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なぜドラマは非日常をつかうのか-劇の仕組み

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初夏にむけて、嬉しい日がつづく演技コーチ くわた かおる です

オーディションも増えてきているので、なにかご相談あれば、メッセージやお問い合わせフォームから、どうぞ!

さて

どこにいても、それがきらびやかに見えるハリウッドであろうと、災害が起きた特定の地域であろうと、非日常から日常が見えてしまう

そんなことって、ありませんか?

 

◾️日常そのものと日常「風」の違い

日常を、そのまま日常として描いているのが劇ではなくて…

非日常の出来事が刺激となって、普段何とか隠している、日頃見過ごそうとしている側面がはみ出てくる

そんな場面が思い出せる映画やテレビも多いと思います

面白い、というと不謹慎なテーマや状況も含まれると思いますが

「見応え」といえば、伝わるでしょうか

今ではうまくいっていたはずの方が、事件に巻き込まれていって

「つい共感」するような人間関係や、ありえない!と思いつつも、「なんだか感情移入」してしまうような

問題の解決を試みる、そんな劇(ドラマ)の仕組みが少し解説できたらと思います

 

◾️作品になっているのは「いつも」の延長ではない

極端な例①から、わかりやすく…

「ハムレット」だってね…

予定通り、父が生きていて、自分が王子で次期継承するのであれば、ああいう展開にはならなかったのよ

オフィーリアも、ハムレットとうまく交際が進展していれば、なにもあんな事件には至らなかったんです

そもそもなぜ叔父が母と?!

です

 

そうです

「本人が、本人らしからぬ言動」をどうしても取らざるをえないとき、

「中身!」が漏れ出ます

何と言いますか….きっと濾されて、核心がポロリと出ていくのでしょう

それこそ見て見ぬふりをしてきた部分が漏れてしまう

 

一方、日常事は、本人も予定通りにことが運んだり、期待通り、それこそ予測の範囲内でのパフォーマンスで済む

能力を発揮するのだが、ある程度それは予定調和でもあり、最大限の能力を発揮することでもなく、またある程度管理しやすい環境であったり、予想通りの出来事が次々起こったりすることも少ない

いわゆる平和、通常運転と言うモード

だから

有効ではあるのですが、いくら日常をそつなく研究して、それこそ歩き方や食べ方、着ている服や靴、なにをいくらでどこで買ったか、誰が友達か…をひたすらイメージして、書いただけ・・・

では素晴らしい入り口なのですが

まだまーだ足りないのです

 

◾️「その人らしくいられない」という前提である

ということは

非日常の出来事になると、途端に、全てが

・緊急で

・重要な

ことばかりに埋め尽くされる

今やらねばならぬこと

何時までに起きていなければならないこと

今変えないと困る人たち

今達成しないと後から変えられない出来事が大変な事件につながること…

爆発的にヒットしている映画や大勢がはまるテレビも、みんな緊急で重要ですよね?

「宇宙人が襲来している」、「不幸や陰謀が重なり戦乱の世」

「突然、何十年も会っていなかった大切な人が会いに来る」

「実は自分が父だと知らされる」!「なんと犯人が別の人!」など…

 

様々な意味で重要なこと、例えば自分にとって大事、自分の大切な人にとって重要、希少性があること、数字のプレッシャー、確率的に、例えば非常に難しいこと、歴史的に意味のあること

多くの方々の今後を決めかねない決断や発明、それらの展開につながりかねない一つ一つの言動…

どれもこれも、緊急で重要なことって、ものすごいプレッシャーがかかってますよね

「いつもどおり」でいられる人は(ほぼ)いないはずです

 

●わかりやすい例②

かつて、私の母のお友達が、旅先で台風の被害に遭い、交通機関が麻痺してしまった時、婚約者の方との婚約を破棄されたと言うケースがあります

思い通りに電車やバスが動かない中、気分も悪く、イライラし、みんなが疲れているところで、お相手の方は何も建設的な問題解決方法も、そして現実的な対応も積極的にしなかったとのこと

ま、端的に言うと「やっと来たが混んでいた電車に乗らなかった」らしいんです。。。

えー!

災害に弱い人が嫌だったんじゃなくて、「災害に対しての態度がこれから一緒に生きていくのにふさわしくないと感じた」とのこと…

返す言葉がありませんでした…

ふとしたときに出てしまうけれど、日常の幻想に紛れて、お互いに見て見ぬ振り、それこそ衝突しないために避けている「些細なこと」が顕著になっている場面!

そしてそれをクローズアップで撮る映画やテレビ、写真や様々な芸術作品、またそれらを凝縮させてストーリーにする舞台やコンサートなど…

みなさんも思いあたるシーンが次々と浮かぶのではないでしょうか

緊急で重要な場面だったからこそ、「本性」と言うと可哀想ですが「なかなか変わらないであろう性質」が露見したということです

◾️「ダイ・ハード」シリーズは何の映画か?

ということは、

ちょっと古めの映画の例ですが

「ダイ・ハードシリーズ」は、何についての映画でしょうか?

主人公は、「いつもの自分通り」では居られない緊急で重要なトラブルに「たまたま」、「偶然が重なって」出会うんですよね!

では、何についての映画なんでしょう、実際は?テロリストとの戦い?犯罪者を捕まえる正義の味方?大規模な暴力事件?

 

みなさんのお役に立てれば嬉しいです

 

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