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「演技を学ぶ」のは間違い?!ー演技法の前に…

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こんにちは〜!いつも読んでくださって、ありがとうございます、演技コーチ20年+ くわたかおる です

さて、本日は気になる「レベルアップ」や「学んで磨く」のお話です。



映像であれ舞台であれ、作品という限られた時間枠内で、どうしたら現代のお客様を相手に、継続的に、

効果的に物語を通じて、テーマを体験させ、時には疑問を呈し、共感や反発を用いて、共有の感覚や感情の体験していけるでしょうか。

もちろん、ライブならではの醍醐味、映像ならではの強みもそれぞれありますが、もし、実演家自らが、早朝から深夜まで稽古づめの時間が多い、

あるいはごく一部の人しか専門的な知識やスキルを磨く余裕がないとしたら….

それもある意味、「現場で学ぶ」というような言い回しに代表されるように、経験的にしか働き方を身に着けにづらい場合(まず現場にいける人数も、現場の時間も限られている!)、

その仕事は結果的に効率が良かったり成果が上がったりしそうでしょうか。

もし、本当の意味での効率と成果を期待するのであれば、パフォーミングアーツ関連の学習にも、量ではなく質を、主観性ではなく客観性を求めるべき場面もないでしょうか。

確かに、嗜好はひとそれぞれですが、文学や工芸と類似して考えれば、不特定多数に訴える性質をもってしても、

さらに、やはり特殊技能や専門性を備えるという意味でも、質が高く客観性があるという意味で「プロに適した」学びとはどんなものでしょうか。

例えば、私自身、身体のうごきで「みえて」、声で「きこえない」演技や演出、パフォーマンスの類は、どんなインスピレーションや意図があっても、やはりスキル不足、内容の練り不足、練習不足と指摘されたのはイギリスへ行ってからです。

本日は、私が1番よく知っているイギリスの例を挙げますが、自分が「ユニークだと思い込んでいるだけ」のものは、文脈や歴史からひもとかれ、体系づけて、どうしても論破!され、こちらも意識を新たに、価値観も更新される、この循環によっても、プロのカリキュラムも現場の作品づくりの環境や内容自体も、次々と磨かれていくものでした。
そこで、「ムーヴメント」✖️「アレクサンダーテクニーク」という「間接的な」アプローチをつかって、この機会に演技を「根っこから」学ぶことをぜひオススメします。

 

特に、我流で行き詰まっている方々、

今まで基礎トレーニングをやったことがないと言う方(初歩ではありません)

一生懸命、いろんな演技のメソッドや、有名な演技法のクラスに通っているけど、精神的なことばかり言われると言う方々

これらの方々の突破口になるのではないかと思います。

特に現場はあるがちょっと伸び悩んでいる方にお勧めしたい。

と言うのも、世界各地にはいわゆる映画スタジオや演劇学校、芸術大学、昔でいうコンセンバトワール等から、私塾、専門学校のようなところまで、たくさんあります、それぞれの良さもあります。

そして、舞台でも映像でも通じる演技というものを、100年以上も体系立てて、しかも現場との連携を取りつつ、時代に即したカリキュラム編成をしながらも、継続的に、欧米を中心とした映画スター、各地の有名舞台の著名なたちを排出しています。

ノーベルショー作家、その時代を代表する演出家らを「体系的かつ現実的に」育成してきた有数のスタジオや学校には、共通点があります。

それは、毎週、毎年のカリキュラムに必ず含まれている「ムーヴメントとヴァイス、そしてそれらの土台になっているアレクサンダー・テクニーク(動きと声、Alexander Technique)」とも言るからです。ムーヴメントとボイスはおよそ週に3回ずつが平均。

