数年前、とある事務所の小部屋で事務方の教養ある素敵な才女と、何という事もなく、珍しくただお茶を飲みながらテレビをみていて、驚いたことがある。
Kaoru「?!」
たんたんとテレビ画面をみている二人、そして…
Kaoru「…….あの~、この方、○○の●●さんですよねえ~?」
才女「ああ、そうですよ、ちっとも変わってないですか…..?」
Kaoru「この感じ、そうですねえ、落ち着くといえば落ち着きますけど、ははは(笑)(-_-;) 水戸黄門みたいなもんですかねぇ…」
才女「まあ、そうなんでしょうねえ、面白きゃないデスけどねぇ…同じことばっかり…..」
Kaoru「飽きないんでしょうか?やってて面白いんでしょうか、本人は?」
才女「さあ?もう、そういうんじゃないんじゃないですか?何かを学んでるってわけでもないでしょうし….つまんないデスよねぇ…..」
Kaoru「…つまんないまま平気でいるって、ある意味スゴイですよね、ははは(苦笑)💦感じないんでしょうか?」
才女「興味ないんでしょうね、そういうことに。ただやってるというか…考えないんでしょうね、何にも。」
お茶をすする二人。そして….
Kaoru「いや~、まさか私が小学生の時と同じままの芝居のヒトがいるとは….笑 ただ生きてるだけで、好き嫌いはさておき、学んじゃうもんですけどねえ、いろいろと。」
才女「そうでもないでしょうねえ。ただ生きてるだけじゃねぇ。さあねえ。何にもしてないんじゃないですか?」
と、ここから、周囲の方及び一般的な若者たちの雑談へ展開していった…
それもピリ辛の 🍛 (^^;
そんな昼下がり。
結論①「ただ死なないでいるだけで、何かが学べたり、身についたり、ましてや何かができるようになったり、使えるようになる人はいない」
結論②「学びたい!勉強したい!試したい!というような(知的)好奇心は教えられない、与えられない」
😡 文字にしてみると、至極当たり前で恥ずかしいが、忘れてるヒト、やたらいるみたい。
この「何にもしてないんじゃないですか」にグサッときた私は、ロンドンでもうるさく言われた(笑)「生涯学習」への決意を新たにしたのだった。な、なるほど…専門家でなくても、他人に伝わるのだな….ひいいいいィ~ (T_T)
***
演劇の恩師たちの一人に、日本では特にお世話になった今は亡き俳優のA先生がいるのだが、その先生は特に「勉強の鬼!」であった。
私邸の半分しか私は立ち入ったことがないので知らないが、それでも、どの部屋もまるで書庫であり、資料室であり、実験室であり、稽古場であった。演劇とその周辺だけに留まらない膨大なコレクションは、先生の演劇、舞台芸術への追求の証であり、先生の知的好奇心の溢れんばかりの現れで、私たち若手が勝手に読みあさって(有り難い!)、糧にしてよい素晴らしい栄養であった。そして60過ぎて(通信制だが)大学へ入学し、卒論を書き、卒業した!しかもバリバリ毎日働きながら!体力ありすぎ、センセイっ!(笑)
A先生はよく言っていた、
「おまえたちねぇ、学べるってことは、すごいことなんだよぅ。戦争で勉強できなかったからね、学びたいんだ、もう一度。ちゃんと学びたいんだ。学べば、いろんなことが分かるんだから、芸の肥やしにだって、なるんだから。知るってなぁ、調べるってねぇ、面白いんだよぉ~☆文章だってさぁ~、学ぶってなぁ、楽しいんだよぉ~♪」
と目を輝かせて、少年のように夜な夜な演劇クラスの合間に熱くホクホク語る先生。
未熟者(当時17歳~20歳)の私は、その度に言葉を持ち合わせておらず、ただ、
「そ、そうですか。」とか「へ~え」とか「ふ~~~~ん」
などとしか言えなかった。
….愚か者!Kaoruよ!
今、分かります、先生の言っていた言葉の真意が、そしてその価値が。感謝!!!
時間は平等に流れます。
無駄はないとは言わないけれど、学ばなければ、当然、多くの知識や教養・素養、数々の能力は体力とともに放っておくだけなら衰えるでしょう。自分にがっかりすることも増え、愉快でない時間も増え、つまらない方法ばかり使うように、その場しのぎになります。
そう…レベルはさておき、スポーツやダンスと同じで、
「楽しむにも(何らかの)継続的な学習が必要」
こんな勉強好きのA先生に感化されたのか、その後、ロンドン大へ進学したKaoruでしたが、そこで出会ったのは、さらに輪をかけて勉強好き・学習好きな演劇&舞台表現学科の先生たち仲間たちでした。
日本の大学や養成所で教え始めて、はや十年以上が経ちますが、
・新しいことを学ぶ嬉しさ、
・異なった方法を学ぶ楽しさ、
・学ぶことで、自分がより自由になっていく解放感、
・何か(語学でもダンスでも歌唱でも知識でも)を身につけることで、新しい感じ方、ものごとの見方、いろいろなものの聞こえ方、その他、世界とのつきあいが変わる感覚、
・できないと思っていたことができるようになる快感、自尊心
・苦手なことが減る安心感、信頼感、自信
・他人と共有できることが増える喜び、愉快さ
などなど….を味わったことがない人は(個人的な意見ですが 笑)「不幸」だと思います。(断言。)
で、8年の留学を経て、日本に帰国して驚いたのが、
8年前と同じ内容で悩んでいる人、8年前に現状の把握が済んでいたはずの人々が…
何もせずにいたこと!!
問題たち、解決してな~~~~い!
😠
養成所を出たときが能力開発&能力発揮のピークだったと思しき方々をみるととっても残念な気持ちになります。うごき、声、演技の質、交流、感情のこと、想像力、その他…..学生や見習い期間が(公式に)過ぎた後、何にもしてないと、「つかえる方法」が減ります。そうです、工夫してないのですから、負荷がかかってないのですから。
筋肉が落ちるのと同じように、脳もつかわないでいちゃうよね。で、退化する、と。
でも、退化している本人は気づかない。慣れていっているから、徐々に。老いと同じです、残念ながら。身体なんて、特に目立ってそう、見えづらいだけで、心も同じ、頭も同じ。
よく、子どもの幼稚園や小学校の運動会で数年ぶりに運動をがんばっちゃった父母がケガしているけど(笑)、それと同じよね。無理できない体になっているし、無理できる余地もない。無理を感じ取る感覚も鈍っているのだから。
😢
そう、ワタクシごとですが、
数年ぶりに、無理やりがんばって(笑)つくった母のお正月用の煮物は超!まずかった。
母曰く「だって、こんなの何年も作ってないもん!忘れちゃったわよ!」
不味い煮物を肴に…..
そう、何事も練習が大事。
つかわなければ、一度身につけたはずのスキルも感覚も衰える。
と改めて確信した日々です。
かく言うワタクシも、ピアノは8年近く(毎週レッスン)習っていましたが、現在、まったく弾けません。そう、20年以上練習していないからです!(◎_◎;)💦もったいないことをしました。反省。。
演技コーチ/ムーヴメント指導・演出・振付/IDC認定インティマシーディレクター/STAT認定アレクサンダー・テクニーク指導者/スピーチ&プレゼンテーションコーチングActing Coach/Movement Direction/IDC qualified Intimacy Director/STAT certified Alexander Technique teacher, mSTAT, Movement Teaching/Speech and Presentation Coaching
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