戯曲読解&分析のワナ 第1回「事実が大事」

私が高校生のときから習っていた今は亡き恩師A(俳優)がいつも言っていたこと。

「かおちゃ~ん。具体的だよ~、具体的!おまえは観念的なんだよなぁ、なんかぁ。う~ん、俳優は具体的でなくっちゃぁ~、やれぇ、具体的に~!」

(T_T)

3年近く言われ続けた日々。

その後も私の留学先のロンドンまで達筆なお手紙をくれた温かい師匠。実の娘のように本当の意味で本気で叱ってくれて、信じてくれて、最期までかわいがってくださった先生。

そうです。

今になって、その後、ウン十年を経て、先生の有り難さと正しさが染み渡る冬の空。

苦笑

授業だけでなく、シーンのクラスや外の企画やWSなどをやっていても毎回感じること。それは、「戯曲読解&分析」が「事実」に基づいていない!

しかもまったく具体的でない!という恐るべき事態!

由々しき問題でっす!(# ゚Д゚)

伝統的な「いわゆる」戯曲読解&分析でも、スタニスラフスキー・システムでも、戯曲が文字に書かれた他人の生活の様子や言動である以上、ただ妄想してちゃダメだろ~!ただ観念的に分かったつもりになっててもダメだろう~!ただの調べものも足りないだろう~、博物館じゃないんだぜ~、演劇は~!!!(笑)

というわけでこのブログの「カンタン!戯曲読解&分析」コーナーでは具体例を出して、戯曲を読むにあたっての注意やポイント、分析の方法などをご紹介していこうと思います~。!(^^)!

戯曲を読むのに慣れているプロの方々、

戯曲を読み始めてまもないヒヨコの方々、

ご自身の俳優メモなりジャーナルなりノートなりが、具体的な読解&分析になっているか、まずはご確認ください。

例えば…

「あなたのキャラクター(役)は何ですか?誰なのですか?」というような問いに…

「不幸な女です」とか「綺麗な女性」と答えてないよね?!

まさか!

「この人(自分が演じる役、キャラクター)はどうしてこんなこと(セリフ)言うんだろう?どうしてこんなこと(行動)するんだろう?」

なんて、しょっちゅう思って…ないよね?!ないよね?!

思っていた方、お心当たりの方へ。

まずは戯曲読解&分析前にたくさんの世界の名作と呼ばれる時代と文化を超えて生き残る名作小説をお読みください!

その上で、

世界の名作といわれる戯曲を「事実」と「事実から推測できること」を分けてノートにお書きください。

ここがスタートです。

のんびりになりそうですが、まだまだ続くシリーズで~す~(^^)/

毒舌好きの方々、しばしお待ちくださいね!

本日の写真は最近読んで面白かった、己が何者かが具体的な方による、具体的な例がたくさんの面白い&読みやすいお気楽な良書。お試しあれ~!

虎の巻:第2回 願書や応募書類のミソ 後編

小学生の時の記憶が鮮やかに蘇ったKaoruです。(^^ゞ

引き続き、大切な書類チェック!

⑤ 趣味・特技

④と似ていますが、ここで学歴や経歴とあまりにも矛盾しすぎる「ウケ狙い」のような「リリアン」とか、どうにも良い予感のしない「お笑い芸人○○の真似をしながら▽をする」みたいな「面倒くさい」ことを書くのはやめましょう。ほぼ「不遜な人」と思われます。趣味も「走ること」と書くと「マラソンではないのね?」と疑われ、「人間観察」と書くと「何もしてない」ってこと?とツッコまれます。真摯な内容をお願いします。つまり日常が出ます。普段から書いてプラスになることをしておきましょう。

⑥ 最近みた公演(観劇)など

ときどき、こういう欄があります。もし劇団など特定の集団の募集でしたら、何本かは(直近でも)観ていなければ怪しまれます。みてないのにどうして「出演したい」と思えるのか、謎。。聞かなくても不思議に思っています。自分が興味がなかったものにどうして出演したいのか?自分がお金を払って観てもいないものに出ることで、なぜ自分に報酬が発生すると思うのか…?冷静に考えれば分かるはず。真摯な付き合いをしましょう。家が遠いといっても関東甲信越内で公演があるのに観ない場合でしたら、熱意がないと思われます。地方でも旅公演はありますし、交通手段も発達していますので、言い訳しにくい時代です。覚悟しましょう。

