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状況は読めているのに行動に変わらない俳優へ|4月24日オンライン台本読解クラス

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台本の状況は読めているのに行動に変わらない俳優に向けたオンライン台本読解クラスのイメージ

具体的に考えているつもりなのに、実はそこまで具体になっていない。

台本読解で多い間違いの一つは、ここです。

たとえば、季節は夏だという。
シーンは自分の部屋だと言う。
今ではなくて、ちょっと昔の話だと言う。
きっと田舎のほうだという。

でも、そこで止まっている。

では、夏って、その地域では何月なのか。
あなたの思う「夏」と当事者の思う「夏」は異なるだろうけれど、8月だとして、何週目なのか。

実際、当事者の、ライフスタイルだと、何曜日なのか。
その部屋だと設定して、では、その部屋自体は、家のどこにあるのか。

現実の世界でありえないような、ふわふわした捉え方。

わかっているようで、実はわかっていない。

その家はそもそも街のどこにあるのか。どんな特徴がある?
今、最寄りの駅まで歩く生活なのか。
もしくは、車が前提の場所なのか。じゃあ何分運転したのか?場合によっては何時間も?

そういうところまでは、決まっていない。

本人は、状況を読んでいるつもりです。
具体的に考えているつもりでもあります。

けれど実際には、演じるために必要な具体性まで届いていない。

全く「自分ごと」になっていないんです。

だから、あらすじは説明できる。
状況も言える。
でも、行動に変わらない。だから気持ちが動かない。
相手が入ると弱くなる。曖昧な提案しかできないからウロウロする。
演技が成立しきらない。

当然、「つたわらない」。

こういう俳優や歌手は、残念ながら、実は珍しくありません。

しかも厄介なのは、怠けているわけではないことです。
むしろ、自分なりにかなり読んでいる。考えている。準備している。

だからこそ、どこが足りないのか見えにくいまま、伸び悩みが長引きます。

また、抽象的な言葉だけはメモするけれど、では、それが実際の行動につながっているのかと問われると、整理できていない。

本当にもったいないです。

あらすじと状況がわかるだけでは、演じる準備にはなりません

台本読解でよく起きるのは、あらすじや状況がわかっていれば演じられると思ってしまうことです。

もちろん、本人はそんなつもりではありません。
自分では、ちゃんと読んでいるつもりです。

人物関係はわかっている。
何が起きているかもわかっている。
場面の流れも追えている。

でも、それだけでは足りません。

現実の世界で考えてみれば、明らかなのですが、つい作品の世界となると忘れます。

あらすじがわかることとや状況が把握できていることと、演じるための準備ができていることは全く別だからです。

演技に必要なのは、何となく理解していることではありません。

イメージがたくさんあるからといって、行動が、次々と起こせるわけでもありません。

だから気持ちも変化が乏しいのです。

何より、緊急性も重要性もない。


具体的にするとは、役の人物である自分がその場で何を見て、何を避けて、何を起こそうとしているのかが、行動として使える形になっていることです。

そこまで行っていないと、読んでいるつもりでも、衝動も生まれず、セリフになっているような言葉も必要にならず、演技になると急に弱くなります。

具体的に決めていないから、行動に変わりません

台本を読んでも行動に変わらない俳優は、具体化のところで止まりやすいです。

例えば、自分の目の前の相手は会社の上司である事は把握できている。でも、何年間その部署に配属されているのかは決めていない。

台本にはっきりと書かれていないから、演出家や監督に言われない限り、決めなくていいと思ってしまっている。

自分はなんとなく、このシーンの相手役と仲直りをしたいということはイメージできている。うっすらと気持ちも動いている。

でも、全てがセリフを手がかりにしている。本人にとって「仲直り」が何をすることなのかは考えていない。

当事者目線での想像が、その世界で深まっていないんです。

こういうところが、驚くほど曖昧なまま進んでいることがあります。

けれど、現実の生活では、そんな決め方では動けませんよね?

今この会社に入って4年目ですとか、この上司と一緒にプロジェクトをやるのは2回目ですとか。本人は把握しています。

相手から欲しい言葉、避けたい言葉。

前回、会ったのは何日前?何週間前?その時どこで中断された、会話は何についてだった?そしてどこが問題だった?または解決した?

フィクションの世界でも、役の人物本人は、その時、半分無意識かもしれないけれど、なんとなくは具体があるものです。

それこそ、その場で自分が何を避けたいのか。それはなぜなのか?
今、何を起こしたいのか。
何を相手から引き出したいのか。それはいつからなのか?
今すぐ何をするのか。そうしないとどうなるのか?

