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「太陽とボレロ」観てきました

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猛暑で溶けそう!
スパイスジェラート好き、演技コーチのくわたかおるです

映画はなるべくnoteのほうに書こうとしているので、あまりこういった記事は紹介してこなかったのですが、本日はずっと観に行きたくて、気になっていた映画のご紹介です

https://www.sun-bolero.jp/

必見です、みなさん映画館へお急ぎくださいー

まず、音楽がすばらしい!

そして、音楽を実際にプロとして実演する人、指揮者、プロではないがセミプロ並みに鍛錬を積む熱心な方々、音楽をかつてはプロとして目指していたが今は裏から支える側、経済的に応援をする立場の方々…様々な方向から、そしてそれぞれのご事情から、音楽を通じていろいろ学び、成長し、楽しみ、悩む人たち…

みな、紆余曲折はあれど、最終的には微笑ましいです

著名な音楽家でスーパースターの指揮者が1番良いとか、大御所が一番優れているとか、そういった狭い了見の価値観が染み出ることなく、それぞれが味わって楽しむ、その人たちなりの事情で生きていく様子に、説教臭さがなく、非常にすっきりとした、好感が持てるように描かれています。

 

盲目的に音楽を唯一無二の芸術として称えるわけでもなく、大げさにクラシック音楽と言う分野だけを称賛するのでもなく、そういった点で公平な描き方だと思いました。

舞台の台本や映画の脚本では、この上の3点が、なかなかどうして、難しいようです

 

1 みんな違ってそれぞれ-人物たちを断罪しないこと

2 優劣や競争にしないこと-社会を単純化しないで、複雑なままでおく、マイノリティや異なる存在を切り捨てない

3 盲信的に何らかの価値観を押し付けない-

 

ホントの意味でそれぞれに好みや判断は委ねるが、作者の意図や意見はハッキリしている

正しいはずのこと、倫理的に善きことでも、犯人探しや人物批判に終始する作品の(実は)多いこと…

音楽をいろんな立場から実演する人、指揮者、裏から支える人、経済的にサポートする人、ありがたくお客様として楽しむ側も、平和なんです…内面が

 

もちろん出来事は起きますよ、劇的に

ドラマですから

ただね…..

 

激しい暴力やわけのわからない歪んだ性愛描写もない、こういったまっとうな映画のいかに少ないことか

これは私の気のせいですか?

 

ユーモアに溢れた、どこか人物たちの描き方に温かさと寛容さの溢れた秀逸な作品でした。

https://www.cinemacafe.net/article/2022/06/08/79210.html

みなさん、楽器を猛練習!笑

若手を精力的に起用しているのも、コーチ業の私としては嬉しいかぎり。

そして上品で、音楽への尊敬の念や、人間関係のあり方などが丁寧に描かれていて、好感が持てました。

 

昨今流行なのか、あちこちで見かける殺伐とした心象風景がなく、個人の事情に思いを馳せつつ、温かい気持ちで、安心してみることができました。

こういう映画がもっと流行るようになってほしいですし、正当に評価されて欲しいです。

https://www.cinemacafe.net/article/2022/05/10/78717.html

主人公が(日本では珍しい気がする)働く未婚の女性なのもいい!

そして、目線(視点)が野次馬でもなく、エログロでもなく、ほんとうに健やかで「慈愛」に近く感じました


ハリウッドのブロックバスターももちろん好きですけど

ドンパチやってボカスカやって、いろんな人が平気で殺されて…

そういったものでいちいち興奮しているのが、果たして臨場感のある劇的体験なのだろうかと、

私、ふと立ち止まって考えました。

 

 

もちろん「邦画あるある」…はツッコミどころはちょっとあるんです 苦笑 (例えば、男性のトラブルを女性が仲裁する、許す、など 現実もそうだから、そうとしか描けないが…)

 

でも、

それをちょっと滑稽に、そしてチャーミングに見せるカメラ、演出、そして脚本にも安堵です。

「人間模様」を描くのが作家

これを忘れている舞台や映画が多く感じていたので(たまたまかもしれませんが)、ほっとしたところです。

結局、

 

このインタビューで驚くのが、そして羨ましいのが、素晴らしい縁、そして優れた作家や監督が世界中で言いがちな(!)

「偶然」

「たまたま」

「縁あって」

という謙遜ならぬ、巨匠あるあるづくし。

 

ほんと、ありがたいことです

 

「感動」体験からスタートして、人間模様があり、「本物」があって、特定の世代に「偏らず」、そして「幸せ」へ

私がこの監督インタビューで健やかさと安堵感を覚えるのはこういう流れかもしれません

 

https://www.banger.jp/movie/78658/

 

私が一番ほっとしたのは最後のお話

監督「例えば、美味しいものを食べて『幸せだ』と思っても、その幸せな感じというのは、その時だけのことで、全ては永遠などではないんです。そうすると、「幸せって虚しいな」ということになってしまう。でも僕は、何気ない時に、ふと幸せを感じるような人になれたらいいのではないかと思っているんです。例えば、ふっと風が吹いただけで幸せを感じる。そんな幸せを、たくさん感じるような人になれたらいいなと。

ただ、なかなかそうはなれないという社会の現実もある。そうすると、大きな成功をしたからといって、それが幸せに繋がるとは限らないし、もしかすると不幸に繋がるかもしれないと考え込んでしまう。何ごとにも裏と表がありますから。そうなった時、「かけがえのない幸せって何だろう?」と考えたら、意外とそういうところに辿り着く人がいるんじゃないかと思う。普段からそういった想いが、僕にはあるんですよ。」

 

観劇後に読むとまた広がりますね

ぜひ!

 

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