⑦志望の動機

こじつけはバレます。会社のエントリーシートではありませんが、正直に書きましょう。「○○座のオーラに惹かれて」のような摩訶不思議な発言や「本当の自分を発見したい」のような勘違い発言をすると怪しまれます。「布教」は要りません。社会人の意識で、一般的な大学で知性を疑われるような発言は×です。「ウケ狙い」は書面ではほぼ通じません。逆にやる気がないとか不遜と思われます。

その他の注意点

敬語、漢字の間違いは最小限に。-不注意な人、知性に問題がある人と思われます。

現実に即して書くこと。-実際と書面が違いすぎる場合、ブラインド・デートのように振られます。恋愛と同じです。(笑)

正直に書くこと‐「事務所の人に言われたので本当に受けたくないけど、仕方なく出しています」と書く必要はない!(笑) でも経歴などの詐称はバレます、やめましょう。

一般の書類と同じです。相手のためを思って、相手の読みやすいように、他人が読んでも見ても理解しやすいように、想像力を働かせて準備をしておきましょう。

「やる気だけはあります」とか「一生懸命さは負けないです」「とにかく好きです!」など部活みたいにゴリ押しする文章はやめましょう。元来、好きなことを極めたり専門的に学んで働いている人が多い業種です。やる気があって、一生懸命で、好きでいろいろ工夫して、仕事をやっているのは(ほぼ)当たり前なのです。

年末にかけて、オーディションの虎の巻②へ続きます。乞うご期待!

写真はこれからの季節に嬉しい「火鍋」。これはマレーシアで食べた本格的なもの♥

 

虎の巻:第2回 願書や応募書類のミソ 前編

あくまで参考例ですが、これまで書類を出してきた側(懐かしい)、書類を毎年みる側としての経験から「あり!OR ナシ!」を整理したいと思います。

2016年に備えて充電期間中の方々や新年度に怯える(?)学生さんの参考になれば幸いです。先生方は…「あるある!」「そうそう!」をお楽しみクダサイ。

①基本的及び重要な記載事項

名前や連絡先等は指定通り、相手が読みやすいようにはっきりと書きましょう。略式表記や俗称はいけません。アホまたはふざけていると思われます!

②プロフィール写真!

これが問題!演劇に限らずバレエやオペラ、声の仕事でも問題になる重要な写真。まず、サイズは守ってください。以前、写真欄の中心に小さなパスポート写真を張り付けていたナマケモノがおりましたが、当然、落ちました。

世の中まだ捨てたもんじゃありません。

とにかく、はっきりと顔や全身なら姿がみえるものを。サングラス、帽子は禁止…って書いてて、アホらしくなってきたぁ…しかし、前髪が邪魔な写真、おしゃれ用サングラスがヘアバンド替わりになっている写真、おしゃれをきどった禿隠しと誤解される帽子、カラーコンタクトで目の表情がなくなっている方たち、もったいないです、やめましょう。

最近多い、デジカメでセルフィーやタイマーで撮った写真もどことなくバレます、やめましょう。

また背景も自分の髪型や顔の輪郭を考えて取りましょう。髪の毛と後ろの黒いバックが同化していると、モノクロコピーをとったとき、まるで「貞子」です。( ;∀;)

男性のオシャレ髭もコピーを撮ると、ほぼ「泥棒化」します。(-_-;) 損です。流行より清潔感を出し、自分の姿を露わにしてください。あえて不潔風な人と仕事をしたい人はほぼいません。

押入れの前や仏壇や階段など、よくわからない自宅のどこかで撮ったものも変です。笑いをとる必要はありません。仕事の場はユーモアがあっても笑いが目的であっても方法については真剣です。簡潔に自分の姿がすっきりとはっきり見える写真を。

服装も「自分の写真が先に面接にいく」と考えてください。面接いくのにジャージとかよれよれのシャツって、ないでしょう?=それらはダメなのです。

③学歴・職歴

詐称はバレます、やめましょう。また日本では学歴や職歴の間が空いていると疑われがちです。正しく書くだけでなく、間はなんのための間だったのか、聞かれたときに説明できるよう心得ておいてください。カルチャーセンターや習い事を並べる人もやめましょう、プロの書類に(極めていない)趣味の記載は要りません。

演出家の名前や作品名などは正確に。敬語を間違って使うと失笑をかいます。

④特技・特殊技能・資格

ないなら書かないでください。適当にかいてもバレます。「英検3級」のような「ふつうじゃん!」と却下される程度のものも書く必要ありません。

さて、ここで、ワタクシが小学生のときの衝撃的な記憶をご紹介。

↓ 事務所所属の俳優(&タレント)養成所のある授業にて。

○○テレビのディレクター「はい、次。▽さん。特技はなにかありますか?」

クラスメイトの女性(25歳)「はいっ!歌が得意です!」

ディレクター「じゃ、歌ってみて。」

メイト女性「えっ?!…今、ですか?」

ディレクター「得意なんでしょ?」

メイト女性「…えっ、なにを歌えば…?」

ディレクター「得意って言うなら、いますぐ歌えなきゃ。歌えないなら得意とは言えない」(きっぱり)

メイト女性「…じゃ、じゃあ…(モジモジ)歌いますっ」

おおっ!とクラス全10数名が緊張した瞬間、

聞こえてきたのは「ドナドナ」!!!