そこが(仮)でも、いくつか候補として、決まっていないと、読んだ情報は行動に変わりません。

つまり、情報はある。
理解もある。
でも、選択がない。

この状態だと、迷いやすくなります。
何を見て、何に反応して、何をするのか。できなかった場合どうなるのか…。

そこが(仮)であっても、何も決まっていないままでは、結局、行動が具体的になりません。だから気持ちが動かない。

目標・目的が曖昧なままウロウロすることになります。

そして、はっきりと書かれているセリフとト書きに、ひたすらよりかかります。

つまり既にはっきりと作家によって書かれていることしかできないのです。

そして、行動が具体的でないままでは、演技は成立しません。

これ、実は現実の世界でも同じですよね。

(仮)に決めて、動いてみなければ、何も検証できないのです。

読んでいるのに伸び悩む俳優は、仮に決める習慣が弱い

もう一つ大きいのは、仮に決める習慣がないことです。

演出家や監督にいちいち説明されなくても、いわゆる正しい方向性や可能性が十分にまだわからなくても、仮に置いてみる。


仮に決めた上で、相手とのやり取りの中で検証する。
場面の中で違ったら直す。

この順番が必要です。

科学の実験と同じです。

仮説を立てて実行すると、検証できる。

だから、データが取れて、理解が進みます。

ところが、ここが弱いと、ずっとセリフになっている。

文字とト書き以外の部分は、曖昧なままで半ば満足してしまっているのと似たような状態でいます。

もちろん、それなりに読んではいる。
でも、何も決めていない。
決めていないから、試せない。
試せないから、結局いつもの声、いつもの間、いつもの動きに戻る。

そうやって、ループしてしまう。

これが、読解しているつもりなのに、なぜか信じきれない演技、他人には伝わらない演技になる原因の一つです。

仮に決めるといっても、既に書かれている事実に基づいているので、ひどい妄想とは違います。

ただ、このような惜しい俳優や歌手も、頑張っていないわけではありません。
ただ、読むことと(仮)に決めて、想像をたくましくして深めていくことの間に、大きな抜けがあるのです。

