年末だからこそ、コンサートや舞台公演、イベントの前に準備を整えておきたいとおっしゃるしゃ方も多いですね。
冬はちょっと苦手な演技コーチの鍬田かおるです。
本日は「セリフをうまく言う」から脱却するお話です。
私もその昔、セリフの言い方…練習しちゃってました…。
もちろんその全てが無駄だったわけでは無いですが、ちょっとずれていたなと、今思うとわかります。
セリフは入っている。
段取りも問題ない。
でも現場でしゃべると、なぜか一辺倒になる。
感情が足りないのか。
もっと気持ちを込めるべきなのか。
そんなふうに考えて、余計に迷ってしまう俳優は少なくありません。
けれど、多くの場合、問題は単に感情だけではありません。
台本をどう読んでいるか、その構造にあります。
ご参加者のお声ー変化の瞬間がありました。
「現場でセリフしゃべるときなんだかいつも変化なく一辺倒でした。ですがそこに着目してみると、突然つけた、したような言葉にならず、自分の中から衝動が湧いてきて、あとから言葉がついてくる感覚がありました。 人のお芝居を見ている時もその人がどうやって台本を読んでるのか着目したり、出ていないシーンでも起結を考えたり、対比を見つけたり、全然見てる部分が変わったと思います。」
俳優 女性 30代 東京都
感情を足さなくても、演技は変わる
衝動が湧くとき、言い方や歩き方、見せ方など…
俳優は「何かを足している」のではありません。
行動の理由がはっきりし、原因や動機があり、そして目的があり、
その瞬間に何を選んでいるのかが見えているだけです。
台本を構造として読むことで、より、個人的な中身が増えていって、想像上の状況であったとしても、セリフや動きは目的を持った行動の結果になります。
ご参加者のお声ー構造への理解
「現場でセリフをつかってしゃべるとき、台本の構造を理解することで、作者が描きたかった役の行動を、当事者目線で演じられると思いました。そして台本読解ができることで、長く本読みや稽古、ロングラン公演を続ける中で発見していくという超のんびりペースではなく、最短でダイナミックに演じられると思いました。その状態で本読みができればアクションするのもスムーズだし、どこかやらされている感もなくなると思いました。」
俳優 女性 30代 東京都
台本を「設計図」として読む
台本は感想文ではありません。
演じるための設計図です。
起結はどうなっているか。
どこで流れが変わるのか。
なぜこのセリフが、ここで必要なのか。
これらが整理されると、
迷いが減り、判断が早くなります。
また、頭でわかっていても、実際に演じながら、感覚的な体験をしながら整理していくことで、いっそう自分のものになっていきます。
ご参加者のお声ー視点の変化がありました。
「クラス初日はただただ、かおるさんの言葉をメモして、出してくれた課題、対比、特徴、機能を積極的に探しました。 タイトルから、はじめのト書き、ワンシーンであっという間に戯曲の世界が深まっていくのが面白く、夢中になりました。」
俳優 女性 40代 東京都
映像や舞台で長く活動をされてきた俳優の方々にこのように言われると、私も大変嬉しいです。何より、次の作品に生かせることが素晴らしい。
私自身、台本の読解をしていたつもりでしたが、そして周囲にもたくさんの先輩や先生方がいたにもかかわらず、本当の意味で具体的にしていくのに時間がかかってしまっていました。
だからこそ、今私がイギリスやアメリカでの学習を通じ、また20年指導してきた中で、深めてきた取り組みの方法や新しい視点、「生き生きとした現代の演技」に役立つ方法、これからもアップデートしていきたいと考えています。
見ている世界が変わると、芝居も変わる
台本全体が立体的に見え始めると、
自分が出ていないシーンも、
他人のセリフも、
すべてが役に関係して見えてきます。
これは一時的な上達ではなく、あえて言うなら、
思考のOSが更新された状態です。
私も初めて、このような視点から台本読解をしたり、演出家の先生及び演技コーチの指導を受けて、心を組み立てていく中で、「気持ちを出そう」なんてちっとも思わなかったけれど、あっという間に怒りが湧いたり、全く理解できていなかったはずの悔しさや悲しさがむくむくと大きくなっていた記憶があります。
ご参加者のお声ー身体との接続
「台本の読解は本当に深いと痛感いたしました。
でも、ダンスと似てるという先生の解説が、とても実感できました。
先生の質問に答える形で「自分が何なのか」そこでの役割がはっきりしてくると相手をどう見るかが自然と変わってきて驚きました。」
俳優 女性 40代 東京都
読解が身体につながったとき、リアリティが立ち上がる
役割が明確になると、
相手の見え方が変わります。
相手が変わって見えるから、
反応も自然に変わる。
リアリティは、
「自然にしよう」とした結果ではなく、
構造と身体がつながった結果として生まれます。
