この8月は、若かりし頃にお世話になった日本の恩師との再会が嬉しかった演技コーチ 鍬田かおるです。直接お会いし、まだまだ現役で活躍される先輩方と久しぶりに旧交を温めることができて、感謝しております。
さて本日は、大ヒット書籍と実力アップの秘訣についてです。
もっと活躍したい俳優・歌手が知っておくべき学びの伸ばし方
キャリアを積むほどに、当然、演技や歌の基礎はすでに身についています。
しかし「もっと良い仕事がしたい」「もっと手ごたえを感じたい」「本当はもっと突き抜けられるのではないか」と願う時、必要になってくるのは「人生経験」なる精神論でもなく、また単なる技術の延長線だけではありません。
一生懸命なはずの多くの俳優や歌手がうっかりしているかもしれないのは、学び方そのものを磨くことが、未来を大きく変える力になるということです。
学びが上手くなると、未来の自分が変わる
演技でも歌でも、経験を積んだ人がさらに伸びるときには共通点があります。
それは「自分のつまずき方」「時間の使い方」「感情や思考のクセ」を理解していること。
そうです、1種の自己洞察。そして習慣の見直し。
学び方が上手くなると、日々のレッスンやリハーサル、舞台や撮影現場での適応力が圧倒的に早くなり、余裕が生まれます。
そこから、想像力もたくましくなり、感情の表現や調節にもゆとりが生まれます。監督や共演者との呼吸も合いやすくなり、結果として、望んでいた演技や歌の質が上がるだけでなく、作品に欠かせない存在として信頼されるようになります。
でも、これは、みんな結果論。
小さな一歩が大きな変化を生む
話題のドラマ、最初はそこまで気乗りしなかったけど、ちょっと第一話を見始めたら、気がつけばシリーズ全部を観てしまった…そんな経験はありませんか。
私は、毎年あります(笑)!
これは「最初の一歩」を踏み出すことで、次の一歩が軽くなるというシンプルな原理ですね。
息の長い活躍を目指す俳優や歌手にとっても同じように、日々の最初の一歩を積み重ねることが大きな変化につながります。
そうなんです。
『アトミック・ハビッツ』が教えてくれること
名著『Atomic Habits(アトミック・ハビッツ)』では、ほんの小さな行動の積み重ねがやがて大きな変化を生むと語られています。
俳優や歌手のトレーニングも同じで、一度の大きなひらめきやドラマティックな出来事よりも、それらを受け入れることができる日々の習慣、それこそ「ひらめくための土台」が大切です。
夢見心地の劇的な変化ではなく、淡々と続ける小さな実践が舞台や現場での“差”をどんどんつけていきます。
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止まってしまうと逆に重くなってツラい
一方で、途中で立ち止まってしまうと再び動き出すのが重く感じられるものです。
台本を読まずに過ごす日が続けば、次に読む時の集中力が落ちます。
声を出す習慣が止まれば、弱っているので(!) 再開する時にスムーズに出なくなります。
だからこそ休息は取るが「やめない仕組み」を作ることが重要です。
演技や歌が「もっと届く」ために ― 成功する表現者の未来をつくる方法
演技や歌のトレーニングは、ただ上手くなるためだけのものではありません。
本当の目的は、舞台や映像の現場で観客や視聴者のこころに響く瞬間を生み出し、確かな手ごたえや感覚体験をあたえていくこと。
「もっと活躍したい」俳優や歌手にとって、学び方そのものを見直すことが、未来を大きく変えるきっかけになります。
学びの姿勢が未来を左右する
役や楽曲に向き合う時、つい「正解」を探そうとすることがあります。
でも、プロとしてさらに飛躍するために必要なのは、自分の身体と心をどう調整し、どう伝えるかを掴むこと。
つまり、単なるテクニック習得ではなく、学び方そのものを更新していくことが重要です。
テクニックの習得が学びなんだと思ってしまうと、音大を卒業して、養成所を卒業することで、また事務所に入ることでほっとしてしまいます。