このギャップを埋めていくと、力がついて、提案できて、調節できる稽古やリハーサルになっていきます。

台本読解は、国語ではなく演じるための準備です

私の演じるための台本読解のクラスで扱うのは、国語の意味を説明するための読解ではありません。

演じるための読解ですから、状況の把握だけじゃありません。

人物を理解した気になるためでも、正解らしい解釈を並べるためでもありません。
実際に相手とやり取りしたときに、自分の行動が変わる読解を行います。

可能性がいくつか、当然ある中で、(仮)に何を設定すると、一貫するのか、この展開になるのか、伏線になるのか…

いつ、どこで、誰といて、何を避けたいのか。
何を起こしたいのか。
その場にあるものをどう使うのか。
どこから来て、次にどこへ向かうのか。

そこまで整理されて初めて、台本の読みが行動に変わっていきます。

この整理が甘いままだと、台本は読んでいても、演技は説明のまま止まりやすいです。

既にセリフに書かれていることをそのままの意味で気持ちを込めてしゃべると言うことになりかねません。

もちろん、そういった台本も存在はするでしょう。しかし、それだけで仕事の幅は広がりません。、役の世界は深まらないのです。

このクラスで扱うこと

このオンライン台本読解クラスでは、ただ情報を増やすことはしません。

今ある読みを、使える、具体的な形に整えていきます。

あらすじ理解で止まってしまっている部分はどこか。
状況説明で満足してしまっている部分はどこか。


曖昧なまま流している設定はどこか。
仮に決めるべきところを放置していないか。
相手に向かう行動として弱いのはどこか。

何を言い換えたら、行動に結びついて、演技が生き生きするのか。

そうした点を見直しながら、読解を演じるための準備に変えていきます。

必要なのは、もっと気持ちを足すことではありません。
もっと強く念じることでもありません。

散らかっているものを整理すること。
曖昧なものを仮に決めること。
行動に変わるところまで具体化すること。

この順番です。

このクラスを通して、台本を読んだあとに何を決めるべきか、どこを曖昧にしてはいけないかが見えやすくなります。


読んでいるのに使えない状態から、読んだことが実際のやり取りに反映される状態へ進みたい方に向けたクラスです。

こんな方に向いています

台本は読んでいるのに、演じると弱くなる方。
状況は説明できるのに、相手とのやり取りになると具体性が消える方。

もっと深みを与えたいのに、行き詰まってしまう方。


人物を考えているのに、結局いつもの演技に戻りやすい方。

曖昧な設定のまま進めてしまい、後から崩れやすい方。

現場はあるのに、なかなか手ごたえが変わっていかない方。


4月25日(土)・26日(日)の少人数実践クラスに参加される方はこちらの読解部分の参加が必須です。

そして、海外在住、地方在住、移動の都合がつきにくい方、今回はオンライン読解のみ参加したい方にも向いています。

演出家、監督、脚本家の方のご参加も歓迎しています。

4月24日(金)のオンラインクラスの実際

4月24日(金)19:00〜22:30は、オンラインで台本読解クラスを行います。
参加費は10,000円です。

このクラスは、翌日の4月25日(土)・26日(日)13:00〜17:00の少人数制スタジオ実践クラスにつながっています。相乗効果を生み出すように、また時間を効率的に使えるようデザインしています。

ただし、海外在住、地方在住、移動が難しい方、ご事情のある方には、オンラインでの台本読解のみのご参加も受け付けています。

翌日の実践クラスにつながっています

先に読解で焦点を絞っておくことで、スタジオでは読むところから始めず、試すところから入りやすくなります。

読んだことが、相手が入ったときにどう変わるのか。
どこで崩れるのか。
何を修正すると行動が見えやすくなるのか。
どこまで具体的に保てるのか。

(仮)に決めた項目を使って、役を深めていくにはどうするのか。

そこまで進めたい方に、4月24日(金)の読解と、4月25日(土)・26日(日)の実践をあわせて受ける流れをおすすめしています。

一方で、スタジオに来るのが今回難しい方、まずオンラインで読む視点を整理したいという方は、4月24日(金)のみのご参加も受け付けております。

無難な読みから抜けたい方へ

読んでいるのに弱い。
状況はわかるのに行動が見えない。
考えているのに、演技が成立しない。

そういうときは、台本の扱い方そのものを見直したほうがよいことがあります。

無難な理解、曖昧な設定、説明で終わる読みから抜けるには、読解の段階で何を決めるかが重要です。

リアリティーの話がよく出てきますが、そもそも現実の世界で私たちが実体を伴っているのに、その部分が抜け落ちていれば、地に足のつかない(演出でわざとボカしたり、隠しているわけではない)、存在し得ないものになります。


そのことは、台本の扱い方が変われば、演技は変わる でも詳しく書いています。

4月全体の流れを見たい方へ

4月は、このオンライン台本読解以外にも、4月18日(土)身体と声のセミプライベートレッスン、通年で継続でお引き受けしている、個人レッスンがあります。

今の自分に何が必要なのかを全体から見て考えたい方は、4月の演技クラスと個人レッスンの全体像 もご覧ください。

最後に

状況がイメージできた。

人間関係を整理した。

客観的事実を、みんなで確認した。

でも、それだけでは、「自分ごと」では演じられません。

演技に必要なのは、理解したつもりになることではなく、行動に変わるところまで具体的に(仮)でもいいので、可能性の中から、決めていくことです。

曖昧なまま読んで終わるのではなく、仮に決めて、使える形にしていく。
そのプロセスを通して、初めて台本読解は演技の準備になっていきます。

読んでいるつもりで終わらせず、

演じるための具体的な読解に変えていく時間が演技を変えていきます。

この記事を書いた人:演技コーチ 鍬田かおる

演技指導歴20年以上。

英国留学中にアレクサンダー・テクニーク指導資格を取得。ロンドン大学・演劇学校・大学院を経て、20代から、各種養成所や研修所などで指導活動スタート。俳優、歌手、声楽家、ダンサーへの指導を中心に、映画・舞台・映像現場で活動する実演家のコーチを務める。

たんなる感情論や1つのメソッドではなく、幅広い知見に支えられた、多角的な視点を用いて、構造と身体から整える指導と、お一人お一人の現場に備えるコーチングを行っています。

詳しいプロフィールはHPをご覧ください。

お申し込み・お問い合わせ

この記事にあるオンライン読解クラスやスタジオ実践、また個人レッスンのご相談は下記フォームより承ります。

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月1、2回程度のご案内のみです。

📩 今月は難しいけれど、クラスに参加したい方へ

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