ああ、やっちまった。。大人に混じった小学生の私は、いたたまれない気持ちに。(生意気、笑)

ディレクター「もういいっ!うまくない!下手っ!(怒)」

小Kaoru(えっ?そこ?!)

という訳で、不特定多数の方々が公に相当ほめるレベルでないと特技とか得意とは言えません。日本舞踊なら名取りレベル、クラシックバレエなら10数年以上ですかね。

近年あるYoutubeから盗んできた漫談やえせダンスや手品や話芸もおやめください。審査員は目を細めつつ、心で泣いています、はやく終わりたいな、と。(笑)

平和が一番です。よく考えて準備しましょう。

後編へ続く~。

「実力」とは?

真剣な話題。「実力」。一体、何でしょうか?能力?なんの力?気合い?練習?意図?

オーディションや舞台などで「実力が出せなかったァ~泣」「実力が分かってもらえな~い」「いや、実力がまだ足りない」など。みる側も「実力が分からない」「実力出して!」「実力の差だよね」(笑)など。演劇、ダンス、音楽では特に話題になる「実力」…。(;^ω^)

演劇の指導の現場での面白エピソードがあります。

有名演出家であり指導者でもある某氏。

いつも通り明るく和やかな雰囲気のもと、広々とした稽古場でいくつかの愉快でためになるエクササイズをして、からだも温まり気分もほぐれた後、それぞれの役を振り当てられ、練習用の衣装を着て、みんなすぐに台本をもって、立ち稽古。

みんな楽しそう。

大御所「じゃあ、やってみよ~か~♪ 最初のチームから~」

ヒヨコ俳優たち「は~い♥  」

と朗らかに始まった芝居のシーン稽古。

あれっ?!

大御所の様子が…あ、ああっ、大御所っ!だいぶ前に乗り出して…熱心に見ている、おお、真剣なのね~。

と感心したワタクシ。

しかし…あらっ?!腕組したぞ?!あっ、呼吸がっ…もしかして…ご不満??? (-_-;)

シーンの方はというと、お世辞にもあまりうまくは行っておらず、目的が不明瞭だったり、ここがどこで誰なのか、状況や人間関係もあいまいな動きやせりふが目立ち、声や姿勢の癖も邪魔になっているし、…

「私だったら、注意するよな~(T_T) 長くやってみても変わらないし」と内心苦笑いしてしまったワタクシ。

しかし、大御所はその後、何組も何組も同じシーンをみる、みる、みる。とても熱心に。そして身を乗り出しつつ、引きつつ(泣)、目を見張りつつ、肩を落としつつ(笑)。

大御所のおおらかで朗らかな様子と優しい口調に、ヒヨコ俳優たちも陰気にならず、一生懸命、舞台に出て行って、いろいろうまくいかなくても、笑顔で戻ってきていた。ヒヨコなりに、学ぶ環境としてはいい時間のはず。

そして、90分が経とうかという頃、

大御所「さて、おつかれさまでした~、みんな~ありがとう。」

と言う温かな感謝のあいさつとともに、一通り全チームが終わり、大御所は言い放ったのです。

大御所「これがね、今のみんなの『実力』だから」

一同。シーン。。。

気まずい沈黙。。やはり、そう来たか。。ガクッ。。

大御所は手綱を緩めなかった。。。(-_-;)

大御所「1回目に、初めてやってできること。それが実力です。」

大御所「たくさん練習して、ひとにいろいろ言われてできるのは、当たり前。」

ヒヨコの動きが停止。

(-_-;)

大御所「コーチがついたり、演出家が指導したりね。それは実力じゃない。最初の1回目に自分でできたこと、これが実力。長い時間稽古して、リハーサルしてそれでみんなで作っていけば、できることは増えるけど、それは公演のための創造の積み重ねを集団でした成果。」

嗚呼!