私は「底力アップ」と呼んでいるのですが、土台を引き上げていくこと、ここプロ化とライフスタイルの変容があると思います。
そうすることで、現場で求められる柔軟さと即応力が育ち、結果として安心感と信頼を勝ち取ることができます。
ちょっと未来を想像してみてください
・舞台の終演後に、観客から直接「心を動かされた」と声をかけられる
・オーディションで審査員が頷きながら、笑顔が隠せていない
・現場で監督や演出家から「次もまた頼みたい」とお願いされる
こうした未来は、必ずしも特別な才能のある人だけのものではありません。
学び方を整え、日々の積み重ねを「観客に届く表現」へとつなげていくことで、誰もが手にすることができます。
つまり、ライフスタイルの突き抜けたプロ化なのです。
俳優や歌手のための小さな習慣
急に2時間、新しい取り組みをやるとか、突然週に1日丸ごとを何かに費やすとなるとどんなに気持ちがある方でも、負担を感じてしまいます。
ストレスとして対抗しないためにも、大きな目標や成果を意識する前に、まずは小さな習慣を重ねてみましょう。
・毎日10分でも台本に触れる
・短時間でも身体のトレーニングや発声と発音の練習を続ける
・身体のケアや呼吸と自分の感情の変化に意識を向ける
これらの小さな行動が積み重なって、大きな舞台や現場での力になります。
文字にすると当たり前に聞こえますが、頭でわかっていてもダメなのがこの世界です
その一歩をどう踏み出すか
息の長い活躍を続けている俳優や歌手は、必ず「未来の自分」を細かく具体的に、しかも更新しながら思い描いています。
ただ練習をこなすのではなく、今の学びを次の現場でどう活かすか、そしてその先にどんな自分が立っているかを常に意識しているのではないでしょうか。
学び方を変えることは、未来を変えること。
こう思って、いつの間にか私も、こんな文章を書くようになりました。
まるで歯磨きみたいに、今の積み重ねが、1年後、3年後、10年後に振り返ると、その効果が実感でき、きっと「選ばれる存在」としてのキャリアを築いていくのだと感じます。
30代・40代の真剣な俳優・熱心な歌手の方々へ──舞台や映像で存在感をさらに広げるための3つの視点
30代・40代で舞台や映像、ミュージカルやオペラに立ち続けている俳優・歌手は、すでに確かな技術や経験を積み重ねてきています。
それでも「もう一段、存在感を広げたい」「作品や役の中で強く印象を残したい」と思う瞬間は少なくないはずです。
ここでは、そのために押さえておきたい3つの視点をお伝えします。
1. 技術を磨くだけではコアまで届かない「伝わり方」
セリフや歌の技術があるのに「なぜか印象が弱い」と言われることがあります。
原因は技術不足ではなく「相手や観客への伝わり方」の設計が曖昧なこと。
感覚的にやってきた、なんとなく師匠のやり方を踏襲してきた…間違いではありませんが、ご自身のために「最適化」されることをお勧めします。
例えば、舞台上やカメラ前での身体の軸、呼吸の流れ、視線の扱い方──これらが整理されると、同じ言葉や声でも届き方が格段に変わります。
2. 演出や台本に応える「調節力」
30代・40代になると、場数を踏んで自分のスタイルが定まってきます。
知識もあるので、多くの場面で「こうすれば、こうなる」「きっとこうしたらオーケーが出る」とすぐシミュレーションできてしまうことも。
大きな失敗をしないため、また周囲に迷惑をかけないためにも役立つのですが、
一方で、それが「細やかな調節がイマイチ」と見なされるリスクもあります。
演出の求めるニュアンスを即座に受け取り、自分の技術に織り込む柔軟さ。これがある俳優・歌手は、作品全体に欠かせない存在として信頼されます。
3. 観客や相手役に「余白を残す」
よくある例として、強く表現しようとするほど、余白がなくなり、観客や相手役の想像力を奪ってしまいます。
その時、身体が窮屈になってしまう方もいらっしゃいますし、息を潜めてしまうパターンもある。目を止めてしまうなどの癖も、「強い思い」から来ていることも。
