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演技が浅くなる本当の原因と“演じるための読解”|12/27(土)18:00-22:00 オンライン

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俳優と歌手のプロのレベルアップ

年末に向けて、俳優や歌手の方々の切磋琢磨が嬉しい演技コーチ 鍬田かおるです。

さて、本日は、どうしても避けられない「台本読解」とそのレベルアップについてです。

現場があるからといって、自分の能力を最大限に使えているかどうか、ベストを尽くしているかどうか、先につながる、また自分にとって魅力的に掘り下げられているかは別かもしれません。

・経験はあるけど、自分なりかも…

・それなりにできているつもりだけれど、もっと細やかにできないかな?

・もしかしたら読解がもっと深く、しかも素早くできたら、自分もラクになって、のびのび準備できるかもしれない

そんな俳優や歌手の方にもお勧めです。

ジャンルを問わず、また、年齢や所属を抜きにしても、

・どういうわけか台本を何度読んでも役が立ち上がらない

・それなりに感情は動いているつもりなのに、なぜか観客に届かない

こうした違和感は、演技力ではなく“読解の方向”に原因がある場合が多いです。

そうなんです、国語の意味はもちろんわかっている。日常生活には差し障りがない。それでも何かズレてしまう時や深めるのに時間がかかってしまう時がある…。

私もかつて同じ壁にいました

書かれているセリフは読んでいる。

状況も把握している。

稽古でもミスは少ない。

セリフもちゃんと入っている…なのに「ちょっと浅い」「何か違う、もう一回」と言われる。

何が足りないのか分からないまま試行錯誤を繰り返していた時期が、私にもありました。またそれに付き合ってくださった演出家の先生方や先輩方には本当に申し訳ない気持ちです。

子供の頃から事務所にいて、レッスンを受け、演劇科の授業も受け、舞台に立ち、活躍していた俳優の先生方からも指導を受けていたのに、読みが浅い、もっと深めてこいと言われる原因と改善方法は、当時の私には曖昧でした。

今の現場なら….時代的にも、おそらく具体的に指摘もされず、なんとなくオーケーが出て、もしかするとただ呼ばれなくなる…そんな怖さすらあります。

こうした壁は、初歩よりもむしろ“ある程度できる俳優や歌手”ほど直面しやすいものです。

できて当たり前の基準が高くなり、「深み」や「厚み」が当然のように求められるからです。それこそ、周囲の期待も高まります。

初歩時代のように、教えてください、わかりませんと言うわけにはいかないからです。

読んでいるのに浅いと言われる本当の理由

多くの俳優が「読解=書かれていることを読むこと」だと無意識に思い込んでいます。ですが、これは半分しか合っていません。

演技に必要な読解には、次の四つがあります。

  1. 台本に書かれている事実

  2. そこから推測できる背景・関係性・感情・文脈

  3. 書かれていないが論理的に想定できる事実

  4. 書かれていない部分から導く動機・理由・心理の可能性

この4つを区別して読むと、役の立ち上がり方は一変します。

同じ「ごめん」でも、誰に、何に対して、本気か、方便か、関係性はどうかで、意味が全く変わるからです。

その上、ドラマですから、そもそも、裏腹のこともありますよね?

バックボーンをつくることで演技は立体になる

書かれていない部分を、感覚ではなく事実と論理に基づいて埋める。これが役のバックボーン作りです。役の事情を自分で用意しておくことで、稽古もリハーサルも驚くほど滑らかに進みます。

背景のない演技は、「当たり障りはないが刺さらない」表情・動き・喋りになりやすいもの。

例えば、リズム・強弱・テンポ・間・サイズ…すべてを役の事情とつなげられることが、現場で評価される演技につながります。

この具体的な方法を、台本を青写真に進めていきます。

台本を読むことから、動ける身体が生まれる

俳優にとっての「読む」は文字の理解ではありません。台本には、関係性の変化、緊張と緩和、沈黙の理由など、行動の手がかりがすべて書かれています。

そこに解釈があるわけですが、一気に飛ぶわけにはいきません。

想像するにも、事実から推測できることからスタートします。

ただ、どんどん理解の質が上がると、声も動きも自然に立ち上がります。無理して気持ちを出そうとか、段取りを覚えてなぞる必要もなくなっていきます。いわば、良い台本であればあるほど、必然性が実感できます。

ここ、すごく気持ちいいですし、面白いですよ。

おうおうにして読む力が育つほど、役に押し出されるように身体が動き、反応が生まれます。

自主練では気づきにくいズレ

友人とシーン練習をしても、どこを直せばよいか分からない。

自撮りを見ても、自分では判断がつかない。

これは珍しいことではありません。

読解の方向がズレたまま練習量だけ増やすと、望ましくない癖を強化してしまいます。

そうなんです、「とんちんかん」が上手くなってしまう。

根拠は無いのに、妄想する癖が強化されてしまいます…

役の構造に基づかない練習は、努力の量に比例して平面的な表現になってしまうこともあります。

せっかくの時間が、もったいないです。

現場で通用する「演じるための読解」

・シーン練習をしても改善点が分からない
・何を変えれば仕事につながるか判断できない
・養成所では教わらなかった準備方法を知りたい

こうした方にこそ、オンラインで行う台本読解は役立ちます。

世界中で使われている読解の考え方を、日本語で一つ一つ具体的に、体系的に扱います。

作品のジャンルに関わらず、役を掘り下げる方法、選択肢を広げるだけでなく、自分の役のために絞る方法、必要な現場で提案できる俳優になる方法を具体的に学べます。

今回、今までのオンラインクラスで足りなかったところも含め、また皆さんと共有したいシーンの鉄則や役立つドラマのルールもシェアしていきます。

年末スペシャルということで、少しクラスの時間も長めになってます。

読む力を、動ける力へ

俳優のよくある間違いが「セリフから感情をもらおうとする」こと。

順番が逆で、まず役の事情があり、その結果としてセリフが必要になります。

この字に文字で書かれるとみなさん納得されるのですが、いざ、台本目にすると、無意識に逆の順番になってしまいます。

では、どうしたら良いか?

