定され、それから22年間にわたって、日本を中心に指導を続けております。台湾でワークショップをしたことも。またヨーロッパ以外の国でも、ゲストティーチャーとしてトレーニングスクールを訪れております。

さて、本日は、好きだからこそ始めた音楽、ダンス、演技などの方々の手ごたえのご紹介です。

長く続けているからこそ、そしてプロだからこそ悩む部分、ありませんか?

そんな時、いろいろなタイミングや状況が重なって、苦しくなってしまうことも。

私自身、その昔、モヤモヤしたままイギリスの大学へ留学していたので、そういう気持ち、わかります。

今日は脱皮している個人レッスンの生徒さんの声を共有いたします。

 

頑張っているのに、なぜか楽しめない

舞台や稽古の場で、自分なりに一生懸命やっているのに、なぜか楽しめない。
うまくいっているはずなのに、息が詰まるような感覚がある。
そんな経験、ありませんか?

声は出ている。技術的なこともそれなりにできている。
それなのに、終演後や本番前になると、何かが重くのしかかる。
「自分は向いていないんじゃないか」と思ってしまう瞬間もある。

そんな時、必要なのは“テクニックの足し算”ではなく、
いまの自分と向き合うための“引き算”かもしれません。

ここに一歩踏み出せると、解釈も感覚も変わっていきます。

 

変わらなかったのは、自分が悪いから?

私の個人レッスンをスタートされた方は、長年の活動のなかで何度も壁にぶつかり、
「もっと努力すべき」「考えが甘いのでは」と自分を責め続けてきました。

過去に歌の先生から厳しい言葉を受けたことも、
「頑張りが足りない」と思われた経験も、
ずっと心の奥で引きずっていたそうです。

でも彼女はある日こう言いました。

「こだわり続けていたのは、実は自分だった。
でもその殻を破ったのも、自分だったんです」

 

入り口は身体、変わったのは“自分の軸”

このレッスンでやってきたのは、まず身体の使い方と発声の見直し。
無駄な緊張や習慣的な力みを手放すこと。

つい無意識で構えてしまっている緊張のパターン=防衛の一部

である事は非常に多いです。

けれど、変わっていったのは技術以上の部分でした。
呼吸や声の出方が変わることで、
「今、ここにいる自分」を受け入れる感覚が育っていったのです。

「私はそんなつもりじゃない」
「わざとやったわけじゃないのに」

そう言いたくなるような時にこそ、
自分を他人事にせず、淡々とやるべきことに向き合う姿勢。
それが“自分の軸”を育てていきました。

そうなると、どうしても入れなくちゃと思い込んでいた余計な力や、つい無意識に頑張って張ってしまっていた緊張のパターンを手放す体験がどんどんできるようになっていくんです。

 

声だけじゃない、まわりの反応も変わった

楽にすーっと声が出るようになったことに周囲が驚き、
舞台でも「この1年で別人みたい」と評価されるように。

「明るくなったね」「はつらつとしてる」
「若返ったみたい」と言われたことが、
自分の変化を実感するきっかけにもなったそうです。

そうなんですよね、感じたくないことを感じないで済むように、どんどん身体を固めても、息をひそめても、本質的には変わらない。

だからこそ、引き算が必要だったともいえます。

さらに、ご自身に対してこんなふうに語るようになりました。

「今なら一緒にやってる人たちを、自信を持って引っ張っていける気がする」
「昔なら飛び込まなかったような企画にも挑戦したくなる」
「協力したいと言ってくれる人が増えてきた」

本当に、素敵です。

変わったのは声や身体だけではありません。
舞台に向かう気持ちも、日々の身体との付き合い方も、根本から変化していったのです。

これを最初から狙っていたわけでは無いですが、結果としてとてもハッピーな方向に向かったのではないでしょうか。

表現がまた“楽しい”と思えるようになるために

私の個人レッスン、特に身体からのアレクサンダー・テクニークレッスンは、依存でも治療でもありません。

誰かに直してもらうのではなく、
自分で自分に向き合う時間。

そして、“身体から自分のパターンを変える”という地道なプロセスを通じて、
自分を信じられるようになるため、もっと能力発揮していくためのサポートです。

「本番が楽しめない」「なんだかいつも身体が痛い」「頑張らなきゃと思ってるのにうまくいかない」
「表現に疲れてしまう」「頑張ってるのに、なんだか気が晴れない」「空回りしてるかも」
「周囲の期待に応えるばかりで、自分が空っぽに感じる」

そんなモヤモヤを抱えている方は、ぜひ一度ご相談ください。
あなたの中にある“楽しさ”を取り戻すきっかけは、
すでに身体の中にあるかもしれません。

プロとして、じっくり向き合いたい方へ

身体の使い方や、注意の向け方から、グッと演技を立て直していきたいと感じている方へ。

変化には時間もかかりますし、すぐに手応えが得られない日もあるかもしれません。
でも、なにかが“間違っている”のではなく、
これまで築いてきたものを「次の段階」に進めるタイミングかもしれません。

私自身、20年以上指導していますが、日々発見があります。

もちろん、生徒さんである俳優や歌手の方、ダンサーやナレーター、声優の方たちの発見だけでなく、自分自身のパターンや思い込み、癖について気づかされることも多々あります。

もし今、その一歩を考えている方がいらしたら、グループクラスでも、個人レッスンでも、必要に応じてサポートできます。

焦らず、確かな言葉と身体を取り戻して、イキイキ活動していきましょう。

 

●こちらの記事もお役に立てれば嬉しいです

『動けない』『伝わらない』演技を、身体から変える方法 ─演技力を上げる前に、身体の止め方を見直すべき理由

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