演技力ーその前に③身体の感覚

演劇歴30年＋

いったい何歳なの?と聞かれがちな演技コーチのくわたかおるです

毎週の土曜オンラインにお越しの方いつもありがとうございます。そして様々なご都合でお休みの方も気兼ねなくご復帰ください。毎週異なったエクササイズを組み合わせておりますので、毎週同じことを繰り返す事は無いので、久しぶりの方も、1人では挫けやすい方も、お越しください。私もなんだかんだで、時々息切れしながらやってます。

密かに読み返している人がいるらしい「演技力-その前に」シリーズもうおかげさまで3回目です。

今日は、私の専門中の専門でもある、そして音楽やダンスの方にも通じる、身体の感覚についてです。

まず確認しておきたいのが、興奮の作用です。

いざ人前で踊ります、歌います、演奏します、そしてもちろん劇の状況で演じます、カメラの前で演じますとなった時、1周スポーツに似ているといいますか、ある程度緊張し、もちろん興奮します。

と言う事は、人によっては気持ちよさだったり、恍惚感であったり、開放感を味わうことも多いのですが、一方で、終わってみて、全く記憶がない…つまりすごく興奮して、もしくは緊張してしまい血の気が引いた、と言う方もいます。

こうなってしまうと、稽古の段階やリハーサルで刻々と変化している自分の様子を要所要所で感じて、それを後に使うことも難しいですし、残念な場合、無理に首や腰を緊張させたり、捻挫などの怪我に気がつかなかったり、はたまた喉をつぶしてしまうことにもつながりやすいです。

ですので、どうしても驚くような出来事が起きがちで、かつ日常とは違う展開であったり、また映画やテレビもですが舞台ももちろん、時間的に凝縮されているものですから、身体感覚は「強烈」になりやすいです。

また、大声でライブハウスやコンサート会場にいて耳が遠くなってしまい、それに気づかずに、声が大きくなっていたと言う経験がある方はピン！とくると思うのですが、同じことがあらゆる感覚で起きるようです。

一種、劇的な感覚に慣れていくといいますか、より強い刺激を求めていく傾向があるようです。

相まって、フィクションの開放感や、自分ではない人物としての高揚感やもちろん非日常性からも、力が入りやすくなっています。当然、よく思われたい、うまくやりたい、叱られたくない、褒められたいという承認欲求だけではありません。

歌唱やダンス、舞台に限らず、人前でのパフォーマンスはとかく好きであればあるほど力が入りやすいものです。

日常生活でも、大事なイベントや、ここぞと言う場面に限って、滑舌が悪くなったり、うっかり何かぽろっと出たり、記憶のある方もいらっしゃると思います。

ですので、私たちがパフォーマンスを昼夜後から足が突っ張っているなとか、肩を上げちゃってるな、それこそ、「あーだいぶ喉に力が入っていたかも？！」と振り返る余裕が生まれた頃には、時すでに遅し。

気づいた時点で、それまで痛みや違和感を感じなかったのが不思議な位に、自分が振り返る以上に、長時間そして相当強めに力を入れていることが多いようです。

かく言う私も、学生のころ、朝起きたら、手のひらに爪の跡が付いていたことがあります…

 

と言うわけで、私のオススメは、最小限の力しか入れないつもりで、日常の動作をしてみる時間を作ることです

意外な場面で、必要もないのに手を構えて、持ってもいない携帯電やバックの形のまま手が止まっている自分にあれ？!と立ち止まるかもしれません

ただ自分だけで気づくことが難しいのも事実…

もちろん動画を撮ってみるのも良いですが、自分の普段の様子を知っている人とお互いちょっと意識しあって見るのも気楽で良いと思います

その際、

・事実だけを指摘すること（良い、悪いではない、善悪を気にするより、目的ー歌唱や演技に役立っているかを考えましょう）

・印象を伝えがちなとき（感想とも言う）、あまり理由に拘らない

・あくまで「減らせる緊張なのか（携帯を落としたいわけではない）」「どうしても必要な力なのか（長年の習慣ではなく、本当に欠かせないのかどうか）」の2点からチェックすること

をお勧めします

お互い切磋琢磨できる相手と過ごす時間も大事ですよね

みなさんの変化をお待ちしています

 

私が今週夢中な本は、話題のこちらです

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脳の仕組みについてわかりやすく説明して下さっているので、とても参考になります。

私たちのだまされやすさや、誤った認知の歪み、なぜ学習でつまずいてしまうのか、どうしてうまくいかないのかも解き明かされています。

ぜひ手に取ってみてください

私は今回はAudibleでこれを聴きました、耳から入ってくる感覚も、目から入ってくる感覚と違うので、楽しみが変わります

 

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ちょっと早送りで聴けるのも、ありがたいです

みなさんのご感想お待ちしています

久しぶりですが、10月末に一般の方、はじめての方も歓迎の演技のクラスを2種類開催します。8名以下の少人数制、事前予約制で安全・安心な環境で、換気をしつつ、行います。

お楽しみに!