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演技のカラクリ③「感情」?「状態」?どっちかな?

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演劇や音楽、ダンスなどを教えたり自分も学んだ理していると、避けて通れないのが、この「感情」やら「気持ち」やら「情緒」などと呼ばれるものです。^^;

厳密な区分けはさておき、演劇の現場で一番問題になるのは、どうやら「感情」なるものと、「状態」と呼ばれるものの違いが曖昧になっていたり、どちらかがどちらかの代わりになると勘違いしている場合に多いようですね。。(-_-;)

はい、ズバリ!

「状態芝居」はやめましょう!

…というのは、

①例えば、超名作!素晴らしい巨匠イプセンの「人形の家」

主人公の妻・ノラが秘密がばれないかと「緊張して」、ハラハラして、ドキドキして、後ろめたい様子で、「慌てていて」、とっても「困っている」。

え~っとね💦確かに、夫に内緒の借金の話なんで(苦笑)、そうなんですが、それだけでは、ノラの人物像も、夫婦関係も、ことのいきさつも、さっぱり分かりませんよね?(笑)だいたい、夫を好きなのか、嫌いなのか。そもそも父親を好きだったのか、どうか。子どもたちを好きなのか、どうか。これらの柱になる「大きな感情」がないといくら状態をとらえていても、どこか「他人事」デス。(T_T)

🐣

②例えば、ミュージカルのレ・ミゼラブル!笑

そそ、歌やダンスでもね、ただ「興奮してま~す♬」とか「ただ、驚いてま~す♪」と歌われて踊られても、なぜなのか、さっぱりわからない。(-_-;) なぜ、ジャンバルジャンを追い回すのか?なぜ、執念を燃やすのか?

動機は大きな「感情」から来てますよ?☆

燭台を盗んだとき、どんな気持ちなの?見つかってしまったとき、どんな感情に動かされている?「あげたものです」と言ってもらったとき、どんな感情が湧いてきて、どんな衝動へつながったかな?

….などを想像するのが、美味しい!🍎 疑似体験するのが、面白い🌰

===

③いわゆる「ドタバタコメディー」でも….

そうそう、ジャンルはさておき、物語の原動力は人物たちの「感情」から。寒いとか貧乏であるとか(笑)、隠し事をしている、心配しているなどの「状態」ではありません。

そう、寒くても「幸せ」を感じているヒトはいる。

貧乏だからこそ「怒り」に敏感になっている場合もある。

隠し事をしているのは、実は大切なヒトをとっても「好き」だから、かも???

そして、心配しているのは、必ずしも相手のためではなく、誰か別の「愛している」ヒトをかばっているためかも?!

そう、感情が役の人物の中心で、思考と一緒にうごめいているから、さまざまな「言動」の原動力になって、物語を展開していくのだ!🚙

ですので、

俳優が役の人物として、与えられた状況にいて、ただ悩ましげに、心配そうに、ウロウロして、困っていて、さむがっていて、探しものしてて、驚いていても…

深まらないのよ。何も。。。😢 残念!

感情と状態を整理するところから、

そして、片方だけにならないよう、

研究、そして練習!

してみてくださ~い(*^^)v

解説オマケ:シェイクスピアの面白ろコメディー「から騒ぎ」

べネディックとベアトリスのドタバタぶりとグルグル回って血迷っている二人のケンカやべネディックのモノローグに代表される思考はみ~~~んな相手を本当は愛しているが故、ですよね♬ シェイクスピアでも油断しないで(笑)あちこちで、明らかにセリフに書かれていないシーンのサブテキストを考えて演じてください。

思考、状態、感情、状況の説明の違いが整理できれば、あともう一歩!

苦手かなと思う方は、年末のモノローグ道場へぜひ(笑)おいでくださ~い。いろんなヒトの例をみて、自分もたくさん試してみて、さまざまな感情のつかいこなし、思考との組み合わせに慣れて、もっと実のある時間を長く、芝居中に味わいましょう!

カンタンだよっ😊🎶

みなさんもよい週末を~♪

 

 

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