「膨らませてから絞る」─演技が伝わる人になるための準備とは？

 

演技の中で「もっと自由に動きたい」「伝わる表現をしたい」と思っている方へ。 本番でうまくいかない理由は、演技力や感性の問題だけではありません。

実は、「膨らませてから絞る」という準備の順番を知らないまま、本番に臨んでしまっていることが原因かもしれません。

今回は、俳優としてどんな現場でも信頼されるために必要な“演技準備の本質”を、具体的なプロセスとともにご紹介します。

 

膨らませるのは、いつ？

リハーサルや本番で「まだ探りたい」「もう少し試してみたい」と思ったことはありませんか？ 演技の中でインスピレーションが湧くことはとても素晴らしいことですが、問題はそのタイミングです。

本番や立ち稽古は“整えて届ける”フェーズ。 つまり、アイディアを自由に試す場ではなく、あらかじめ準備してきたものを調整・精緻化する時間なのです。

 

膨らませてから、絞る。

表現においては「膨らませる」ことと「絞る」ことの両方が必要です。

ただし、その順番を間違えてしまうと、伝えたいことが相手に届かなくなってしまいます。

膨らませるべきは、準備の時間。 動き、感情、解釈、さまざまな可能性を自分の中で拡げておくことで、現場で選び、削り、整え、見える・聞こえる形に仕上げることができるようになります。

これができる人は、自然と「自信がある人」「信頼できる人」として見られるようになるのです。

 

では、何を膨らませておけばいいの？

「膨らませることの大切さ」は分かったとしても、実際に何を広げておくべきなのか。 その答えは、台本を丁寧に読み解くことにあります。

このシーンは何を描こうとしているのか？ キャラクターの関係性、状況、構造、そして台詞の意図。 どこに重みを置くか、どの瞬間を大切にするか。

その“面白さの軸”が見えてくると、準備すべきことが具体的に見えてきます。 つまり、「何を膨らませるべきか」が明確になるのです。

 

膨らませる準備から、すべてが始まる

舞台でも映像でも、演技において必要なプロセスは同じです。 いきなり動き出す前に、まず“膨らませる”ための土壌を耕すこと。

それが、現場で自分を自由に使い、周囲と調和しながら、作品に貢献できる俳優としての第一歩になります。

 

6月の入門クラスで、演技準備の力を高めよう

今回のクラスでは、「どう演技を膨らませるか」ではなく、 「何を膨らませておくべきか」が見えてくるような内容になっています。

構造のある読み方を学ぶことで、 演出家や監督と同じ目線で台本に向き合えるようになります。

・6月22日（日）10:00〜14:00：シーンの構造と読み解き方を学ぶ演技クラス
・6月28日（土）10:00〜12:00：歌手・俳優のための、呼吸と動きの入門クラス

ご興味のある方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。

 

●この記事を書いた人：鍬田かおる :

演技コーチ／インティマシー・コーディネーター(ディレクター）

演技指導歴20年以上。プロ俳優・歌手・ダンサーを中心に、感情と身体のつながりを軸としたレッスンを展開中。映画スクールやパフォーミング圧の大学を始め、多様なミュージカル、オペラ、映像、舞台など幅広い現場で指導。

詳しいプロフィールは、HPのプロフィールページからお願いします。


【もっと深く学びたい方へ】 もっと深く演技を学びたい方へ】

公式LINEでは、レッスン情報や演技に役立つ最新記事をお届けしています。一斉発信は、月に1回もしくは2回程度です。こちらからトークのスタートはできませんので、ご登録後に、お手数ですが一言、挨拶かスタンプをお願いします。

 

関連記事も、よろしければご覧ください。

間違えずに学ぼうとする前に──演技力を本当に伸ばしたい方へ

Instagramの投稿では、演技や表現にまつわるQ&Aも展開しています

お気軽にご覧ください

https://www.instagram.com/actingcoachkaorukuwata/

身体と演技についてのQ&A受付中です。

 

クラスのお申し込み、ご相談には、こちらのお問い合わせフォームもご利用いただけます。

お時間帯などを気にせずに、お送りください。

こちらが返せるときに順番でご返信しております。

▶︎ クラスやレッスンのご相談、いつでも受け付けています。

具体的な日程が決まっていなくても大丈夫です。

「何をやればいいか分からない」「自分に足りないものが分からない」という段階でも構いません。

まずは、お気軽にご相談ください。

 

▶︎Instagram

投稿では、演技や表現にまつわるQ&Aも展開しています

お気軽にご覧ください。

https://www.instagram.com/actingcoachkaorukuwata/

身体と演技や歌唱についてのQ&Aも受付中です。


センシティブな題材、キスやハグなどの身体的な接触、いわゆる絡み、昔で言う濡れ場などの振り付け、演出サポートのご相談は、映像作品、映画、テレビ、舞台にかかわらず、インティマシー・コーディネーター(ディレクター)のご相談は以下の専用ホームページからお願いします。

https://intimacydirector.jp/