俳優の方も歌手のと、個人レッスンでは、ご自身の伸び悩みや飛躍のヒント、現場の準備はもちろん、現場が続いたときのブラッシュアップを進めている、演技コーチ 鍬田かおるです。
これまで、実は20年以上、小学生から70代まで教えて参りました。
おそらく1900人以上、モデルの事務所や芸能事務所はもちろん、各種養成所や専門学校、研修所及び研究所などでも指導してきたのですが、やはり傾向というものはございます。
本日は、少し大雑把ですが、本当はもっとできるはずの方々にも、響くよう解説してみました。
変わらない俳優に共通する、少しだけ残酷な構造
演技が数年変わらない俳優には、共通する構造があります。
それはいわゆる才能の問題ではなく、「変わらないでいられる設計」を選び続けていることです。
努力はしている。
レッスンにも通っている。
本も読んでいる。
それでも、質が更新されない。
今日は少し辛口です。
ただし、これは批判ではなく、出口の話です。
単純に量が足りないと言うだけでもなく、
何か、ひどく質がおかしいということでもないんです。
① 失敗しないポジションを選び続けている
できることだけをやる。
評価が割れにくい立ち位置を取る。
期待されすぎない場所を選ぶ。
これは賢い選択です。
傷つきにくいし、怒られにくい。
しかし、跳ね返りも起きません。
演技は摩擦があって初めて更新されます。
無風の場所では、何も壊れない代わりに、何も生まれません。
安全な半径の中にいる限り、演技の質もその半径の中でしか育ちません。
確かに、社会的にも安定しており、健全で
ある意味、非常に堅実ともいえるのかもしれません。
しかし、私たちは不老不死ではありません。
ある程度期限を区切っての目標を立てて、「マイペース」なる幻想を捨てて、
ある一定の期間、ベストを尽くす学習の鬼になっている時代が必要だと感じます。
マイペースでオリンピックに出た人はいないからです。
② 人間関係が浅い
誰とも深く関わらない。
本音を出さない。
対立や摩擦を避ける。
社会人としては優秀です。軋轢も少ない、重宝されることもあるでしょう。
しかし、演技は人間関係の密度がそのまま出ます。
現実で距離を保ち続けている俳優は、役との距離も一定以上は縮まりません。
分析はできる。
状況も理解している。
でも、引き受けていない。
観客は、その温度差を正確に感じ取ります。
だからやはり自分自身の気持ちも動かない、動いているふりをすることをがんばる、またそういう場所を好んでいる、だから、鈍感になる、自分で自分を納得させていく、この悪循環が始まります。
非常に危険です。
なぜなら、私たちは、自分が向き合っている問題の深さでしか、相手と向き合ったときに測れないからです。
③ 「考えること」と「引き受けること」が分断されている
分析はできる。
言語化もできる。
ノートも整っている。
しかし、決断していない。
わかっているけれど、選んでいない。
演技が変わるのは、理解した瞬間ではありません。
引き受けた瞬間です。
この人物として立つ、と腹をくくった瞬間に、身体の使い方が変わります。
考えることで、引き受けた気になる。
ここが、多くの俳優の停止点です。
社会生活を破綻させる必要はありません。
ひどく健康害する必要もありません。
ただ、スポーツやダンスと同じように、ある程度の量を継続的に練習する、専門家と視点を共有する。
その日の気分や自分のお気持ち次第で、頻繁にトレーニングプログラムを変えるようなことがあってはならないということ。
④ 生活が成立してしまっている
非常に極端な例ですが、
例えば、実家暮らし。
副業で安定収入がある。
演技一本でなくても困らない。
これは善悪ではありません。非常にありがたいことです、恵まれているともいえます。
ただ、残念ながらといいますが、危機が構造的に発生しない状態です。
逃げ道がある限り、人は逃げます。
それは弱さではなく、人間の構造です。
本気の更新は、余白ではなく、切迫から生まれることが多いのです。
わざわざドラマを引き起こす必要はありません。
ただ、自分で目標を設定し、期限を守る必要があります。
自分との小さな約束を果たすことでしか、自己効力感が育たないからです。
そして、この自己効力感が、面白いかな、魅力であったり余裕であったり、
存在感、そして、他者の目を引きつけることにつながります。
なぜ年齢だけが進むのか
変わらない俳優は、止まっているわけではありません。
同じ半径を、少しずつ慣れた足取りで回り続けています。
だから
年数は増える。
経験談も増える。
しかし、質が更新されない。
成長していないのではなく、
変わらないでいられる設計が、あまりにも上手なだけです。
唯一、変化が起きる条件
多くの場合、変化は内面からは起きません。
環境が変わる。
立場が変わる。
逃げ場がなくなる。
外的条件が崩れたとき、初めて
「演技の問題」ではなく
「生き方の選択」として演技に向き合い始めます。
技術論の前に、構造の更新があります。
では、どうすればいいのか
答えは意外とシンプルです。
変わらない構造を、意図的に崩す。
割れる可能性のある役を選ぶ。
対立を恐れず関係を深める。
分析のあとに決断する。
逃げ道を一つ閉じる。
怖いのは当然です。
しかし、変わらない怖さと、変わる怖さ。
どちらを選ぶかは、常に自分に返されています。
クラスで扱っていること
私のクラスで扱うのは、感情の出し方ではありません。
変わらない構造の可視化です。
どこで安全を取り続けているのか。
どこで引き受けずに止まっているのか。
そこが言語化された瞬間、俳優は自分で選び直せるようになります。
私は変えません。
選べる状態に戻します。
最後に
演技が数年以上変わらないなら。
変わらないでいられる構造を、選び続けているだけです。
このまま同じ半径を回りますか。
それとも、一度だけ軌道をずらしますか。
選択は、いつも用意されています。
2月のクラスのご案内はこちらです。
準備しているのに前に出ないとき、何が止まっているのか 2月21日・22日・23日 台本読解とシーンクラスのご案内
理解している。
考えている。
分析もしている。
それでも変わらないなら、
問題は理解ではありません。
引き受ける覚悟です。
時間は静かに進みます。
半年後、同じ言葉を言っていないために、
今、何を選びますか。
こちらの7つのステップの記事は、まずは入門編になりますが、ご参考になれば幸いです。
せっかく良いアイディアや、優れた感覚を持ちでも、台本を論理的にひもとき、それを身体で、実際に具現化することができなければ、辛いです。
いくら演じることが好きで、現場がある程度あっても、手ごたえが感じられず、量から質へ移行していかなければ、たとえ経済的に成功していても、辛い面があります。
ジャンルを問わず、様々な方の応援を、個人レッスン、グループクラス、サイド、コーチング、現場のサポートを通じて広げていければと考えています。
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演技コーチ/ムーヴメント指導・演出・振付/IDC認定インティマシーディレクター/STAT認定アレクサンダー・テクニーク指導者/スピーチ&プレゼンテーションコーチングActing Coach/Movement Direction/IDC qualified Intimacy Director/STAT certified Alexander Technique teacher, mSTAT, Movement Teaching/Speech and Presentation Coaching