しかしながら、想像の余地であったり、いわゆる「余白」を計算して残すことで、観る側が「自分から受け取りたくなる」瞬間が生まれることも。
この視点を持てるかどうかが、突き抜けていくベテランとちょっと悩んでしまう中堅を分ける大きな要素かもしれません。
30代・40代・50代は、まだまだ飛躍できる時期です。
(文字数のためタイトルには書きませんでしたが、現代の日本では50代でも皆さん健やかで、現役で活躍してらっしゃる方が多いです。)
基礎や経験はすでにある。必要な知識も十分にあり、知恵もつき、期待もされる。
だからこそ「存在感を広げるための視点」を更新することが、次のキャリアを切り拓きます。
お知らせ
8月は、台本読解クラス(8月28日)と演技実践クラス(8月30・31日)を開催します。実際の台本の抜粋を使いながら、ここで触れた3つの視点を体感できる機会です。さらなる活躍を目指す方は、ぜひご参加ください。
私のクラスに初めて参加される方も歓迎しております。海外在住の方、地方でなかなか出てこられない方のオンライン部分だけのご参加も受け付けております。詳細はこの記事の下をご覧ください。
まとめ
演技や歌を「上手くしたい」からさらに進んで、「もっと活躍したい」未来を手に入れるために。
学び方からアップデートすることが、最も確実な方法です。
自分自身の可能性を広げ、現場で評価され、観客に届く表現者へ。
経験者だからこそ、周囲からの期待も大きくなりがちです。
未来の自分の姿を想像しながら、次の一歩を踏み出してみてください。
今日からできる第一歩
すべてを完璧にやろうとする必要はありません。
大切なのはとりあえずになっても構わないので「一歩を始めること」です。
その一歩を繰り返すうちに、やがて続けることが自然になり、現場での自信や表現力へと直結します。
私自身、20年以上にわたり俳優や歌手のレッスンを続けてきましたが、現場での活躍を後押しするには「個々の強みを最大化するための調整」が不可欠だと感じています。
大切なのは「今よりもっと活躍できる」という未来を、具体的に思い描きながら取り組むことです。
観客やスタッフに喜ばれ、自分自身も手ごたえを感じながら舞台や映像に立つ。
そんな未来のために、少し踏み出してみませんか。
私のクラスや個人レッスンでは、その一歩を具体的にサポートしています。
次の現場で「変わったね」と言われる手ごたえを、一緒に作りましょう。
まだ、あきらめないでください。
この記事を書いた人:
鍬田かおる : 演技コーチ/インティマシー・コーディネーター(ディレクター)
演技指導歴20年以上。プロ俳優・歌手・ダンサーを中心に、感情と身体のつながりを軸としたレッスン、台本読解のクラス、プロのためのレベルアップ・トレーニングを展開中。映画スクールやパフォーミングアーツの大学を始め、多様な公演、ミュージカル、オペラ、映像。演劇など幅広い現場で指導およびインティマシー・コーディネーター(ディレクター)としても、映画監督と講座やワークショップを行うなど、活動を広げている。
詳しい8月の特別クラス案内
◾️8月開催|“惜しい”で止まらない演技へ─オンライン読解&スタジオ実践クラスのご案内
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演技コーチ/ムーヴメント指導・演出・振付/IDC認定インティマシーディレクター/STAT認定アレクサンダー・テクニーク指導者/スピーチ&プレゼンテーションコーチングActing Coach/Movement Direction/IDC qualified Intimacy Director/STAT certified Alexander Technique teacher, mSTAT, Movement Teaching/Speech and Presentation Coaching
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