具体的に、整理しながら読む力が深まると、頭で考える前に行動が自然に現れるようになります。

このオンラインでの台本読解一夜間(と二日間の演技の実践クラス)では、その流れを体験的に整理し、表現へつなげていきます。

抽象的なダメ出しに悩んでいる方、頑張っているはずなのに伸び悩んでいる方、現場で精度を上げたい方、もっと上へ行きたい方に最適です。

講師からのメッセージ

私は、プロの俳優・歌手と、本気でプロを目指す方を対象にクラスを行っています。よくあるオーディション型ワークショップではなく、欧米スタンダードの“積み重ね型のクラス”をベースに、一人ひとりが確実に変化を感じられる時間をつくっています。

キャスティングでも演出家でもないからこそ、個々の演技を徹底して見つめ、伴走できます。幼少期から舞台や音楽、ダンスに関わり、イギリスの演劇学校と大学院での8年間の学び、20年以上の指導経験、今も海外で続けている研鑽が私の土台です。

●12月27日(土)年末拡大版「自分ごとで演じる」オンライン台本読解スペシャルクラス

理解が深まると、準備はシンプルになります。台本を読む時間が“楽しい”に変わり、役の世界が見えてきます。

「自分でも驚くほど感じられた」
「苦手意識があった演技が、こんなにできるなんて」

そんな声をいただくクラスです。この年末のタイミングで、次の一年の準備として最適な集中時間を過ごしていただければ嬉しいです。

12月27日(土)18:00〜22:00
オンラインZOOM開催-事前にリンクを共有いたします。

対象:俳優・歌手・声優

演出家・脚本家の方のご参加も歓迎しております。

ご参加費 お一人 10,000円(税込)

お申し込み・お問い合わせは

メール 📩 kaoru@(あっとまーく)kaorukuwata.com

他にも、下のブログのフォームや各種DMまたは公式LINEのトークから承っております。

● 同時開催①-12月28日(日)、29日(月)13:00-16:00 共感と同調

演技に欠かせないのが「交流」です。

ただ、実際の「交流のためのスキル」がピンとこない方も。

特別に考案された同調のエクササイズ、共感を味方につけるためのエクササイズを通して、役の意図、動機、目標や目的についても、頭で考えるのではなく、感覚的に学ぶエクササイズのクラスです。

ペアで手背中や肩に触れることがございます、気になる方はご相談ください。

このクラスでは、セリフを入れてくる必要はありません、そのような課題もありません。ご安心ください。

詳細はこの演じるための同調と共感のクラスの記事をご覧ください。

●同時開催②12月30日(火)、31日(水)12:00-16:00 少人数制シーンを使った演技クラス二日間

シーンピークと役の個人化

オンラインでの台本読解で準備した内容をふまえて、実際に演じることを通じて、演技の総合力をアップさせる、プロの二日間のクラスです。

・自分ごとでしゃべることと交流の極意

・目的に向かう推進力とシーンにメリハリや起伏をつけるための分析

・よくある中だるみ、停滞、平坦さを避けるための実践的な方法

・なぜ芝居クサイく、しらじらしくなるのか…これを超える方法

・役の人物を深めていくためのアプローチとその応用

ジャンルを問わず、演じる方に最適な、現代の生き生きとした、お一人お一人に合わせた、指導を目指しているため、少人数で行います。

こちらのクラスに参加のご希望の方は、特殊なご事情がない限り、12月27日金曜夜のオンラインでの台本読解クラスに必ずご参加ください。

こちらのクラスの詳細は、演技の少人数制シーンクラスのページをご確認ください。

クラスのお申し込み、個人レッスンのご相談、ワークショップ等への招聘には
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お急ぎの方には公式LINEもございます。こちらからのトークのスタートはできませんので、一言ご挨拶かスタンプお願いします。

 

公式LINEからのお知らせの一斉送信は月に1回程度、 多くて2回程度です、ご安心ください。

「今回は どうしてもスケジュールが難しいけど、次回のクラスを知りたい」という方は、
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📩 次回の優先案内を受け取る →https://lin.ee/2HZK7jV

「現場での課題について相談したい」「オーディション対策の個人レッスンを申し込みたい」「身体や呼吸のことから見直したい」という方も、上のフォームよりお気軽にご連絡ください。

事務所・マネージャーの方で、「所属俳優にレッスンを受けさせたい」「講師として招聘を検討したい」といったご相談も歓迎しています。オンラインでのヒアリングも可能です。

 

講師プロフィール

鍬田かおる
演技コーチ/インティマシー・コーディネーター(ディレクター)
イギリスSTAT認定アレクサンダーテクニーク教師。演技指導歴20年以上。映画・舞台・ミュージカル・オペラで活躍する俳優から歌手、ダンサーや声優まで幅広く指導。プロフィール詳細はHPよりご覧ください。

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