NT Live巨匠アーサーミラーの名作戯曲「みんな我が子」が!

「最高で感動した」、「超泣いたよ~!」、「わあ、すごかった~!」

と無条件に喜んでいる方は、以下、読まない方がいいかもしれません。

私はもちろん巨匠アーサー・ミラーの大ファンです。

20世紀を代表する天才的な洞察力★イプセンの系統(笑)からくる、メタファー、シンボル….戯曲の醍醐味というもの、物語の深さ、「劇構造そのものにも語らせる」面白さと、劇の仕組みの明瞭さ、言葉(タイトル含め)の的確かつ明瞭さにいつも感銘を受け、学んできました。巨匠のズバリ!感(笑)にも、学べば学ぶほど、毎回新鮮に(良い意味で)ショックを受けている一人です。

さて、今回の私の基本的な意見はこのイギリスの新聞インデペンデントに載ったレビューとほぼ同感です。

https://www.independent.co.uk/arts-entertainment/theatre-dance/reviews/all-my-sons-review-old-vic-arthur-miller-cast-bill-pullman-sally-field-jenna-coleman-a8883966.html

英語が堪能な方、ぜひ、ありのままの調子をどうぞ味わってください。

結構、淡々としつつ、ちょいとスパイシーだよね 💦

さて、

スタッフのあまりにも生き生きとした、まっとうで期待できるいつもの前向きなインタビューから嬉しい予感とともに始まったNTライブでしたが….

期待したほどではありませんでした。

がっかりだよ!

その理由は、主演★と鳴り物入りでハリウッドの映画でかつて大活躍してきたお二人(父母役)が冴えなかったからです。

え~!?

素晴らしかったじゃん!なんで文句いうの?!あんなに感動したのに!

と脊髄反射される方は、以下は読まなくていいです 笑

好みの問題だと言って片付けることもできると思うのですが、

実は嗜好だけではなく、私は今回、非常に危惧しましたね。

ああいう日本にも未だ残っている

「巧みに感じているフリをする」演技風な取り組みとそれを許す風土!

「いかにも情感深そうに、意味ありげに、中身(感情&思考)がめくるめく劇のスピードで動いていないのに、そうだったかのように振る舞う」という(共感的ではない)態度とそれをありがたそうに褒める周囲!

この2つがガン!と思ってます。

私は演技の専門家なので、今回は演技についてちょいと書きたいと思います。

まず、父役の俳優さん、名優なんだろうけど、硬いです。

感じているサイズ以上にお客さんや相手に感じさせようと「がんばる」ことで、固まってるように見えました。きっと真面目で善い人に違いない……..しかし、ドラマを引っ張って行っていなかった。劇中での役割として、劇を展開させていくリーダーなのに。

そして、マーロン・ブランド辺りを意識している世代なんでしょうか….

なんか……ほんと書くのも申し訳ないけど

「決めてる」

瞬間がたくさんありました。

私のクラスなどでモノローグやシーンでしっかり感覚を磨いている目も耳も良い方はご存知でしょうが、

「感じてて、衝動もあって、動いていて、いっぱいなっているから、つい『漏れ出てしまう』ものであって」

先につくって、なぞりにいくような、「八百長」じゃないはず!

とちょっと腹立ちました。

なぜ、人間である私たちに、生き物として不自然な順番がばれないと思うんでしょうか…..?

ちなみに、アーサー・ミラーの演劇観、演劇論はこちらを読むと俳優も演出家も劇作家もスッキリ!すると思います

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そして肝心の台本はこちらね。ハヤカワが文庫で出してくれているので有り難いデス!感謝!

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さて、噂の(なぜか)大好評だった母親役ですが、こちらも映画でかなりの数の作品で活躍してきた実力派。

しかし…….

私が期待しすぎていたのか、アーサー・ミラーを好きすぎるのか….💦

これまた、「固めている」よね

内面が動くようにみて、きいて、感じて、想像して、交流して、その結果、感じながらの行動と言葉が必要になってたまらないから「しゃべる」になるのではなく、

いくつかの箇所で特に目立ったのが、

「決意→行動→しゃべりながら感じて行く」という

なんだか奇妙な順序。

あんな緊急事態に、心乱れる1日で、差し迫った問題があって、個人的な意味ばかりが溢れている心理的な現象が激しい状況で???

みて、きいて、感じって、欲しいものがあって、恐れがあって….

現実の人間たち以上に、人間らしい言動をしてしまう、という切り口なのに……

なんだかな~💦

どうにも「神がかっている風にみえる」様子を説明していた…….。

そういう劇だっけ?

この上演バージョンだと戯曲の構造はちっとも分からないですね。(私だけ?)

役の人物たちは「(書かれている)言葉がなぜ、いま必要になるのか」

が心象風景からは伝わりませんでした(私だけ?)