しかも、(私の母校の例ですが)例えば、ムーヴメントは別々の先生が異なる切り口や専門から教えます。

演技のメソッドも4つか5つの種類をそれぞれ週に1回ずつぐらいあるので、いかにこの土台作りとバランスが大事かがお分かりいただけると思います。

そうなんです、特定の演技のメソッドのクラスが週に3コマあるのではなくて、1つの演技のメソッドのクラスは週に1回、多くて、2回。

一方、ムーブメントとボイスはそれぞれ3回ずつです。

これを逆にイメージしてらっしゃる方が、今も多いかもしれませんが、いかに土台が大切かと言うことですよね。

(例えば演劇学校で卒業する3年目になると、そのバランスは個人レッスンなども増え、またリハーサルの時間が増えるので少し変わります)

 

まずムーヴメントでは、1部で誤解されやすいのですが健康や美容のための運動ではなく、様々な動きを使って、それらの動きが引き起こす感覚やイメージ、感情との結びつきを重視します。

「動いているから感じる」

「動きが想起させるイメージや感覚を養い、作品作りに使う」

に始まり、もう少し学術的には「現象学」に至ります。

 

さて、現実的な部分のお話に絞ると、ムーブメントの中にも、役作りにも役立つアニマルスタディやいろいろな複数の柱があるのですが、その中でも、特に際立っているのがハンガリー生まれの演出家でもありダンス研究家でもあったルドルフ・ラバンのメソッド。

中でも、「行動の原動力」となるエフォートと呼ばれるいわば「動きの質」とでも言うのでしょうか、これを指針に学んでいるところも多い。私の演劇学校もそうでした。

この「動きの質」が感情の理解に役立つ。

しかも、はっきりとした8種類からスタートするので、初めての方にもわかりやすいです。

そうです、動きは、目に見えて、具体的で、繰り返せるから、非常にトレーニングしやすいのですよね。

トレーニングがしやすいところから入って、抽象的な概念や、目に見えないもの、例えば音へ結びついていくと言うのも効果的、かつ効率的と感じました。

そうなんですよ、突然「心理」から入らない。

唐突に「台本を読む」からスタートしないんです。

それ以前に、土壌をしっかりと耕す、ならしておくと言うイメージでしょうか。

これがないと、動きの変化がむくむく想像できないのに、台本を読んでペラペラ喋る人になってしまったり、身体不在の役を持て余します。

 

一生懸命だからこそ、ついうっかり他人の心や、自分の心を、ただかき乱すような、専門家でも難しい心理の域にドカドカと土足で入っていってしまう。これは非常に危険です。

かく言う私も大学院でムーヴメントの指導と教育学、俳優育成を専攻しましたが、俳優育成や演技の指導には、特に、欧米ではもう一世紀以上の伝統・歴史がある中で、演じることだけではなく、音楽やダンスにも共通する土台のあり方や仕組み、学習のプロセスなどに関する多くの科学的なファクトや学術的な研究が次々と進んでいます。

だからこそ、こういった土台の部分に目を向けるべきだと思います。

その意味では、「ラバンの運動と動きの分析」に基づく学習は、目で見えて、音で聞こえて、安全に、繰り返せる学習法であり、日本でもっとレベルアップしたい、底上げを希望する熱心な方々にとって、重要な意味があるのではないでしょうか。

ちなみに、ラバンは、動きを楽譜のように見える化した根っからの舞台人でもあります。

いろいろな演技のメソッドを試すのも良いのですが、そしてそれも必要なのですが、せっかくの努力を実らせるために、ムーヴメントでそこ上げ、いかがでしょうか。

 

さて、ヴァイスも同じく、身体の準備から始まります。突然大声を出して叫んだり、ただ発声練習をすると言うものでありません。

そもそも声を出すと言う事、言葉が必要になると言うのはどういうことなのか、から始まります。

観念的と思われるかもしれませんが、具体的なエクササイズ、身体の様子の調節から始まります。

朗唱や朗詠の文化があるイギリス人にとって、これは我慢がならない、忍耐の期間かもしれませんね。

何しろシェイクスピア作品のように喋って伝えたい。とにかくたくさんセリフを練習したいと言うのは、日本の方にも耐えがたい欲求だと思います。

しかし、それを少し落ち着いた視点から、捉え直すことで、「自分の思い込んでいた声」から解放されます。

だから言葉との関係も変わります。

ムーヴメントと同じく、やはり土台からなんです。

演技のメソッドをただ輸入するのではダメで、その土台の部分をしっかり根付かせる必要がある。

 