だからこそ、私はオンラインの台本読解講座も大事なのですが、その後にスタジオで実際に少人数で演技につなげてもらい、体感してもらいたいなと考えております。
台本を読む力は、
特別な才能やセンスではありません。
どこを見て
何を手がかりに
どう判断するか。
それらを整理し、繰り返し使える形にすることで、
誰でも再現可能な「技術」になります。
だからこそ、感覚やその場の気分に振り回されず、
現場で判断できる力として積み重ねていくことができます。
なぜこの台本読解クラスは、精神論や依存に寄らないのか|参加俳優の声から
オンライン×スタジオという設計
このクラスでは、
まずオンラインで台本を深く読み解き、
思考の整理を行います。
東京に来られる方は、
その後スタジオで実際にしゃべり、動き、
読解が身体にどう落ちるかを体感します。
遠方や海外の方は、
オンラインのみの参加も可能です。
旅公演中のホテルで、楽屋で、また遠征先で参加されることも可能です。
ほんとに便利な時代になりましたよね、この利便性をぜひ生かしてもらいたいなと感じてます。
何より移動の時間が省けるので、何かと忙しい私たちがぴったりだと思います。
こんな俳優に向いています
成立はしているが、一辺倒になりやすい
感情を足そうとして迷ってしまう
行間を読めと言われても方法がわからない
台本をもっと武器にしたい
現場で判断できる力をつけたい
もっとのびのびと演じたい
どんどん提案できるようになりたい
そんな俳優、そして歌手の方にもお勧めです。
次の現場で、違いを出すために
演技は、いろんな風に感情を足す競争ではありません。
台本をどう読み、何を抽出し、どこで判断し、どこに着目するのか。
そして役の人物のためにどの行動を選ぶか。
その技術を整理することで、
セリフは衝動から生まれるようになります。
まずは、台本の見え方を変えるところから始めてみてください。
ご参加やご相談は、
ブログのお問い合わせフォーム、またはSNSのDMから受け付けています。
現在の状況を簡単に添えていただければ大丈夫です。
2025年最後のクラスは12月27日土曜日夜のオンラインの台本読解、28日、29日の午後の演じるための感覚エクササイズのクラス、そして30日、31日の、シーンの実践クラスがあります。
【2025年12月年末特別】 【2025年12月・年末特別】台本読解オンライン・共感と同調・シーン実践クラスの三日間
講師プロフィール 鍬田かおる
演劇歴30年以上。桐朋学園芸術短期大学演劇科、新国立劇場演劇研修所・オペラ研修所、劇団青年座研究所などで長年指導。
ロンドン大学ゴールドスミス校卒。Royal Central School of Speech and Drama 修士課程ムーヴメント科修了。
イギリスSTAT認定アレクサンダー・テクニーク教師。日本演出者協会会員。
俳優や歌手の技術と身体の理解を統合し、現場で使える“交流のある演技”へ導く専門家。大学や映画スクールの講師を務める傍ら、個人レッスンで一人ひとりの強みを伸ばし、基礎力からアップさせる本格的なプロのトレーニングを中心に活動しています。
小学生から中堅、そして芸能の舞台や映像で活躍する俳優や歌手の方のアクティングコーチであるだけでなく、プロを目指す若手の育成も務める。
IDC認定インティマシー・コーディネータ(ディレクター)として映画や舞台の現場にも入ります。
これまで触れてきた演技のなんとかメソッドや、〇〇式に疑問を抱かれた方へ
あなたの違和感は、もしかすると「役」にとってのリアリティーではなかったからかもしれません。
また文化的にも、ヨーロッパで過ごした20代がある私、そしてバイリンガルである私が言うのもなんですが、日本を中心に活躍してらっしゃる方、日本語を母国語として多くの時間を過ごしてる方に向き不向きという傾向はある気がいたします。
物語、演技と言うものが、文化に根ざしている以上、やはり言語の壁もあり、また生活様式や基本的なコミュニケーションのスタイルが大きな誤解をむこともございます。これはクラシックバレエやオペラの輸入、様々な業種での変遷を見ても、お分かりいただける課題だと思います。
不可思議なワークショップやらの誇大広告に疑問を持たれた方、なんちゃらメソッドに違和感を持たれた方、ご自分のせいだと責めないでくださいね。
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演技コーチ/ムーヴメント指導・演出・振付/IDC認定インティマシーディレクター/STAT認定アレクサンダー・テクニーク指導者/スピーチ&プレゼンテーションコーチングActing Coach/Movement Direction/IDC qualified Intimacy Director/STAT certified Alexander Technique teacher, mSTAT, Movement Teaching/Speech and Presentation Coaching