全集は解説があるので、とっても嬉しい場合がたくさんあります。専門家のみなさまありがとうございます。

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今回、なかなかいいなと思ったのがクリス役の北アイルランド出身のコリン・モーガンさん

「You can never know enough.(知りすぎるなんてことはない)」とインタビューでも語っています。

健全ですね。

「~then I read it again from an acting point of view – what would I bring to it?(その後、演じるために読んで、自分が(作品に)なにを持っていく(貢献)ことができるか」

を考えるそう。

うん、よかったわ。マトモです。「たくさん読んで、観察して、リサーチする」というコリンさんのインタビュー記事はこちらhttps://www.thejackalmagazine.com/colin-morgan-interview

俳優のみなさんだけでなく、演出家、劇作家の方もどうぞ。

もう一人、ジョージ役の俳優さんも良かったよね。もう休憩時にはジョージの登場に望みをかけていた状態だった私…。

ジョージさん役、良かったですよ。つかっている「方法」の繰り返しが多かったけども…。

一方のアン役は華やかできれいすぎましたね、あんな●~*爆弾かかえているのに…

ラリーを好きだったことも、クリスを好きなことも、兄を愛していることも………ワタシには分かりませんでした。

ああ、みんな振れ幅があと30パーセント増しだったら….よかったのになぁ….

😿

さて、今回の作品をみて思い出したのが哲学者 中島先生の名著

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意外なタイトル?!そうですか?

一つのこともいつも2方向からみると演技も豊かに、人物創造も立体的になります。

ブランドに惑わされず、目や耳とともに思考も感覚も養っていきましょう♪

名優と言われる人でも「ウソ泣き」はバレる。

嫌ですね。

もうウソ泣きをしたくない方(笑)、ぜひ11月の土曜日開催のモノローグ道場へお越しください。

そんな便秘みたいな苦しいことしなくても💩 笑

より人間らしく、衝動を感じて、実際に想像して動き、動かされる演技の仕組み、一緒に身につけましょう!

クラスのお申込みはクラスのブログ記事についているフォームをつかうと便利ですが、Facebookのメッセージ機能でも大丈夫です。どちらでもご都合の合うほうでどうぞ★

映画がもっと進化すると…!?

この前、知人たちが、

「今、映画ってすごく画像きれいだね~、デジタルはびっくり💙3Dはものすごいリアルだもんね、大画面の迫力もすごい!映画がもっとハイテクになるとどうなっていくんだろう~」

と愉快に語っていたのです。

そして映画の方が(だいたいにおいて)演劇よりもチケットも安い、あちこちで観られる、かなりの回数が繰り返しみられる(1日に4回も5回も上映など)、一度に大勢にみせられる(数100人単位)、音響もさらに最近はハイテク、スピーカーもさまざまで臨場感あふれます。

映画館によっては食事もできる、お酒も飲める、豪華なシートもある、まるでビジネスクラスの座席のような予約できる社長イス(笑)みたいな映画館もあり、予約もできるのです。

(演劇、ピーンチ!化石ですっ!)

場合によっては自分の家や庭でも楽しめる、それも繰り返し、誰とでも何度でも、記録もできる♪

そう、映画は2次元だけじゃなくて、スクリーンを通じて、臨場感あふれるよりリアルな体験が(かつ安全に)たくさんできるんですよね。

それもかなり「効率的」に(そこそこ)「お手軽」めに、都合のつけやすい時間や場所で、大勢に一遍に…。

すごいなあ、映画って!(^^♪

そして、かつて一世を風靡(?)したフェロモンを劇場に出すとか出さないとかいう話題になった乱歩の映画の話になり、「こうなったら匂いも出たらすごいよね~、やるかもね~、そのうち~」、「かなりリアルだ~(ワクワク)」と人間の五感の話と映画の可能性に話は展開いたしました。

数日後

別の知人の音楽家のサイトに面白い引用が。(ワタクシによる ↓ 意訳)

「映画がさらにリアルを追及し、一層の進化を遂げていくと……

(お、ちょうど気になっていた話題だ!ワクワク !  )

映画は『演劇』なるものを発明するだろう」

笑!

なんやねん!

笑!

そうです。

そうでした。

ビバ、演劇!♥

演劇は生です。最高のリアルです。

極められれば、一種、現実を超えたリアルがそこにあります。時空を超えます。

本当に、今、生きている人間が、実際に、「同じ時間、同じ空間を共有」し、目の前で、血肉を総動員して、動き、(しゃべり)呼吸して、そこにいます、交流します、一緒に想像します、風、感じます、震え、感じます。

思考も感情も行動もぜ~んぶ、総動員!

温度も、湿度も、息遣いも、空気の振動も、重さの移動も、緊張も弛緩も…どんどん伝わる濃密な時間💛

しかも見たいところを観客それぞれが自由に選択して、クローズアップ!

自在にロングショット、お好みでパーンも可!

おのおので別の音楽が脳内で流れることも、異なった色を感じるときも…!

すべてOK! !(^^)!

なんて寛容なんだ!なんて自由なんだ!なんて豊かで想像の余地があるんだ!

素敵だ!

映画よ、映画は映画の得意なことを極めてください。演劇は演劇の得意なことを極めます。

いつの日か仲良くできたら、楽しもう。

と異母兄弟に宛てた手紙のような文章が浮かびました。(笑)

私は映画も大~好きですが、根っこは演劇人です。

そして…

音楽家の友人よ、洒落た引用をありがとう。

本日のお写真は、映画のような素敵な建築や風景に溢れるかつては南米のパリと呼ばれたブエノスアイレスの街角にて。今は眠っているかつての栄華を誇る有名な♥喫茶店