残念ながら、語学や楽器演奏と同じように、ラクな近道はありません。毎月毎週のコツコツがどうしても必要です。だからこそ、このオンラインの時代にも、各種の学校やスタジオはなくなっていません。

そして、この土台を根付かせるためにひと役買っているのが、実は1世紀以上の歴史のある「アレクサンダー・テクニーク」

こちらは、動いたり声を出したりする。以前に、自分が日常生活からどんなふうに自分の考えを持ったときに、身体を緊張させたり、声を出して喋ろうとしたときに、余計な構えを混ぜていたりすることを見直すところからスタートします。

いわばすべての棚卸し。

身体の過剰な構え、声のクセ、強すぎる思い込み…

自分が思い込みに基づいて肩を上げたままでいたり、必要ないのに噛み締めていたり、良かれと思ったからこそ、ついつい足を突っ張ってしまう…

そういった生活で染み付いているつい傾向を解きほぐします。

頭ではわかっている喉に悪い声の出し方や、役として行動するのに役立たない動きの傾向も防げるから、やりたいことが実感を持ってできるようになります。

だから、ムーヴメントのような動きのレッスンと、ヴァイスのような声と言葉のレッスンが、吸収しやすい。

確かに、私が見ていた金の卵たち1年生、2年生たちもそんな様子でした。

 

さらに言えば、そのプロセスを自分で定期的に回しているプロの俳優たちは、現場を抱えつつ、悩みもありつつ、

挑戦を続けながら、節目節目でスッキリした表情でいるのが思い浮かびます。私の友人たち、同級生たちもそうです。

紆余曲折がないんじゃなくて、あるにもかかわらず、根っこの解きほぐし、土台の定着を怠らず確認して、のびのびしている、そんな感じです。

せっかく俳優や歌手としてもっと飛躍していくなら、そしてすこやかなライフスタイルで、息の長い活躍をするならなら、

ただ、いろんな家を建てようとするんじゃなくて、根っこの見直ししませんか。

土台がしっかりしてれば、上にいろいろなものを載せられますよね。しかも安定します。

そして、きちんと根付いていきます、これが自分のものにすると言うことです。

いくら熱心であっても、誰しも時間は限られていますから…


学び上手になるための3つのコツ
みなさんはレベルアップには何が優先だと思うでしょうか。

私も、実は、こういったことに、ずっと興味があったのですが、経験的にも、そして多くの書籍にもあるように、

例えば、かの有名なマルコム・グラッドウェルの1万時間の法則

ある分野でスキルを磨いて一流として成功するには、1万時間もの練習・努力・学習が必要だという主張がありますが、

(マルコム・グラッドウェル氏の著『天才! 成功する人々の法則』 講談社、2009年 原題:Outliers: The Story of Success)

一定程度は真もあるとして、

しかし、

1日の平均練習時間を3時間と仮定すれば、1万時間はおよそ10年に相当になってしまいます。

 

しかし、著書を読めばわかるように、そして多くの名優や監督、演出家たちがやってきたように、

「質を高めること」

「継続的なフィードバックを得ること」

「専門家につくこと」

「真剣に、全力で取り組むこと」

「目的・目標の設定と習慣化」

を掛け算することで、多くの場合は加速していきます。

さもなければ、単純計算では、

平日8時間 約4年9ヶ月
毎日8時間 約3年5ヶ月
毎日12時間 約2年3ヶ月
週末2時間 約48年

もし、ほんとうにこれが鉄則では、なにも一流にはなれません、そして、つらすぎます!

工夫して、先人の知恵を拝借しつつ

健康第一で、着実に進んでいきたいものです

 

本日はこれにて!


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けど、エログロで後味はだいぶ悪いので、お気をつけあそばせ!

一般公開時の予告編はこちらです

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おまけ映像で、わくわくして小説を読むといいかも!

 

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