チーン。。

そうなのです。レッスンでも、生徒側が1回目にやったこと=現時点での実力。イスのせいでも扉のせいでもな~い。オーディションも試験も初めの様子が実力と思われて致し方ない。稽古初日でも。。

いわゆる本番を前提としてパフォーマンスを伸ばすのですよね?なら、実際に自分が今やっていること=実力とするのが現実的なんです。

そう。ときどき、「いやぁ、あと2日あれば~、○○もできたし、▽▽もできたはずなんだけど~」という話を耳にする。が、そこで2日増やしてみたところで、○○も▽▽も実ったのを私はこれまでみたことがありません。(やってみました、何度も)

それは2日分の練習やリハーサルが無駄なのではなく、2日分程度では、さまざまな能力は「他人に伝わるほど」そして『人前で緊張している状況でも発揮できるほど定着はしない』というです。

大御所の不意打ちに倒れたヒヨコたち。。

お、おつかれさまでした。。

その後、笑顔で私に「そうなんだよ~、ははは 笑 『実力』ってそういうもんでしょ?」と恐ろしい例をいくつも出して説明する大御所。

そしてヒヨコたちが、これまで以上に注意深く毎日の課題をやるように、日々の取り組みに真剣になったことは間違いない。

結果、オーライです。

2015年もあと少し、実力を発揮して愉しく過ごせるよう、毎日の時間をつかいましょう!

写真は外乗でまったく私の言うことを聞かなかった美馬の奔放な姿。(T_T)

虎の巻:初回「試験」や「オーディション」の目的を考えよう!

試験やオーディションの多い季節(?)になりました。

どうしよう!?緊張する!受かりたい!心配だな、なにするんだろう、いや、困ったな!ま、いいや、ありのままで!でも、どうしよう…など(笑)

永遠のテーマの一つと思います。

オーディションを受ける側から、はやウン十年(笑)、今はちらほらと養成所などで、ちょいと審査委員することもあるので、実践的なアドバイスをいたします。

①「試験」や「オーディション」の『目的』を考えよう!

この前提なしには、まともなコミュニケーションはおろか、言動がトンチンカンになる恐れがあります。面接で見当違いな受け答えをしたり、場合によっては願書におかしなことを書いてしまう恐れも!ひー!(T_T)

課題の歌やセリフ、ダンスや特技など、事前にせっかく準備をするにしても『目的』が腹の底から了解できていないと、その「分かってない」感じ、出てしまうんですよ。ははは 涙。。。

オーディションの名目で資金集めや別部署の人員をあさるなどの怪しいところはさておき、今回は養成所や劇団の入試やオーディション。(現場編は後日♪)

目的はズバリ!あなたがおおよそどんな人で、どこの誰で、今まで何してきて、これからどうなっていきたくて、今はどんなこと考えていて、どんなこと感じているのか、です。つまり「Who are you?」=どちらさまですか?

なので、「自分が誰で、どうなりたいのか」に合わない言動や様子はほぼマイナス、となります。矛盾しているのも×です。(^^;

審査員はほぼ初対面です。(知り合いもいるが 笑)それでもオーディションでは自分がどこの誰なのか、どこから来て、どこに行きたいのかを明かす必要があります。(文学的な意味だけではなく)

ですから、例えば、顔もみえないような髪型や服装は基本的に×。

みてもらいたいからオーディション来てるのに、顔や姿がみえないようにしている、って矛盾しているんですよぅ。

前髪や襟なども流行やファッションかもしれませんが、自分が「明らかになる」よう、「みてもらいたい」態でいることは大前提。

ましてや人前に出る仕事を希望しているのですから、多少緊張していても恥ずかしくても、出しましょう。出ていないものは評価の対象になりません。

これは声やうごきにも言えること。自信がないからと会場でちゃんと聞こえないような声では判断できません。それどころか、失礼。相手に聞こえない声でしゃべる=聞いてほしくないのか?とこちらは思ってます。うごきもうろ覚えだからとモジモジしていると、あなたが存在していることすら、みてもらえない可能性大。

出ていないものは、対象外!なのです。

隠すことに時間やエネルギーを割くのをやめましょう。

己を出すために、出したときに何を、どう出したいか。そのために練習や訓練を積みましょう。

それにね…

見えないように隠されてるものをみようとするって…

とっても疲れるんです!!!(笑)

審査員も人間です。(´;ω;`)

真剣にみているのに隠されてると、悲しい。

そして見づらい&聞きづらい=判断しづらい=疲れる=あまり好印象でない=

…こんな連鎖です。

どうかお気をつけください。

お疲れモードの方々にアルゼンチンでのケーキ画像を送ります💙

次回へより複雑な現場編へ、かな?